ADRと法[Alternative Dispute Resolutions]

Numbering Code P-LAW2065940PJ41 Year/Term 2022 ・ 後期
Number of Credits Course Type 事前に指定した論点にそって,双方向・多方向形式で授業を進める。手続の性質上,実務的な知見も重要であるので,調停の実習(ロールプレイ)を行い,経験豊かな弁護士からの指導を受ける機会を設ける。なお,人数制限を行う(25名程度)。
Target Year 2・3 Target Student
Language Day/Period 金5
Instructor name 山田 文
Outline and Purpose of the Course 調停,仲裁などの裁判外紛争解決手続(ADR)について,その理論的意義,とくに裁判制度との関係及び私的自治との関係を中核的な関心として,ADRにおける法の役割,弁護士等法曹実務への影響,及び司法型ADRを含めたADR全体の在り方について,議論する。近時は国際調停・仲裁の活用,ODR(オンラインでの紛争解決)の活性化も進み,法改正も予定されている。このような時事的な状況も紹介する予定である。授業では,多様化するADRの制度論,ADR法・仲裁法・民事調停法等の実定法解釈論(民事手続法の応用の側面を有する),及び,交渉や調停の実習(ロールプレイ)等の実践論を組み合わせて,ADRと法についての多角的な理解を目指す。
Course Goals 上記「授業内容」に記載した事項について,具体的に説明できるような理解に達し,上記「概要」に記載した成果を得ることである。
Schedule and Contents 〇取り上げる内容は下記のとおりであるが,順番は前後する可能性がある。
1.イントロダクション:ADRの歴史的・理論的背景について検討する。
2.ADR機関,手続主宰者,手続の種類:具体的なADRの担い手とその特質,手続の種類について,議論する。
3.ADRの実定的基礎,ADR法の概要:司法型ADR,行政型ADR,仲裁等を含むADR一般に関する実定法制度を概観したうえで,一般法たるADR法について詳細に検討する。
4.ADRと裁判:民事紛争解決手続としてのADRと裁判の関係について,議論する。倒産ADRや金融ADRを例として,ADRと法的手続との連携・移行関係についても検討する。
5.行政型ADR:多様な行政型ADRの特質,意義,問題点について,議論する。
6.司法型ADR(その1):民事調停における実体規範・手続規範の意義,内容,役割,手続のあり方等について,議論する。
7.司法型ADR(その2):家事調停における実体規範・手続規範の意義,内容,役割,家事審判との関係,手続のあり方等について,議論する。
8.訴訟上の和解: 訴訟上の和解について,調停との振分け,和解勧試のあり方,裁判所の裁量権の範囲等について,論ずる。
9.民間型ADR: ADR法により認証された機関を含めて,民間型ADRの特質,意義,問題点について議論し,手続主宰者の備えるべき能力についても検討する。
10.ロールプレイ(その1): 数人のグループで,事例を使って,弁護士が代理人として関与しない調停の実習を行う。
11.ロールプレイ(その2): 数人のグループで,事例を使って,弁護士が代理人として関与する調停の実習を行う。
12.仲裁(その1): 国内仲裁の規律を概観し,その意義及び現状について議論する。
13.仲裁(その2): 国内仲裁に関する応用問題として,仲裁合意の成立,仲裁手続の規律,仲裁判断の効力及び取消事由などを検討する。
14.まとめ: 全体を総括する。
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