労働法1[Labor Law I]
Numbering Code | P-LAW2066100LJ41 | Year/Term | 2022 ・ 前期 |
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Number of Credits | Course Type | 判例集等を用いて、講義形式と双方向・多方向形式を併用して授業を進める。 | |
Target Year | 2・3 | Target Student | |
Language | Day/Period | 金3 | |
Instructor name | 島田 裕子 | ||
Outline and Purpose of the Course | 本授業においては、労働法の枠組と労働条件の多様な形成要因に関して検討を行うことで、労働法上の制度や概念に関する基本的理解を得ることを目的とする。順序としては、労働法の適用対象の画定、就業規則、労働協約などの労働条件形成要因の法的根拠と限界などの基本的問題を検討したのち、それらを踏まえて、賃金や労働時間の問題、労働関係の成立と終了をめぐる問題、労働条件の変更をめぐる問題等を検討する。 | ||
Course Goals | 本授業は、労働法における基礎的概念、各制度の基本内容とその趣旨等に関する基礎的理解の獲得を目標としている。労働法上の問題に直面したとき、それがどのような概念や制度にかかわる問題であるかを判断できる程度の理解を目指すものである。 | ||
Schedule and Contents |
1.労働法の基本スキーム 国家による最低労働条件規制、労働契約に関する法理、集団的労働条件決定をめぐる法ルール、雇用保障や職業紹介・派遣事業などに関する規制など、労働法の全体を俯瞰し、その基本スキームを検討する。 2.労働法の適用対象 雇用契約、請負契約、委任契約という民法における労務供給型の契約類型とその意義、労働法における適用対象の画定の方法、さらに労働契約概念及び労働契約における基本的権利義務の内容を検討する。 3.労働条件の決定と変更1 法律、労働協約、就業規則、慣行、労働契約といった多様な労働条件形成要因の法的根拠及び効力、さらには要因相互間の序列を検討する。 4.労働条件の決定と変更2 法律、労働協約、就業規則、慣行、労働契約といった多様な労働条件形成要因によって決定されている労働条件の変更方法とそれが許される範囲について検討する。 5.労働契約の成立と契約禁止条項をめぐる法的問題 労働条件の明示など、労働契約の締結をめぐる労基法上の規制を説明し、採用内定及び試用時の法律関係や留保解約権をめぐる問題を検討するとともに、労基法上の契約禁止条項について検討する。 6.賃金・退職金に関する法的問題 労基法等における賃金規制とそれをめぐる法律問題、及び労働がなされなかった場合における賃金や休業手当の問題等を検討する。 7.労働時間・休憩・休日に関する法的問題 労基法上の労働時間規制の全体像を概説し、労働時間概念、みなし労働時間制度、変形労働時間制度、有給休暇等の法的問題を検討する。 8.休暇・休業・休職に関する法的問題 労基法上の有給休暇をめぐる法的問題を検討した後、各企業においてみられる休業制度や休職制度の法的問題について検討する。 9.人事異動と個別的労働条件の変更 配転、出向、降格など、個別的労働条件の変更について、その法的性格を考察するとともに、その限界について検討する。 10.懲戒処分と労働者の人格権の保護 懲戒処分の法的性質・根拠とその限界について検討するとともに、職場における労働者の人格権の保護について検討する。 11.安全衛生・労災補償と安全配慮義務 安全衛生・労災に関する制度の基本的枠組みとその問題点及び安全配慮義務に関して検討する。 12.労働関係の終了1 労働関係の終了原因を概観した後、定年、合意解約、退職をめぐる法律問題を検討するとともに、解雇に関する労基法上の規制を検討する。 13.労働関係の終了2 労働契約法における解雇及び雇い止めに関するルールについて検討する。 14.差別禁止法理と妊産婦等の保護 労基法や男女雇用機会均等法における差別禁止の内容を検討するとともに、労基法上の妊産婦等の保護規定について考察する。 |