企業・金融取引と私法法制[Business/Finance Transaction and Private Law]

Numbering Code P-LAW2075700SJ41 Year/Term 2022 ・ 後期
Number of Credits Course Type 演習形式。
履修者上限数:25名
特定の報告者等を定めることは予定していないが、事前に配布する資料について参加者全員が検討した上で、ディスカッションに参加することが期待される。また、全体で2回を目処に、事前に検討課題を与え、短いレポートを提出させる予定である。
授業は隔週で行い、初回を除き、犬島と藤原が各回2コマ分の授業を担当する。授業内容の欄においては各項目をそれぞれの内容に応じて並べて記載しているが、実際には、以下の順序で授業を行う。
第1回(10月 7日):1・8(藤原・犬島)
第2回(10月21日):2・3(藤原)
第3回(11月 4日):9・10(犬島)
第4回(11月18日):11・12(藤原)
第5回(12月 2日):4・5(犬島)
第6回(12月16日):6・7(藤原)
第7回( 1月 6日):13・14(犬島)
Target Year 3 Target Student
Language Day/Period 金4 金5
Instructor name 藤原 総一郎・犬島 伸能
Outline and Purpose of the Course 民法・会社法を中心とする私法上の重要論点が最新の企業取引・金融取引においてどのような形で問題となるかを、事例に則して検討する。
具体的には、①企業取引(M&A取引)として「経営陣が買収ファンドと共同して行う上場会社のMBO(マネジメント・バイアウト)」を、②金融取引(ファイナンス取引)として「事業会社がその事業や資産から生ずる将来のキャッシュフローを引当てに資金を調達する仕組み(ストラクチャード・ファイナンス)」を、それぞれ具体例として取り上げ、それぞれの取引が内包する複数の民法・会社法上の論点について、法律上の問題点がいかなる形で実務に影響を与えるか、また、実務上の問題点がどのような形で解決されているのかを検討することにより、民法・会社法に関する理解をさらに深めるとともに、理論と実務のギャップを埋めることを目標とする。
Course Goals 上記「授業内容」記載の各項目について検討・議論を行うことを通じて、上記「概要」記載の成果を得ることである。
Schedule and Contents 1.企業取引①:導入~企業取引(M&A取引)の具体例と前提知識の整理
上場会社のMBO(マネジメント・バイアウト)の概要と関連する法律上の問題点の概観、前提となる知識の整理
2.企業取引②:上場会社の取締役が負う善管注意義務と株主に対する責任
TOBに賛同する対象会社の取締役の行為規範
3.企業取引③:利益相反と取締役会の運営
対象会社が締結する契約の内容、利益相反取引と特別利害関係等
4.企業取引④:株主間の利益対立と株主総会決議取消訴訟
少数株主をスクイーズアウトする手続とそのリスク
5.企業取引⑤:株式買取請求権・価格決定申立権
具体的な仮想事例に基づく議論と分析
6.企業取引⑥:M&Aに関する契約と民法との関係
表明保証・誓約・補償等の民法上の意味と実例
7.企業取引⑦:M&Aに関する契約と会社法との関係
会社法に基づくルールと株主間契約の関係等
8.金融取引①:導入~金融取引(ファイナンス取引)の具体例と前提知識の整理
事業会社がその事業や資産から生ずる将来のキャッシュフローを引当てに資金を調達する仕組み(ストラクチャード・ファイナンス)の概要と関連する法律上の問題点の概観
9.金融取引②:ストラクチャード・ファイナンスの設計において問われる担保権の本質
真正売買(true sale)の法律上の意味-担保付借入れと資産売却の区別基準
10.金融取引③:ストラクチャード・ファイナンスの設計において問われる担保権の本質(続き)
真正売買(true sale)の法律上の意味-担保付借入れと資産売却の区別基準
11.金融取引④:ストラクチャード・ファイナンスの設計において問われる担保権の本質(続き)
真正売買(true sale)の法律上の意味-担保付借入れと資産売却の区別基準
12.金融取引⑤:オリジネーター(原資産保有者)の倒産時における法律問題の現れ方
法律上の争点と実務上の解決策
13. 金融取引⑥:課題の解説
14. 金融取引⑦:将来債権の譲渡による証券化の設計と課題
将来債権譲渡の効力、対抗問題の範囲、倒産手続における効力
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