現代立法論[Legislation]
Numbering Code | P-LAW2065120LJ41 | Year/Term | 2022 ・ 後期 |
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Number of Credits | Course Type |
基本的に、講義形式で行う。ただし、受講者の人数や要望等を踏まえて、例えば、具体的な立法上の課題を用いて受講者に法制度設計を行ってもらうなど、より積極的・主体的に授業に参加してもらう方法を取り入れることも検討したい。 ★この科目は公共政策大学院との共通科目(公共政策大学院から法科大学院へ提供)です。授業形式(対面/オンライン)については公共政策大学院の方針に従います。 |
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Target Year | 2・3 | Target Student | |
Language | Day/Period | 土3 土4 | |
Instructor name | 髙森 雅樹 | ||
Outline and Purpose of the Course |
近年、「立法」に関する関心がとみに高まっている。しかし、法律を学ぶ学生の多くにとって、立法過程の実態は、依然として、未知の世界にとどまっているようである。 そこで、本授業では、担当者の現職国会職員としての実務経験を背景に、立法過程の実態について、主に実務的な観点から概観することとしたい。具体的には、①「序論」として我が国の立法の特徴や量的・質的変遷を論じた後、②「立法過程論」として法律案の立案過程及び国会における審議過程、③「法制執務論」として立法政策の内容の検討(法制度設計)及び法令立案の作法(形式や用語等の立法技術)を取り上げる。 これらを通じて、立法過程や立法政策を分析する視座を獲得するとともに、立法技術その他の法律案の立案に必要な基礎的な素養を修得することを目的とする。さらに、立法の実務の世界を理解することによって、実定法の解釈・適用の能力も更に向上するのではないかと期待している。 具体的イメージが湧くよう実際の立案事例をできるだけ取り入れるとともに、現在の立案実務上の主要事項については幅広く取り上げるなど、実践的な内容としたい。 |
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Course Goals |
・立法に関する理解を深め、立法過程・立法政策・立法技術などをめぐる諸問題について自ら考察できる能力を養う。 ・実際に、法律、条例等を立案する際に必要となる基礎的な知識や技術・思考方法を習得する。 |
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Schedule and Contents |
各回で取り上げる主な項目は、以下のとおりである。 ただし、上記「授業形式」で言及したように、受講者の人数や要望等を踏まえて、例えば、具体的な立法上の課題を用いて受講者に法制度設計を行ってもらうなど、より積極的・主体的に授業に参加してもらう方法を取り入れることも検討したい。 また、進行状況等に応じて、若干前後することや取り上げる項目を変更することもある。 第1回(1・2) 〇 イントロダクション ・授業の全体像の概括的な説明 ・「立法学」の概念イメージ 〇 序論:現代立法の状況と特質 ・近代以降の我が国の立法の量的推移 ・現代における立法の質的な傾向 第2回(3・4) 〇 立法過程論Ⅰ(国会提出前の立案過程) ・立法過程を分析する際の二つの視点 ・我が国の立法過程の特徴(政党の事前審査と党議拘束) ・内閣提出法律案の立案過程とその特徴 ・議員提出法律案の立案過程とその特徴 第3回(5・6) 〇 立法過程論Ⅱ(国会における審議過程) ・議事手続の概要(二院制、委員会中心主義、機関承認など) ・議会における「先例」の意義 ・法律案の発議・提出と委員会への付託 ・委員会における審査手続(趣旨説明、質疑、参考人、公聴会、討論、修正、採決) ・本会議における審議手続 ・両院関係など 第4回(7・8) 〇 法制執務論Ⅰ(法制度設計) ・法律案の立案における「五つのハードル」(試論) ・法律事項/政策合理性/立法事実/法的整合性など 第5回(9・10) 〇 法制執務論Ⅱ(立法技術) ・法令立案における基本的ルール(三つの原則、厳格な前例踏襲主義など) ・法律の形式(新規制定法と一部改正法など) ・法律の構造(題名、前文、本則(総則、実体的規定、雑則的規定、罰則)、附則) ・条文の構造 ・配字のルール ・法令文の表記に関するルール ・主な法令用語 第6回(11・12) 〇 具体例を用いた法制度設計・立法技術の検討① 第7回(13・14) 〇 具体例を用いた法制度設計・立法技術の検討② |