Social Research Methods I

Numbering Code G-EDU48 57351 SJ47
G-EDU48 57351 SJ45
Year/Term 2022 ・ First semester
Number of Credits Course Type topics seminar
Target Year Master's students Target Student
Language Japanese Day/Period Wed.5
Instructor name KISHI MASAHIKO (Part-time Lecturer)
Outline and Purpose of the Course 「他者の合理性」という概念をキーワードにして、質的調査の方法論上の問題について概説する。まずは古典的なエスノグラフィであるポール・ウィリスの『ハマータウンの野郎ども』を取り上げ、「理にかなった行為」がどのようにして歴史と社会構造に規定され、またそれらを規定していくかについて述べる。次に、より最近のエスノグラフィである丸山里美、石岡丈昇、上間陽子、打越正行らの作品を取り上げ、かれらがどのようにして他者の行為の「理由」を記述しているかを解説する。そして私自身の調査の経験から、「人の語りを聞くこと」とはどのようなことかについて考える。最後にマックス・ウェーバーの「理解社会学」に立ち戻りながら、「他者の合理性」を記述するとはどのようなことかについて述べる。他にも、聞き取り調査や参与観察を実践する場合の、方法論的・倫理的・政治的問題にも触れたい。これらの議論を通じて質的調査の方法論上の可能性と課題についての理解を深めることがこの講義の目的である。
Course Goals この授業を通して、科学的方法としての質的調査の歴史、理論、方法、実践について総合的・体系的に学ぶ。あわせて倫理的問題についても議論を深める。
Schedule and Contents 1 導入──質的調査は何をするのか
2 一般化という問題──普遍性と固有性のあいだで
3 「ハマータウン」の教室で何がおこなわれていたのか(1)
4 「ハマータウン」の教室で何がおこなわれていたのか(2)
5 「理由のある行為」とは何か(1)──ウィリスとブルデュー
6 主体的なものと状況的なもの──丸山里美
7 身体と意味──石岡丈昇
8 「裸足」とは何か──上間陽子
9 男であることの社会学──打越正行
10 語りのなかに引きずり込まれる──岸政彦(1)
11 語り手から名前を呼ばれる──岸政彦(2)
12 聞くという経験を書く──岸政彦(3)
13 「理由のある行為」とは何か(2)──ウェーバー
14 方法/倫理/政治
15 まとめ──質的調査は何をすればよいのか
Evaluation Methods and Policy 期末レポート70%、平常点30%
到達目標について、教育学研究科の成績評価の方針に従って評価する。
Course Requirements None
Study outside of Class (preparation and review) 教科書、および授業中に紹介する文献は必ず読んでください。
Textbooks Textbooks/References 質的社会調査の方法──他者の合理性の理解社会学, 岸政彦・石岡丈昇・丸山里美, (2016), ISBN:978-4-641-15037-9
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