国際法2[International Law II]

Numbering Code P-LAW2065280LJ41 Year/Term 2022 ・ 後期
Number of Credits Course Type 双方向・多方向形式を基本とする。
Target Year 2・3 Target Student
Language Day/Period 水1
Instructor name 濵本 正太郎
Outline and Purpose of the Course 国際法1(前期)と国際法2(後期)をあわせて現代国際法全般を体系的に講義する。
国際法2では、海洋法を中心とする国家管轄権の空間的配分・規律と、国際法の実体的規則が破られた場合に対処するための国際法上の制度を扱う。上記分野に関連する国際法規則の内容を把握するとともに、その背景にある考え方を理解することを目指す。
国際法を使いこなすことのできる実務法曹は世界中で求められており、日本でもその必要性は高まる一方である。本講義では、担当教員の日常的な実務経験に基づき、実務で「どのように国際法を使うか」を身につける。そのため、講義においては具体的紛争事例・裁判例を中心に扱う。
Course Goals 上記「授業内容」記載の各項目についてその内容を具体的に説明できるように理解して、上記「概要」記載の成果を得ることである。
Schedule and Contents 1.海洋法(1)
次の2・3とあわせて海洋法の全体を、主として国連海洋法条約に基づいて学ぶ。まず海洋法の歴史、海洋法秩序の全体像を概観し、領海制度(無害通航権を含む)、国際海峡の通航制度、内水と群島水域、接続水域の制度を議論する。
2.海洋法(2)
大陸棚と排他的経済水域(EEZ)の制度を、両者の法制度的異同を明らかにしつつ考察し、海洋の境界画定問題についても検討する。
3.海洋法(3)
公海の諸制度(公海自由の原則の意味、沿岸国の追跡権、海上犯罪の取締り等)、深海底の法的地位と開発制度、漁業規制を学ぶ。
4.国際法の適用(1)――解釈と規範抵触
法規範を適用するためには、法規範の意味内容を解明しなければならない。とりわけ問題となるのが条約の解釈であるとともに、複数の国際法規範が重複して適用されそうな場合にどのように調整するか、である。ここでは、それら問題に関する国際法実践を学ぶ。
5.国際法の適用(2)――国家責任法(1)
国際法に違反した場合にどのような法的効果が生じるか、次の5とあわせて国家責任法に関する諸問題を学ぶ。まず、違法行為の成立要件について理解する。
6.国際法の適用(3)――国家責任法(2)
違法性阻却事由、国際違法行為に対する国家の国際請求の提起の手続的要件と責任の解除の方法を検討する。
7.国際法の適用(4)――国内法秩序における国際法の適用
国際法は、国内法秩序において何らかの形で適用・実施されることが少なくない。伝統的に「国際法と国内法との関係」として論じられてきた問題を概観したのち、国内法秩序において国際法がどのような地位を占めるのか、各国の実践を踏まえつつ、日本法秩序において国際法がどのように扱われているかを理解する。
8.国際環境法
近年重視される環境の国際的保護をとりあげる。環境の保護と領域主権の関係、環境保護条約における責任原則の態様につき、越境汚染と地球環境保護との異同を踏まえて理解する。
9.国際紛争の平和的処理(1)
次の10とあわせて、国際紛争の平和的処理に関する諸問題を検討する。国際紛争(国家間の紛争)を処理する制度のうち、国際裁判以外の方法(仲介、国際審査、調停等)及び国際機構による紛争処理手続を検討する。対抗措置についてもここで扱う。
10.国際紛争の平和的処理(2)
つづいて、仲裁・司法的処理手続の類型を理解し、国際司法裁判所の裁判制度と手続を学ぶ。そして、近年における裁判の多元化現象を検討する。
11.安全保障(1)――戦争の違法化と自衛権
近世から現代に至るまでの戦争の法的位置づけ、特に戦争の違法化の史的系譜を概観し、さらに、その違法化の例外たる国家による武力行使、すなわち自衛権について理解する。
12.安全保障(2)――集団安全保障と国連の平和維持活動
国際連盟及び国際連合で導入された集団安全保障制度について、両者を対比しつつ理解し、つづいて国連の平和維持活動(PKO)について、日本の参加問題を含めて検討する。
13.武力紛争法(1)
次の14とあわせて、かつての戦争法に代わる現代の武力紛争法を理解する。まず武力紛争法成立の経緯とその存在理由を検討し、武力行使(戦闘)の手段と方法の規制及び犠牲者の保護制度を学ぶ。
14.武力紛争法(2)
つづいて武力紛争法の履行確保の方法を論じたあと、中立制度について(とりわけ日本を取り巻く問題との関連で)学び、最後に軍縮・軍備管理法について概観する。
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