民事訴訟法の基礎[Civil Procedure (Basic)]

Numbering Code P-LAW2051240LJ41 Year/Term 2022 ・ 後期
Number of Credits Course Type 双方向・多方向形式と講義形式を併用する。
Target Year 1 Target Student
Language Day/Period 月4
Instructor name 山本 克己
Outline and Purpose of the Course 民事訴訟の第一審手続を中心として、民事訴訟手続の概要について基礎的な理解を得させる。民事訴訟を中心とした民事紛争の解決は、質・量ともに、法曹の仕事の重要な部分を占めているので、この科目は、法曹に不可欠な能力の基礎固めをするという意味を持つ。
Course Goals 上記「授業内容」記載の各項目についてその内容を具体的に説明できるように理解して、上記「概要」記載の成果を得ることである。
「民事訴訟法」関係の基礎科目と基幹科目を通じての到達目標については、別に掲載する「京都大学法科大学院の到達目標」(民事訴訟法)のとおりである。
Schedule and Contents 1.民事訴訟手続の流れ、民事訴訟法の構造・基本原則
訴え提起前の段階から上訴、強制執行に至るまでの、民事訴訟を中心とした紛争解決(権利実現)手続の流れを明らかにするとともに、民事訴訟法の構造・基本原則について検討し、次回以降の授業内容について見通しを得られるようにする。
2.管轄、当事者・代理人
管轄・移送に関する基礎的な知識について整理する。また、当事者・代理人の概念については、当事者概念の変遷、当事者の確定、当事者能力、訴訟能力、法定代理人、法人等の代表者、訴訟代理人(弁護士法の規律を含む)等について検討する。
3.訴え
訴えの種類、訴訟上の請求(訴訟物)という理論的にも実務的にも重要な事項について理解を得させるとともに、処分権主義について検討する。また、訴え提起の手続面も取り扱う。さらに、重複起訴の禁止に関する問題点を分析する。
4.訴えの利益
確認の利益、給付の訴えの利益、形成の訴えの利益に分けて、訴えの利益の意義と機能について分析する。
5.当事者適格
各訴訟類型における当事者適格について概観するとともに、当事者適格に関する諸問題、特に、訴訟担当、拡散利益と当事者適格、法人内部の訴訟における当事者適格、選定当事者等について検討する。
6~7.訴訟手続の進行、訴訟行為、審理における当事者と裁判所の役割
訴訟進行のあり方について、期日・期間の種類・概念、訴訟手続の停止、争点整理手続、訴訟進行における新たな規律等の諸問題を検討する。また、訴訟上の合意、訴訟行為と実体私法法規の適用等の諸問題を検討する。そして、民事訴訟の 審理における重要な原則である弁論主義の意義・機能について、検討するとともに、これを補完する制度である釈明権の意義や機能について分析する。
8.証明、証拠の収集・提出
自由心証主義や証明責任等の重要な法理を概観するとともに、証拠申出等の手続に触れ、2年次以降の民事訴訟実務に関する学修のための基礎を作る。
9.裁判、終局判決の効力
裁判の種類、判決の種類といった基礎的事項を理解させるとともに、判決の効力、特に既判力の作用について検討する。
10.当事者の行為による訴訟の終了
処分権主義ないし当事者自治の重要な表れである訴えの取下げ、請求の放棄・認諾および和解のそれぞれについて、意義、機能、要件、効果等を分析する。
11.請求の複数
複雑訴訟形態のうち、客観的併合、訴えの変更、反訴、中間確認の訴えについて検討する。
12.多数当事者訴訟1
複雑訴訟形態のうち、通常共同訴訟、必要的共同訴訟、共同訴訟参加について概観し、主要な問題点を検討する。
13.多数当事者訴訟2
独立当事者参加、補助参加について基礎的な事項の理解を得させ、主要な問題点について検討する。
14.多数当事者訴訟3
当事者の交替(訴訟承継制度を中心とする)について基礎的な事項の理解を得させ、主要な問題点について検討する。
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