民事訴訟実務の基礎[Civil Procedure in Practice]

Numbering Code P-LAW2062400LJ41 Year/Term 2022 ・ 前期
Number of Credits Course Type 双方向・多方向形式
Target Year 2 Target Student
Language Day/Period 金2
Instructor name 本多 俊雄
Outline and Purpose of the Course 民事訴訟実務において特に重要な事項である要件事実についての知識や技能の修得に重点を置き,併せて,事実認定の構造及び民事訴訟手続の基礎的な事項を総論的に理解することを目指す。これにより,他の実務基礎科目を学修するための基本的な理解を得るとともに,民法や民事訴訟法を始めとする法律基本科目,民事裁判演習を始めとする民事関係の実務科目,展開・先端科目等を,理論と実務を架橋するという観点から修得するための基礎固めをする。
Course Goals 上記「授業内容」記載の各項目についてその内容を具体的に説明できるように理解して,上記「概要」記載の成果を得ることである。「民事訴訟実務の基礎」に関する詳細な到達目標については,別に掲載する「京都大学法科大学院の到達目標」(民事訴訟実務の基礎)のとおりである。
Schedule and Contents 1. 要件事実入門
民事訴訟における判断の枠組みを概観した上,攻撃防御の構造について,具体的な言い分を題材として検討を加える。
【要件事実問題演習(1)出題】
この授業終了後,要件事実問題演習(要件事実入門)の演習問題を出題する。各自,主張整理等の起案(以下「起案」という。)を作成し,第2回の授業の冒頭に提出しなければならない。
2. 売買代金支払請求訴訟の要件事実
売買代金支払請求訴訟について,訴訟物,請求原因・抗弁等の要件事実,それらに対する認否等を具体的に分析する。
【要件事実問題演習(1)提出】
この授業の冒頭において,要件事実問題演習(1)〔第1回の授業終了後出題〕について各自が作成した起案を提出する。
【要件事実問題演習(2)出題】
この授業終了後,売買代金支払請求訴訟の要件事実等に関する演習問題を出題する。各自,起案を作成し,第4回の授業の際に提出しなければならない。
3. 貸金返還請求訴訟の要件事実
貸金返還請求訴訟について,訴訟物,請求原因・抗弁等の要件事実,それらに対する認否等を具体的に分析する。
【要件事実問題演習(3)出題】
この授業終了後,貸金返還請求訴訟の要件事実等に関する演習問題を出題する。各自,起案を作成し,第5回の授業の際に提出しなければならない。
4. 賃貸借契約関係訴訟の要件事実
賃貸借契約の終了に基づき不動産明渡し等を請求する訴訟について,訴訟物,請求原因・抗弁等の要件事実,それらに対する認否等を具体的に分析する。
【要件事実問題演習(2)提出】
要件事実問題演習(2)〔第2回の授業終了後出題〕について各自が作成した起案を提出する。
【要件事実問題演習(4)出題】
この授業終了後,賃貸借契約関係訴訟の要件事実等に関する演習問題を出題する。各自,起案を作成し,第6回の授業の際に提出しなければならない。
5. 所有権訴訟の要件事実
所有権に基づき不動産明渡し,不動産登記手続等を請求する訴訟について,訴訟物,請求原因・抗弁等の要件事実,それらに対する認否等を具体的に分析する。
【要件事実問題演習(5)出題】
この授業終了後,所有権訴訟の要件事実等に関する演習問題を出題する。各自,起案を作成し,第7回の授業の際に提出しなければならない。
【要件事実問題演習(3)提出】
要件事実問題演習(3)〔第3回の授業終了後出題〕について各自が作成した起案を提出する。
6. 要件事実問題演習(2)(売買代金支払請求訴訟)講評
売買代金支払請求訴訟の要件事実等に関する演習問題〔第2回の授業終了後出題〕について,第4回の授業の際に提出した各自の起案に基づき,討論した上,講評を行う。
【要件事実問題演習(4)提出】
要件事実問題演習(4)〔第4回の授業終了後出題〕について各自が作成した起案を提出する。
7. 要件事実問題演習(3)(貸金返還請求訴訟)講評
貸金返還請求訴訟の要件事実等に関する演習問題〔第3回の授業終了後出題〕について,第5回の授業の際に提出した各自の起案に基づき,討論した上,講評を行う。
【要件事実問題演習(5)提出】
要件事実問題演習(5)〔第5回の授業終了後出題〕について各自が作成した起案を提出する。
8. 要件事実問題演習(4)(賃貸借契約関係訴訟)講評
賃貸借契約関係訴訟の要件事実等に関する演習問題〔第4回の授業終了後出題〕について,第6回の授業の際に提出した各自の起案に基づき,討論した上,講評を行う。
9. 要件事実問題演習(5)(所有権訴訟)講評
所有権訴訟の要件事実等に関する演習問題〔第5回の授業終了後出題〕について,第7回の授業の際に提出した各自の起案に基づき,討論した上,講評を行う。
【総合事案分析問題演習出題】
この授業終了後,主張整理・事実認定を総合的に検討するための問題を出題する。各自,起案を作成し,第12回の授業の際に提出しなければならない。
10. 訴訟代理人の役割等,主張整理
主張を整理する手続を概観し,司法研修所編の教材DVDの関連部分を上映した上で,司法研修所監修『第4版 民事訴訟第一審手続の解説-事件記録に基づいて-』(一審解説)に基づいて訴訟代理人の役割・訴訟活動の内容等について検討する。
11. 事実認定・民事証拠法(その1)
証明の意義,自由心証主義の意義とその限界,書証の成立,その他証人尋問・当事者尋問以外の証拠に関する総論的な問題について検討する。
12.  事実認定・民事証拠法(その2)
証人尋問・当事者尋問に関する総論的な問題について検討し,司法研修所編の教材DVDの関連部分を上映してこれら尋問の具体的な手続を確認するとともに,事件記録に基づき,事実認定の基本的な考え方について検討する。
【総合事案分析問題演習提出】
総合事案分析問題演習〔第9回の授業終了後出題〕について各自が作成した起案を提出する。
13. 民事保全・民事執行
民事保全制度の意義及び機能を踏まえて,制度の基本的な枠組みについて検討する。併せて,強制執行の基本的な事項についても簡単に言及する。
14.  総合事案分析問題演習講評
第12回の授業の際に提出した各自の起案に基づき,討論した上,講評を行う。
また,これまでに取り上げられた事項全般にわたって,質疑応答,補充的な検討等をする。
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