Advanced Reading in Philosophy of Education B

Numbering Code G-EDU43 56312 SJ47 Year/Term 2022 ・ Second semester
Number of Credits Course Type reading and seminar
Target Year Master's students Target Student
Language Japanese Day/Period Thu.4
Instructor name ONO FUMIO (Part-time Lecturer)
Outline and Purpose of the Course 本演習では、前期に引き続き、ドイツ語文献の高度な読解と検討をとおして、教育哲学・思想研究の専門的な能力を高めることを目的とする。外国語文献を丁寧に、そして深く読み解く能力を養うと同時に、文献学的な解読の手法を身につけ、問いと思考を練りあげるセンスを磨くことが大きなねらいである。同時にまた、著者の理論的立場や考察の歴史的・文化的な背景といったコンテクストを把握することも要求される。
Course Goals ・専門的文献を読解するための解釈技法を習得する。
・ドイツ語文献を読解する語学力を身に着ける。
・教育哲学・思想研究に必要な理論や歴史的知識に通暁する。
・論理的で厳密な考察や創造的で建設的な批判的議論の能力を養う。
・読解や議論を通して、各自固有の問いを深めてゆく。
・教育哲学・思想研究のおもしろさとむずかしさ、そして推し量りがたい深さを知る。
Schedule and Contents  Martin Buber, Ich und Du (マルティン・ブーバー『我と汝』、初版1923年)の一部を抜粋して、丁寧に読解する。
 オーストリアに生まれ、東欧で育ち、ドイツで活躍し、イスラエルで生を終えたユダヤ人ブーバーの思想は、「対話哲学」として一般に知られており、宗教、政治、文学、精神医学、心理学、社会学、芸術、そして教育の領域で、けっして無視しえない意義をもち続けてきた。また、バフチン、レヴィナス、ハーバーマス、J・バトラーなど、ブーバーの影響を受けた現代哲学・思想も多い。デカルト的コギトに極まる西洋哲学を塗り替えようとするだけでなく、孤立した自我や人間の道具化・物象化といった近代社会の問題を克服しようとする本書の企図を理解するためには、思想史という縦軸と当時の思想状況という横軸の交点において、このテクストを読み解く必要があるだろう。教育学、哲学、心理学、社会学など領域を超えて「対話」なるものについて深く考えようとする者にとって、言語、コミュニケーション、関係的存在、宗教的生といった点で本書の示唆するところは多い。刊行100周年を目前にした本書の魅力を味わうと同時に、受講生のみなさんそれぞれの研究テーマにひきつけながら、まだじゅうぶんには汲みつくされていないその可能性について考える機会にしてほしい。
 授業計画の目安は以下のようになる。
 第1回 イントロダクション
     文献の説明、思想家の背景への導入、担当者決めなどをおこなう。
 第2~14回 『我と汝』の精読
     「授業の概要と目的」で示したねらいにしたがって『我と汝』のドイツ語
     原典を精読し、内容に関して共同討議をおこなう。毎回、受講生全員で分
     担して試訳をおこない、解釈や論点を提起してもらう。
 第15回 総括討議
Evaluation Methods and Policy 【評価方法】
 平常点(出席、訳文やコメントの質、討議への貢献度など)70%、および期末レポート30%により、総合的に評価する。
【評価方針】
 教育学部・教育学研究科の成績評価の方針に従って評価する。
Course Requirements ドイツ語に関する基礎的な語彙や文法を習得していることが望ましいが、この授業を機に学びたいという志があれば、ドイツ語未修者や初学者も歓迎する。
Study outside of Class (preparation and review) 予習および復習(文献の読解と翻訳、参考文献の読解、論点や疑問を記したレジュメ資料の作成など)。
Textbooks Textbooks/References 上記の指定文献(ドイツ語テクスト)は授業でコピーを配布する。
PAGE TOP