医療訴訟の現状と課題[Current situations and issues of medical treatment lawsuit]

Numbering Code P-LAW2066640LJ41 Year/Term 2022 ・ 後期
Number of Credits Course Type 講義方式・双方向方式の併用を原則とし,途中の2回は演習方式とする。
講義方式・双方向方式の授業では,講義を中心としつつ,適宜受講者に発言を求める。授業での発言内容は平常点の対象としないので,誤りを恐れず,積極的に発言するよう心がけてほしい。演習方式の授業では,医療訴訟の記録教材に基づき事前にレポートを作成・提出した上,実体上・手続上の問題点について討議を行う。また,任意参加ではあるが,大阪地方裁判所を訪問し,裁判官の説明を受け,医療訴訟の法廷を傍聴する機会を適宜の時期に設ける。
人数制限を行う(32名)。
Target Year 2・3 Target Student
Language Day/Period 木3
Instructor name 植田 裕紀久
Outline and Purpose of the Course 本科目は,大阪地方裁判所の医事部に所属する裁判官が,医療訴訟の現状と課題を概説するものである。授業は,受講者が債務不履行・不法行為及び民事訴訟手続の基本的事項を理解していることを前提に進められる。
Course Goals 第1の目標は,医療訴訟の実体面及び手続面について,判例及び裁判実務の発展経緯,現状及び今後の課題を学ぶことである。
第2の目標は,医療訴訟の記録教材を用いた演習を通じて,争点整理・事実認定・法的判断を行う力を養うことである。
第3の目標は,以上の講義及び演習を通して,将来法律実務家として医療訴訟をはじめとする専門訴訟に取り組む力を養うことである。
Schedule and Contents 1,2 導入
本講義の導入として,医療訴訟の流れ,論点,話題事項を概説する。
3,4 医事実体法1,2
下記判例等を取り上げながら,医療訴訟における過失について解説する。
・ 最高裁昭和36年2月16日判決(梅毒輸血事件)
・ 最高裁平成7年6月9日判決(未熟児網膜症・姫路日赤病院事件)
・ 最高裁平成8年1月23日判決(医薬品添付文書事件)
5 医事実体法3
下記判例等を取り上げながら,医療訴訟における説明義務について解説する。
・ 最高裁平成12年2月29日判決(エホバの証人輸血事件)
・ 最高裁平成13年11月27日判決(乳房温存療法事件)
・ 最高裁平成17年9月8日判決(分娩方法説明義務事件)
6,7 医事実体法4,5
下記判例を取り上げながら,医療訴訟における因果関係等について解説する。
・ 最高裁昭和50年10月24日判決(ルンバール事件)
・ 最高裁平成11年2月25日判決(肝細胞癌事件)
・ 最高裁平成12年9月22日判決(急性心筋梗塞事件)
・ 最高裁平成15年11月11日判決(急性脳症事件)
8,9 医事実体法6,7
医療事件における損害認定,最近の話題について解説するほか,要件事実の整理について検討する。
10,11 演習問題検討
以上で学んだことを踏まえて,医療訴訟の記録教材に基づき,争点整理・事実認定・法的判断を行う能力を養う。
12 医事手続法1:医療訴訟の手続の問題点と工夫
医療訴訟の手続について,従前どのような問題点があり,それらにつきどのような工夫がされてきたかを解説する。
13 医事手続法2:専門的知見の獲得
医療訴訟の手続における鑑定や専門委員等の専門的知見の取得の実情等を解説する。
14  総括
これまでの授業を総括し,本授業を締めくくる。
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