商法総合1[Corporation Law (Advanced) I]

Numbering Code P-LAW2062280LJ41 Year/Term 2022 ・ 前期
Number of Credits Course Type 双方向・多方向形式による。
Target Year 2 Target Student
Language Day/Period 火3
Instructor name 前田 雅弘
Outline and Purpose of the Course 法科大学院1年次基礎科目の「商法の基礎」において(法学未修者の場合)、または法学部での商法の授業等によって(既修者の場合)、商法に関する初歩的な知識・考え方を修得していることを前提に、会社および商取引にかかる法律問題のうち、しばしば裁判で争われ、判例となって現れることの多いテーマを取り上げる。具体的事例を素材としつつ、それらのケースにいかなる法律問題があり、いかに解決されるべきかを検討する。
Course Goals 上記「授業内容」記載の各項目についてその内容を具体的に説明できるように理解して、上記「概要」記載の成果を得ることである。
「商法」関係の基礎科目と基幹科目を通じての到達目標については、別に掲載する「京都大学法科大学院の到達目標」(商法)のとおりである。
Schedule and Contents 1.株式の譲渡
株式譲渡の対抗要件、定款による譲渡制限、契約による譲渡制限(とりわけ従業員持株制度と譲渡制限の関係)など株式譲渡にかかわる法律問題を扱う。
2.株主総会決議の瑕疵等
取消事由・無効事由・不存在事由の具体例を検討するとともに、決議が取り消された場合の法律関係の処理についても考察する。取締役会決議の瑕疵もあわせて扱う。
3.代表行為と取引の安全
必要な決議(取締役会決議、株主総会決議)を欠いて行われた会社代表者の会社代表行為の効力、会社代表者が代表権を濫用して行った取引の効力、さらに会社代表者の選任手続に瑕疵がある場合の当該代表者の代表行為の効力について検討する。
4.競業取引・利益相反取引
競業取引・利益相反取引(会社法356条)にあたるのはどのようなケースか。また、競業取引・利益相反取引が行われた場合に取締役が会社に対してどのような責任を負うかについて考察する。
5.取締役の報酬
会社法361条の適用範囲という伝統的な論点とともに、近時裁判で争われることの多い報酬の減額の可否ないし減額のための手続についても考察する。
6.取締役の会社に対する責任
取締役が会社に対する責任を問われるのはいかなる場合かについて、経営判断原則や法令遵守義務に留意しながら検討する。
7.取締役の第三者に対する責任
主として閉鎖会社の倒産を念頭に置きながら、取締役が会社債権者等に対していかなる責任を負うのかを検討する。法人格否認の法理も併せて扱う。
8.違法な募集株式の発行
有利発行や不公正発行の場合に、株主がいかなる救済を受けられるかについて(新株発行差止請求、新株発行無効の訴え等)検討する。
9.設立
会社の設立手続中に発起人がした行為の効果は誰に帰属するか。また、設立手続に関して発起人はどのような責任を負うか。発起人の権限と責任について検討する。
10.株主代表訴訟
株主代表訴訟を提起できる範囲、訴え提起の手続、和解の可否等、株主代表訴訟をめぐる諸問題について検討する。
11.監査役、会計監査人、計算
監査役の資格、監査役・会計監査人の義務と責任、計算書類、剰余金の配当等について検討する。
12.会社法総則の諸問題
商業登記、商事代理・名板貸、営業(事業)譲渡など、商法総則(会社法総則)における重要問題を検討する。
13.手形法の諸問題
手形の流通保護のための諸ルール(人的抗弁の切断、善意取得等)を中心に、手形法の重要問題を検討する。具体的な設例はWLJのシステムでアップロードする。
14.総括
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