倒産処理法事例演習[Seminar on Insolvency Law]
Numbering Code | P-LAW2076480SJ41 | Year/Term | 2022 ・ 後期 |
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Number of Credits | Course Type |
演習形式(一部講義形式)。 演習は、事前に設例と問題を提示し、担当者がレポートする方法で進める。 初回の授業で各回の担当者を決める。 なお、人数制限を行う(1クラス20名以下とする)。 |
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Target Year | 3 | Target Student | |
Language | Day/Period | 木5 | |
Instructor name | 野村 祥子 | ||
Outline and Purpose of the Course | 倒産処理法は、実務との接点が最も多い法分野の一つであり、担保権消滅請求制度など実務上の要請が法文となった事項が相当数存在する。本演習では、主として法人の破産手続及び民事再生手続に関する実務上の諸問題を素材とすることにより、倒産手続の“息吹き”を感じ取ってもらうとともに、倒産手続を貫く理念を学んでもらいたい。なお、会社更生手続にも一部触れるが、消費者の倒産手続・免責手続は扱わない。 | ||
Course Goals | 上記「授業内容」記載の各項目について理解・修得し、上記「概要」記載の成果を得ることである。 | ||
Schedule and Contents |
1.倒産処理実務の基礎(講義形式) 倒産処理手続利用の実情・近時の傾向、法的整理と私的整理・清算型と再建型・DIP型、後見型及び管理型など倒産処理の基本類型、一連の倒産法改正の概要、法曹としての倒産処理への関与のあり方及び倒産処理の基本理念等について、概説する。 2.倒産処理手続の申立実務(演習形式) 手続開始申立前段階の事例を素材に、主として債務者の立場から、手続選択、申立準備、開始後に生起する諸問題への対処方針、手続推移の見通し把握等を検討する。 3.倒産処理手続開始前後の実務(演習形式) 申立から開始までの保全段階、あるいは手続開始前後において生起する実務上の諸問題について、事例を素材にその処理の具体的方法や処理内容を検討し、申立または開始決定の効果について理解を深める。 4.既存の法律関係の処理(1)(演習形式) 倒産手続開始時に存続する契約関係や係属中の訴訟手続等の処理方法について、具体的事例を通じて検討し、その基本的な考え方を理解する。 5. 既存の法律関係の処理(2)(演習形式) 第4回に引き続き、倒産手続開始時に存続する契約関係や係属中の訴訟手続等の処理方法についての事例検討を行い、その理解を深める。 6.担保権の取扱い(演習形式) 倒産手続における担保権の処遇に関する諸問題の中から事例を抽出し、破産と再生手続を比較しながら、倒産者や一般債権者の利害状況を踏まえて、担保権者の地位とその取扱いの基本的な考え方を検討する。 7.倒産債権・共益(財団)債権の取扱い(演習形式) 倒産手続に服する債権と倒産手続によらずに行使できる債権について、具体的な事例を通じて、破産と再生手続を比較しながら、実務上の問題点を検討する。 8.倒産者財産の回復(演習形式) 各否認類型の要件と効果について、具体的な事例を通じて検討し、詐害行為否認、偏頗行為否認それぞれに対する基礎的理解を得るとともに、否認権の実情について理解を深める。 9.相殺(演習形式) 倒産手続における相殺の取扱い及び相殺禁止について具体的な事例をもとに検討する。 10.破産手続の進行(Ⅰ)(演習形式) 破産管財人による破産財団の換価の過程で生じる諸問題の中から事例を抽出し、実務処理への理解を深めるとともに、法的問題点の検討を行う。 11.破産手続の進行(Ⅱ)(演習形式) 債権の届出、債権調査、配当、終結に至る手続の過程で生じる諸問題の中から事例を抽出し、実務処理への理解を深めるとともに、法的問題点の検討を行う。 12.民事再生手続(演習形式) 財産評定、再生計画の立案から認可、再生手続終結に至る手続等について、事例をもとに実務処理への理解を求めるとともに、清算価値保障原則等に関する法的問題点の検討を行う。 13.再生計画と更生計画(演習形式) 再生計画と更生計画の策定方法、計画内容、計画の遂行について、具体的事例を通じて検討するとともに、再生手続と更生手続の相違を理解する。 14.総括(講義方式) 以上をふまえ、倒産処理全体について、その実践的意義について検討・討議する。 |