企業法務1[Business Law and Practice I]

Numbering Code P-LAW2066180LJ41 Year/Term 2022 ・ 前期
Number of Credits Course Type 原則として、担当講師がレジメ・資料等に基づき解説を行いますが、本講座の特色として、一部については、上場大企業の現(元)法務担当役員/法務部長がゲストスピーカーとして実務解説を行います。
また、基本契約書検討等についてはあらかじめ課題を提示し検討を行う、ワークショップ形式をとります。
Target Year 2・3 Target Student
Language Day/Period 木3 木4
Instructor name 北村 雅史・島岡 聖也
Outline and Purpose of the Course 現代(上場)企業は、適切なリスクテイクを行いながら、健全で誠実な事業活動を通じて国際競争力を高め、中長期的視点に立って企業価値を継続的に増大させることが求められています。そのためには、会社法や上場規則等の定めるガバナンス、内部統制(リスクマネジメント、コンプライアンス)の仕組みを整備することはもちろんですが、国内外投資家や多様なステークホルダーの要請にも留意しながら、果敢に事業活動を進める必要があります。
本講座は、このような状況下での経営戦略スタッフとして、法務部門(社内弁護士や法科大学院修了生は中核人材となりつつある)の整備は必須であり、その果たすべき役割もますます拡大強化される動向を踏まえて、法務組織、人材像及び多様化する業務内容と必要な基礎知識のポイントを内部視点から解説します。将来の職域選択として企業内法務(インハウス)を目指す方にとってはもちろん、裁判官・検察官・社外弁護士を目指す方にとっても、企業法務の実情と将来像を知ることは大変有益であると思われます。
Course Goals 上記「授業内容」記載の各項目についてその内容を具体的に説明できるように理解して、上記「概要」記載の成果を得ることです。
Schedule and Contents 授業は、原則として隔週開催し、2限連続で以下の予定で行います。但し、講師・ゲストスピーカー等の都合で、内容の一部、日程や順序が変わることがあります。
なお、授業開始前と終了後で受講により企業法務に関する認識がどう変わったかを調査するためにアンケートを実施します。受講される方は、必ず指示に従って提出してください。
第1回 (4/14(木)3限、4限)
① 企業法務とは何か?
初回は、講義の進め方に続き、企業法務の組織、人材・処遇、業務・役割、醍醐味、社内外弁護士の違いと相互関係や、現状の課題と将来像等を俯瞰的に検討することで、企業法務で実際何がなされているのかを理解するとともに、皆さんが法律専門家として企業内で何を求められ、何ができるのかという具体的なイメージを持っていただくことを目標とします。
② 会社の組織権限構造・意思決定システムの基礎知識と法務部門が果たすべき役割
企業内部での法務部門の役割は、トップや各部門に対して、専門的知識を生かしたサービスを行うことにとどまりません。会社の事業・組織・望ましい権限分配の在り方を理解したうえで、会社法等の基礎知識をベースとして、会社(企業グループ全体を含む)のガバナンス・内部統制システム、意思決定の仕組み全体を構築し適切に運用する、まさに基幹的経営スタッフとしての役割も求められます。
◎受講者の皆さんには、簡単な意思決定システムに関する事例の事前検討をしていただきますので、その議論を通じて基礎実務のイメージを把握してください。
第2回 (4/28(木)3限、4限)
① 会社法によるガバナンスの基礎
公開大会社が採用する機関設計の変遷(監査役(会)設置会社、指名委員会等設置会社、監査等委員会設置会社)の内容と、その変遷理由を振り返るとともに、これに対する会社の実務対応と現状について解説します。
② ソフトローによる ガバナンスの進展
現在、上場会社は、国内外の株主・投資家との関係において、等しく理解されうるガバナンス体制と企業価値向上のための「稼ぐ力」を備えるとともに、積極的な情報開示と継続的な対話(エンゲージメント)を行うことが求められています。その背景や推進のためツールとなったソフトロー(スチュワードシップコード及びコーポレートガバナンスコード)の制定経緯・特色や実務の対応状況を検討します。
第3回 (5/19(木)3限、4限)
① ゲストスピーカー(金融機関の法務) 
企業の資金調達(ファイナンス)の3態様(間接金融・直接金融・証券化)を中心に、ゲストスピーカーからお話しいただきます。
② 内部統制システム(リスクマネジメント、コンプライアンス体制)構築義務の基礎知識と役員の責任
会社法の定める内部統制システム構築義務の概要と、役員の責任との関係を検討します。
第4回 (6/2(木)3限、4限)
① 内部統制構築システムの実務と実例解説
会社はどのような体制とステップを経て実際に内部統制システムを構築するのか、実例を通じて解説します。
② 企業における紛争予防と解決、社内外弁護士の役割
企業を取り巻く紛争の諸相と解決方法の概要、予防解決のための仕組みの整備と法務部門の役割、社内外弁護士の役割分担と連携について、解説します。
第5回  (6/16(木)3限、4限)
① 企業と契約実務、注意すべき契約規制と電子契約
企業が取り扱う様々な契約について、法務部門はどのように関与し、管理しているかを説明します。また、あわせて、契約作成に当たって注意を要する主要な規制や、導入が進む電子契約ツールについて検討します。
② 売買取引基本契約をめぐる諸問題(ワークショップ)
企業において多用される売買取引基本契約を取り上げ、主要な条項を検討します。
◎受講者の皆さんには、契約書案の事前検討をしていただき、交渉すべきポイントに関する理論と実務について検討を行います。
第6回 (6/30(木)3限、4限)
① 取締役会の実務
取締役会の運営と招集から議事録作成までの実務のポイントについて説明します。また、最近の取締役会の構成、役割やあり方についての主な議論を検討します。
② ゲストスピーカー(予定)
法務部門の実態、業務内容、特色等について、ゲストスピーカーからお話しいただきます。
第7回   (7/14(木)3限、4限)
① 株主総会の実務
瑕疵がないだけでなく、充実した対話型総会を目指した株主総会の実務で特に問題となる、招集手続、提案権、議決権行使の取扱い、当日の議長の議事運営(議事整理、一括上程審議、説明義務)等について、ポイントを検討します。
② ゲストスピーカー(予定)
法務部門の実態、業務内容、特色等について、ゲストスピーカーからお話しいただきます。
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