労災補償と労働者福祉[Workers' Compensation and Employees' Benefits]
Numbering Code | P-LAW2066160SJ41 | Year/Term | 2022 ・ 後期 |
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Number of Credits | Course Type |
演習形式。 なお人数制限を行う。(24名程度) はじめに、労災保険制度につき解説を加え、各回の発表担当者を決定する。3回めからは、授業時間中の前半で発表担当者が発表を行い、後半で質疑応答(または議論)を行う。発表の際にはレジュメを用意することとする。発表担当者以外の者も、事前に予習し、積極的に学習することが求められる。 |
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Target Year | 2・3 | Target Student | |
Language | Day/Period | 火4 | |
Instructor name | 小畑 史子 | ||
Outline and Purpose of the Course |
労働災害に対する補償を中心とした制度および労働者の福祉に関連する諸制度の法的問題を検討する。 労災補償に関しては、労災補償制度の沿革と概要、労災保険の基本的枠組み、具体的な業務災害の認定、通勤災害の認定、被災者に対する給付、労災補償給付と損害賠償の調整等につき、文献、判例等を素材にしながら検討する。 労働者の福祉に関する問題としては、退職金、年次有給休暇を含む休暇制度を法的な視点から取り上げる。 労災補償の制度および労働者福祉に関連する諸制度を深く理解し、その性質や問題点を詳細に論じる能力を身につけることを目標とする。 |
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Course Goals | 上記「授業内容」記載の各項目について理解・修得し、上記「概要」記載の成果を得ることである。 | ||
Schedule and Contents |
1.労災補償制度の概要 わが国の労災補償制度の沿革と特徴を概観する。 2. 労災保険の基本的枠組み 労災保険制度の仕組みを概観する。 3. 労災保険法上の労働者 労災保険法上の「労働者」についての下級審裁判例を横浜南労基署長(旭紙業)事件最高裁判決(最一小判平8・11・28判例時報1589号136頁)と共に検討する。 4. 業務上認定(1)業務遂行性についての理解を深め、国・行橋労基署長(テイクロ九州)事件判決(最二小判平24・12・25判例時報2321号127頁)等を検討する。 5. 業務上認定(2)業務起因性についての理解を深め、国・尼崎労基署長事件判決(大阪高判平24・12・25労働判例1079号98頁)等を検討する。 6. 業務上認定(3)過労死の業務上外認定に関する横浜南労基署長(東京海上横浜支店)事件最高裁判決(最一小判平12・7・17労働判例785号6頁)をはじめとする判例を検討する。 7. 業務上認定(4)過労死の業務上外認定に関する地公災基金東京都支部長事件最高裁判決(最三小判平8・1・23労働判例687号16頁)をはじめとする判例を検討する。 8. 業務上認定(5)過労自殺の業務上外認定に関するさいたま労基署長(日研化学)事件判決(東京高判平19・10・11労働判例959号114頁)をはじめとする判例を検討する。 9. 通勤災害(1)通勤災害の概念を明らかにし、札幌中央労基署長(札幌市農業センター)事件判決(札幌高判平成元・5・8労働判例541号27頁)等を検討する。 10. 通勤災害(2)通勤途中の介護のための立ち寄りに関する国・羽曳野労基署長(通勤災害)事件判決(大阪高判平19・4・18労働判例937号14頁)等を検討する。 11. 労災補償給付と損害賠償の調整 労災保険法に基づく保険給付と損害賠償との調整について概観し、高田建設最高裁判決(最三小判平元・4・11民集41巻4号209頁)等を検討する。 12. 退職金 退職金の法的性質を概観し、退職金の減額・不支給についての下級審裁判例を三晃社事件最高裁判決(最二小判昭52・8・9労働経済判例速報958号25頁)と共に検討する。 13. 様々な休暇制度(1)様々な休暇制度を概観し、また時事通信社事件最高裁判決(最三小判平4・6・23民集46巻4号306頁)等を検討する。 14. 様々な休暇制度(2)休暇取得に対する不利益取扱いについての下級審裁判例を広島中央保健生活協同組合病院事件最高裁判決(最二小判平26・10・23民集68巻8号1270頁)と共に検討する。 |