Princeple of Economics II

Numbering Code U-AGR04 2D202 LJ43 Year/Term 2022 ・ Intensive, Second semester
Number of Credits 2 Course Type Lecture
Target Year 2nd year students Target Student
Language Japanese Day/Period Intensive
Instructor name SAITO KOHEI (Part-time Lecturer)
Outline and Purpose of the Course この授業では、私たちの生活する「資本主義社会」とはいったいどのような社会システムなのかを、社会経済学(political economy)の立場から分析する。なぜ生活をするための仕事で、過労死をするまで働いてしまうのか。なぜ生きるために必要な生産・消費活動が人類の存在を脅かすほどの環境破壊を引き起こしてしまうのか。本講義では、カール・マルクスの『資本論』を手がかりとして、こうした問いを考察していく。そのために、「商品」「貨幣」「資本」といった日常にありふれたモノの分析から出発し、資本主義社会の全体像を再構築していく。そのうえで、マルクスの経済学批判の現代的意義や資本主義社会の将来的展望について論じる。
Course Goals 具体的には以下の能力を身につけることを到達目標とする。
1.『資本論』の基本的内容が理解できること。
2.現代資本主義についての科学的知見を獲得すること。
3.資本主義社会の歴史的特殊性を把握できること。
Schedule and Contents 第1回 社会経済学の視点――資本主義への歴史的アプローチ
第2回 労働と疎外――人間と自然との物質代謝・大地との統一と分離
第3回 コモンと私的所有――本源的蓄積・人工的希少性・疎外なき労働の可能性
第4回 市場経済の成立――商品生産・私的労働
第5囘 商品と物象化――価値・使用価値・労働の二重性
第6回 貨幣――価値形態の展開
第7回 資本の成立――剰余価値の概念・二重な意味で自由な労働者・労働力商品
第8回 絶対的剰余価値と相対的剰余価値――剰余価値率・労働日の延長・特別剰余価値・技術革新
第9回 労働の包摂――分業・協業・大工業・資本の生産力
第10回 物質代謝の亀裂――掠奪農業・リービッヒとマルクス
第11回 自然の包摂――農業の工業化とその矛盾
第12回 資本の再生産と蓄積――単純再生産・拡大再生産・領有法則の展開
第13回 利潤率の傾向的低下――有機的構成の高度化・資本主義の成熟
第14回 不均等発展と不等価交換――グローバル化・生態学的不等価交換・帝国的生活様式
第15回 フィードバック
Evaluation Methods and Policy 小レポート20%×二回、期末レポート60%。
評価基準及び方針については、当該年度農学部学生便覧記載の[評価基準及び方針]による。
Course Requirements None
Study outside of Class (preparation and review) 復習として、教科書の該当箇所を読むこと。基本概念を確認し、それらの相互連関をつかむこと、またそれらを現実に対して応用できるようにすること。
Textbooks Textbooks/References 図解社会経済学 資本主義とはどのような社会システムか, 大谷禎之介, (桜井書店、2001年), ISBN:978-4921190088
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