企業法務2[Business Law and Practice II]
Numbering Code | P-LAW2066200LJ41 | Year/Term | 2022 ・ 後期 |
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Number of Credits | Course Type | 本科目の授業形式は、基本的にレジュメ等の資料を用いた講義形式で行う。ただし、事前に予告した課題を検討の上で意見交換を行う形式も一部取り入れたいと考えている。 | |
Target Year | 2・3 | Target Student | |
Language | Day/Period | 水5 | |
Instructor name | 織田 貴昭 | ||
Outline and Purpose of the Course |
企業法務を、弁護士の立場から企業を依頼者とする法律案件と捉えた場合、その範囲は極めて広範なものとなる。 本講義では、そのうち典型的な分野をいくつかピックアップし、契約書等の具体的な資料をもとに、企業法務に関与するにあたっての基本的な実務知識を解説した後、当該テーマに関する近時のトピックの法的・実務的検討を行うことにより、企業法務及びそこで問題となる幅広い法律問題についての理解を深める。 なお、ある程度の民法・会社法の予備知識があることが望ましく、その意味で3年次の学生向きともいえるが、企業について問題となる様々な法分野の基礎的な部分に触れてみたいという意欲のある2年次の学生の参加は大いに歓迎する。 |
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Course Goals | 上記「授業内容」記載の各項目について理解・修得し、法律実務家となった際に直面するであろう企業法務分野の様々な法律問題に関する基礎知識とともに、調査・検討のための手掛かり・方法論を身に付ける。 | ||
Schedule and Contents |
1. イントロダクション 本講義全体のイントロダクションとして、法律情報の調査に関する基本を概説するとともに、実態としての企業の組織及び組織における決定プロセスと、これを前提とした弁護士の業務遂行について述べる。 2. 企業の運営 株主総会やコーポレート・ガバナンスに関する会社法上の近時のトピックや改正の背景事情、裁判例を取り上げ、コーポレート・ガバナンスのあり方について考える。 3. 企業の契約 一般的な取引基本契約書をもとに、企業間の取引の実態を概説の上、具体的な契約交渉や解釈の方法、契約違反の処理等について検討し、企業間取引における契約の重要性について考える。また、強行法規との関係での限界についても検討する。 4. 債権管理・回収 企業の債権の管理・保全の手法のほか、担保の種類や実行方法について倒産時も視野に入れて概説する。 5. 情報管理 個人情報と営業秘密を中心に、企業における情報の管理について概説する。 6.不動産 不動産取引にかかる紛争事例を参照しつつ、企業における不動産の利用、処分にかかる法律問題を検討する。 7. 企業の訴訟 民事訴訟に関する弁護士業務一般について、適宜、企業を依頼者とする訴訟の特徴や和解における考慮事項等を踏まえながら概説する。 8. 資金調達 企業における資金調達の多様化を踏まえ、デット・ファイナンスとエクイティ・ファイナンスの違いを中心に、種類株の活用、ベンチャー投資等についても概説する。 9. 株式市場の法 株式市場への上場手続、株式市場における開示制度(公開買付・委任状勧誘を含む)、インサイダー取引について説明するとともに、金融商品取引法の規制を概観する。 10. M&A M&Aの方法と手続のほか、特に株式譲渡の場合を中心に実際の交渉段階を踏まえ、基本合意書や最終契約の条項について概説するとともに、近時のトピックについても検討する。 11. 競争法 独占禁止法の基本構造とその内容を概観するとともに、企業法務の観点から、その手続及び対応につき説明する。 12.労働法 現在の雇用制度の全体像について概観した上で、具体的な就業規則等をもとに、その内容・問題点などを説明する。また、雇用形態の多様化を踏まえ、非正規雇用など近時のトピックについても検討する。 13. 倒産法 企業破産・民事再生・会社更生の各手続を比較しながら、手続選択、申立て準備、申立て、保全、開始決定から手続の終結までの流れを概説するとともに、債権回収との関係についても確認する。 14.リスク管理 企業におけるリスク管理、特に製品事故に関係する法律の概要と事故対応について、具体的な事例をもとに説明する。 なお、上記内容については、一部変更や順序の組替えが有り得る。 |