Ecological Management

Numbering Code U-AGR01 3A254 LJ78 Year/Term 2022 ・ Second semester
Number of Credits 2 Course Type Lecture
Target Year 3rd year students Target Student
Language Japanese Day/Period Fri.3
Instructor name HINOMOTO NORIHIDE (Graduate School of Agriculture Professor)
Outline and Purpose of the Course 害虫の存在は農業生産にしばしば大きなダメージを与えるため、農薬散布による防除が行われてきた。しかし、その結果として農薬に対して抵抗性を持つ害虫の台頭を許すことになった。薬剤抵抗性の発達や周辺生物相への副次的な影響への懸念から、選択的薬剤の開発をはじめ、天敵を用いた生物的防除法などを中心とした総合的害虫管理、さらには持続的害虫管理への転換が模索されている。これらの背景を知り、そのメカニズムや論理を理解することは、農業生産やそれに付随する環境問題を考える上で欠かすことのできない要素である。ハダニ類は顕著に薬剤抵抗性を発達させた代表的な農業害虫であり、世界的に重要な問題となっている。本講義では、重要害虫であるハダニとその点的であるカブリダニを中心に、その生態を理解するとともに、害虫管理の手法として注目される生物的防除について学習する。さらに、害虫管理においてDNA解析を利用する分子生態学的手法についても紹介する。これらを通じて、遺伝学的、生理学的現象と生態学的特性との繋がりの重要性や、農生態系における生態サービスとその保全について考える。
Course Goals 農業生態系におけるダニ類の重要性を理解し、生物的防除に必要とされる生態学的知識および分子生態学について習得する。
Schedule and Contents 農業ダニ学(5回)
生態学・集団遺伝学と害虫管理(5回)
分子生態学(4回)
フィードバック(1回)

フィードバック:講義内及び講義時間外に受講生から出された質問などをもとに、不明瞭な点などを復習するとともに、次の学習に活用する能力を養成する。受講生からの講義時間外における質問等についてはメールもしくは訪問などを通じて随時受け付ける。
Evaluation Methods and Policy 出席状況、講義への積極的参加、小レポートならびに期末試験(レポート)の成績に基づいて総合的に評価する。評価基準及び達成度については、当該年度農学部学生便覧記載の[評価基準及び達成度]による。
Course Requirements None
Study outside of Class (preparation and review) 授業で、わからないことについては、授業終了前の質問時間あるいは小レポートでの積極的な質問を期待する。
2回生対象の「生態学」、3回生前期の「害虫管理学」受講生は理解が進むと考えられるが、本授業だけでも理解できるように構成する。関連した実験が「資源生物科学基礎実験」で行われる。
References, etc. バイオロジカル・コントロール ー害虫管理と天敵の生物学ー, 仲井まどか ・大野和朗 ・田中利治(編), (朝倉書店), ISBN:978-4-254-42034-0
ダニの生物学, 青木淳一他, (東京大学出版会), ISBN:4-13-060210-1
動物生態学(新版), 嶋田正和他, (海游舎), ISBN:9784905930464
「ただの虫」を無視しない農業, 桐谷圭治, (築地書館), ISBN:4-8067-1283-3
生態学者が書いたDNAの本, 井鷺 裕司 , 陶山 佳久, (2013), ISBN:4829965223
Related URL http://www.eco-inf.kais.kyoto-u.ac.jp/
PAGE TOP