刑事訴訟実務の基礎[Criminal Procedure in Practice]

Numbering Code P-LAW2072380LJ41 Year/Term 2022 ・ 前期
Number of Credits Course Type 双方向・多方向形式。事前に配信,配付する予習ペーパーに沿って進行。
Target Year 3 Target Student
Language Day/Period 水3
Instructor name 恒光 直樹
Outline and Purpose of the Course 刑事訴訟に携わるに際して必要となる実務的な知識と,既に学習した刑事実体法及び刑事手続法に関する理論的知識の実務への応用力を修得させ,刑事実務への導入の基礎を教示することを目的とする。捜査,公判手続,証拠,事実認定の各分野について,その関連性を意識した上で,具体的な記録教材等を利用し,帰納的な思考を重視しながら,授業を実施する。
Course Goals 上記「授業内容」記載の各項目について,その内容を具体的に説明できるように理解して,上記「概要」記載の成果を得ることである。
「刑事訴訟実務の基礎」に関する詳細な到達目標については,別に掲載する「京都大学法科大学院の到達目標」(刑事訴訟実務の基礎)のとおりである。
Schedule and Contents 1,2 捜査実務の基礎①,②
記録教材を題材に,捜査手続の流れや捜査書類の見方等を確認しながら,証拠の収集や被疑者の身柄拘束の手続などの捜査の基本事項を学習する。具体的には,捜査の流動性を意識しつつ,どの時点で,どのような観点から,どのような捜査がなされたのか,さらに,どのような捜査を行うべきかを検討する。
3 検察官の事件処理に関する実務の基礎
記録教材を題材に,捜査結果を踏まえた事実認定,認定事実に対する擬律判断,起訴・不起訴の処分等の検察官の基本的な事件処理のあり方について検討する。
4 捜査段階における弁護実務の基礎
授業時に配付する教材を用いて,被疑者との接見内容等を踏まえ,捜査段階全般を通じた基本的な被疑者弁護のあり方とその具体的な実践方法の基礎について検討する。具体的には,弁護人選任に関する問題,身柄釈放に向けた弁護活動,被害者への対応,弁護人側の証拠収集,関係者との交渉等である。
5 勾留,保釈に関する実務の基礎
授業時に配付する教材を用いて,勾留請求事件及び保釈請求事件の審査を試み,これを通じて勾留,保釈に関する実務上の諸問題を検討する。あわせて不服申立ての手続等を検討する。
6,7 公判準備活動,公判手続に関する実務の基礎①,②
記録教材を題材に,公判前整理手続を経ていない事件の一般的な公判準備活動及び第一審の公判手続の流れ(訴因を巡る問題を含む。)を概観し,交互尋問のルールにも言及する。
8,9 証拠調べ手続に関する実務の基礎①,②
記録教材を用いて,証拠調べ手続のうち,実務上問題となることの多い書証の証拠能力の要件等の基礎的事項や,書証が不同意となった場合の基本的な審理方法等について検討する。ここで取り上げることを予定しているテーマは,同意(刑訴法326条),刑訴法321条1項2号書面,実況見分調書,鑑定及び鑑定書,証拠物,自白,証人尋問等である。
10 事実認定に関する実務の基礎
事実認定の基本原理,基礎的概念,事実認定の方法論等,事実認定において最も基礎となる考え方を修得する。間接事実による事実認定の手法とその注意点については,配付教材を題材に検討する。
11 公判前整理手続及び公判手続の流れに関するDVD視聴
記録教材に基づいて作成されたDVDを視聴しつつ,公判前整理手続及び公判手続が具体的にどのように進められるかを学習する。
12,13 公判前整理手続に関する実務の基礎①,②
公判前整理手続の一般的な手続の流れや証拠開示制度の仕組みを把握するとともに,公判前整理手続における争点整理及び証拠整理の基本的なあり方や証拠開示制度の活用方法について,記録教材を基に具体的に検討する。
14 裁判員裁判並びに被害者保護及び被害者参加の諸制度に関する実務の基礎
裁判員制度の概要を理解するとともに,裁判員裁判に相応しい公判審理のあり方を検討する。また,被害者保護,証人保護の諸制度や被害者参加制度についても概観する。
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