Molecular Cellular Biology II

Numbering Code U-AGR02 3B135 LJ79 Year/Term 2022 ・ Second semester
Number of Credits 2 Course Type Lecture
Target Year 3rd year students Target Student
Language Japanese Day/Period Thu.2
Instructor name KOHCHI TAKAYUKI (Graduate School of Biostudies Professor)
NAKANO TAKESHI (Graduate School of Biostudies Professor)
YAMAGUCHI SHINJIRO (Institute for Chemical Research Professor)
Outline and Purpose of the Course 移動能をもたない植物がどのように環境に適応し、成長を最適化しているのかについて、植物細胞の構造・機能・特性や、主に植物に特有な分子の役割について講述する。具体的には、細胞成長の仕組み、植物ホルモンによる調節、光といった外的シグナルによる環境応答機構を学ぶ。
Course Goals 植物の形質や生理応答を、植物細胞の特性に基づいて説明できるようになる。植物科学の基礎的な課題だけでなく、食糧・環境問題に取り組むための土台となる知識を身につけることができる。
Schedule and Contents (授業計画と内容)
以下の項目に関して講義を行う。ただし講義の進行に対応して順序や関連するテーマの回数を変えることがある。

第 1回 植物の多様性と普遍性(河内)
 講義ガイダンスおよび植物の特徴と多様性およびゲノムの特徴について解説する。
第 2回 光環境応答 1 遺伝子発現調節(河内)
 植物の環境識別と成長の最適化について説明する。赤色光シグナリングを中心にシグナルの受容・信号伝達・遺伝子発現制御について取り上げる。
第 3回 光環境応答 2 細胞応答調節(河内)
 第2回講義に続き、環境応答を取り上げる。青色光シグナリングを中心にシグナルの受容・信号伝達・細胞レベルの応答について取り上げる。
第 4回 植物の発生 1 生活環の制御(河内)
 植物の生活環とその制御について解説する。栄養成長と生殖成長およびその制御(成長相転換)を中心に扱う。
第 5回 植物の発生 2 配偶子形成と性(河内)
 植物の有性生殖について解説する。配偶子の形成と性決定について取り上げる。
第 6回 植物ホルモン:成長(その1)(中野)
 植物成長や植物カルス誘導に関わる植物ホルモン、化学の力によって生物の謎を明らかにする新しい研究手法であるケミカルバイオロジーについて紹介する。
第 7回 植物ホルモン:成長(その2)(中野)
 植物成長の内、器官伸長・器官分化に関わる植物ホルモンの生合成と受容機構について紹介する。
第 8回 植物ホルモン:成長(その3)(中野)
 植物成長の内、器官伸長・器官分化に関わる植物ホルモンのシグナル伝達機構について紹介する。
第 9回 植物ホルモン:環境適応(中野)
 高塩土壌・高温・低温など環境ストレスに関わる植物ホルモン、植物と病原微生物・昆虫との相関機構に関わる植物ホルモンについて紹介する。
第10回 植物の分子細胞育種(中野)
 植物細胞を用いたバイオテクノロジー技術のうち、植物遺伝子組換え技術、植物ゲノム編集技術について紹介する。
第11回 植物ホルモン:成長(その4)(山口)
 植物ホルモンと農業との関わり(緑の革命など)について紹介する。
第12回 植物ホルモン:成長(その5)(山口)
 植物成長の内、発芽に関わる植物ホルモンの受容と信号伝達機構について紹介する。
第13回 植物ホルモン:枝分かれ(山口)
 植物の枝分かれを制御するホルモンがどのように発見されたのかを紹介する。
第14回 植物ホルモン:共生と寄生(山口)
 植物にとって有益なカビとの共生や、有害な植物による寄生に関わる植物ホルモンについて紹介する。

期末試験/学習到達度の評価
第15回 フィードバック
 方法は別途連絡します。
Evaluation Methods and Policy 【評価方法】
授業への積極的な参加(10点)と期末試験(90点)により評価する。

【評価基準】
評価基準及び方針については、当該年度農学部学生便覧記載の[評価基準及び方針]による。
Course Requirements 既に細胞生物学、生化学、分子生物学の基礎を学習する講義を受講し、十分な知識を習得していること。
Study outside of Class (preparation and review) 講義で自習問題を出題しますので、復習を兼ねて各自で考えること。疑問が残った場合は、翌週の講義で積極的に質問すること。
References, etc. Biochemistry and Molecular Biology of Plants (2nd Edition), Buchanan 他, (Wiley), ISBN:9780470714218
植物生理学・発生学(原著第6版), テイツ/ザイガー, (講談社), ISBN: 9784061538969
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