Seminar on Philosophy of Education I
Numbering Code | U-EDU01 30198 SJ47 | Year/Term | 2022 ・ First semester |
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Number of Credits | Course Type | topics seminar | |
Target Year | 3rd & 4th year students | Target Student | |
Language | Japanese | Day/Period | Wed.5 |
Instructor name | HIROSHE YUUZOU (Graduate School of Education Associate Professor) | ||
Outline and Purpose of the Course | 本演習は、人間形成を考えるにあたって必須となる時間という視点だけでなく、しばしば軽視されがちな空間という視点をも根本に据えながら、人間の直線的な連続的発達とは異なる非連続的人間形成の内実と意味を考察することを目的としている。グローバル化が急速に進む中で、近年特に取り上げられる社会の特徴に加速主義(accelerationism)がある。効率性と有用性を重視し、時間がいままでにないほど縮減された世界である。そこでは人間が徹底的に擦り減らされてしまうという事態が起こっている。そのような事象を崩し、社会や人間、また人間形成を問い直す視座を空間と空間的思考はもたらしてくれるように思われる。このような視点から、本演習では、空間を基盤に据えながら、直接時間的発達に回収されることのない、非連続的で多様な人間形成を考察しているドイツの教育哲学・教育人間学者・ボルノウ(O. F. Bollnow: 1903-1991)の論考『実存哲学と教育学』をテクストとして、手すりなき時代の新たなよりどころを吟味することを試みたい。 | ||
Course Goals |
・教育哲学・思想や人間形成論の重要な研究手法を理解する。 ・教育哲学・思想や人間形成論の文献を読解し、その内容について自ら考察し、報告・議論を行うことができる。 ・人間存在の空間性・場所性に配慮した非連続的な人間形成について、批判的に考察することができる。 |
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Schedule and Contents |
本演習は『実存哲学と教育学』をテクストとして以下のトピックで議論を進めるが、受講生の理解や授業進度に応じて扱う順序や内容を変更することがある。 第1回 オリエンテーション 第2回 ボルノウ『実存哲学と教育学』序論 第3回 危機 第4回 覚醒 第5回 訓戒 第6回 助言 第7回 前半のまとめと討論 第8回 出会い(1) 第9回 出会い(2) 第10回 出会い(3) 第11回 冒険 第12回 信頼 第13回 挫折 第14回 まとめと全体討論 第15回 フィードバック |
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Evaluation Methods and Policy |
【評価方法】専門的な研究を遂行するために必要な論理、構成、表記に関する力量について、授業中の議論への貢献度・報告レジュメおよび報告の状況(60%)、レポート作成の達成度(40%)をもとに総合的に評価する。 【評価方針】 到達目標について、教育学部の成績評価の方針に従って評価する。 |
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Course Requirements | None | ||
Study outside of Class (preparation and review) | 関連資料を参考にしつつ本演習において分担するテキストを読み進め、必要に応じてグループでの共同作業(内容の検討、発表・報告の準備、原稿の作成など)を行う。 | ||
References, etc. |
実存哲学と教育学, ボルノー、峰島旭雄訳, (理想社、1966年) 人間と空間, ボルノウ、大塚恵一他訳, (せりか書房、1978年) 気分の本質, ボルノウ、藤縄千艸訳, (筑摩書房、1973年) 信頼を考えるーリヴァイアサンから人工知能まで, 小山虎(編), (勁草書房、2018年) |