財産法の基礎2[Civil Law (Basic) II]

Numbering Code P-LAW2051180LJ41 Year/Term 2022 ・ 後期
Number of Credits Course Type 双方向・多方向形式を基本としつつ、講義形式を併用する。
各回の授業は、受講者が教科書および予習課題に基づいて入念な予習をしていることを前提に、対話形式により基本的知識を確認しつつ、発展的事項の解説を加えるかたちで行う。
Target Year 1 Target Student
Language Day/Period 火2 金1
Instructor name 西内 康人・木村 敦子
Outline and Purpose of the Course 「財産法の基礎1・2」は、2年次以降の民事法関係科目を履修するうえで必要となる、民法(財産法)の諸制度に関する基礎的・体系的理解を得させるとともに、法的思考力を養成することを目的とする。
「財産法の基礎2」は、債権法(債権総論・債権各論)を対象とし、諸制度の趣旨・内容・機能について確実な基礎的知識を習得させるとともに、単純な事案の法的分析・構成につなげる。
Course Goals 上記「授業内容」記載の各項目についてその内容を具体的に説明できるように理解して、上記「概要」記載の成果を得ることである。
民法関係の基礎科目と基幹科目を通じての到達目標については、別に記載する「京都大学法科大学院の到達目標」(民法)のとおりである。
Schedule and Contents 1. 責任財産の保全(1)
授業案内および債権法の構造の全般的ガイダンスに続いて、
債権総論のうち、財産法の基礎1の担保物権法と関係した債権の保全・回収方法について取り上げる。
責任財産保全の制度のうち、債権者代位権の要件・効果(債権者代位権の転用を含む)について検討する。
2. 責任財産の保全(2)
責任財産保全の制度のうち、詐害行為取消権の法的性質・要件・効果について検討する。
3. 相殺
相殺について、担保的機能をめぐる諸問題を中心に検討する。代物弁済にも触れる。
4. 債権譲渡(1)
債権譲渡について、譲渡制限特約、債権譲渡の対抗要件の問題を中心に検討する。
5. 債権譲渡(2)
債権譲渡について、債務者の地位、将来債権譲渡の問題を中心に検討する。
次いで、関連制度として、債務引受け、契約上の地位の移転を取り上げる。
6. 多数当事者の債権債務関係(1)
多数当事者の債権債務関係のうち、連帯債務を中心に、分割債権債務、不可分債権債務、連帯債権債務について順次検討する。
7. 多数当事者の債権債務関係(2)
多数当事者の債権債務関係のうち、保証債務について検討する。根保証の特別規律にも触れる。
8. 弁済
この回以降は、債権総論のうち、債権の実現と関係した内容を取り上げる。
弁済全般の検討に続いて、表見受領権者に対する弁済、第三者弁済、弁済による代位などの関連制度を取り上げる。
9. 債権の種類
各種の債権(特に特定物債権、種類債権、利息債権)に関する規律内容について検討する。
10. 債務不履行全般
債権の効力に続いて、債務不履行全般を取り上げ、債務不履行の類型や債権者にとっての救済手段を中心に概括的検討を行う。
11. 強制履行、債務不履行責任の要件
強制履行について、手続的側面にも留意しつつ、その種類・方法を検討する。
次いで、債務不履行責任の要件に関して、免責事由(帰責事由)、履行補助者の問題を取り上げる。
12. 債務不履行による損害賠償
債務不履行による損害賠償をめぐる諸問題(損害賠償の範囲、賠償額の算定など)を検討する。安全配慮義務も、ここで取り上げる。
13. 弁済の提供、受領遅滞
弁済の提供につき、その方法・効果を検討する。さらに、受領遅滞および弁済供託を取り上げる。
続いて、弁済以外の債権消滅原因(更改・免除・混同)についても触れる。
14. 契約の成立、契約の効力(1)
この回と次回は、契約総則の領域を取り上げる。
契約の成立・締結過程をめぐる諸問題に続いて(定型約款を含む)、契約の効力に関する規律内容(特に同時履行の抗弁、危険負担)を検討する。
15. 契約の効力(2)
前回に引き続き契約の効力を取り上げ、契約解除の要件・効果をめぐる諸問題を中心に検討する。
16. 売買(1)
この回以降は、契約各則の領域を取り上げる。
売買につき、その成立・効力をめぐる諸問題(売主の担保責任を除く)を順次検討する。
17. 売買(2)
売買につき、売主の担保責任を中心に検討する。
18. 賃貸借(1)
賃貸借(不動産賃貸借)につき、特別法の規律にも留意しつつ、賃貸借の成立、内容及びその履行に関わる問題を中心に検討する。
19. 賃貸借(2)
賃貸借(不動産賃貸借)につき、特別法の規律にも留意しつつ、契約終了に関する問題、賃貸人・賃借人の変動の問題を検討する。
20. 賃貸借(3)、消費貸借、役務提供契約(1)
賃貸借(不動産賃貸借)につき、賃借権に基づく妨害排除の問題を検討する。
次いで、消費貸借(金銭消費貸借)をめぐる諸問題を検討する。
役務提供契約の総論に引き続いて、委任・準委任、寄託(預金を含む)に関する諸問題を検討する。
21.役務提供契約(2)
役務提供契約のうち、請負を取り上げ、建築請負をめぐる法律問題を中心に検討する。
22. 無償契約・その他の典型契約、事務管理
無償契約である贈与・使用貸借、その他の典型契約である組合と和解について検討する。
次いで、今回から法定債権の領域を取り上げる。事務管理について、その要件・効果を検討する。
23. 不当利得(1)
不当利得を取り上げ、侵害利得・給付利得・支出利得の各類型につき、その要件・効果をみていく。
24. 不当利得(2)
不当利得の特殊問題のうち、特殊の給付利得(特に不法原因給付)、多数当事者間の不当利得について検討する。
25. 基本的不法行為(1)
不法行為法について、総論的事項を取り上げる。
次いで、一般的不法行為の成立要件について検討する。
26. 基本的不法行為(2)
前回に引き続き、一般的不法行為の成立要件について検討する。
27. 基本的不法行為(3)
不法行為責任の成立・範囲を検討する。
関連して、不法行為による損害賠償をめぐる諸問題(請求権者、損害賠償の範囲、過失相殺など)を取り上げる。
28. 特殊の不法行為(1)
民法・特別法上の特殊の不法行為(工作物責任、製造物責任、運行供用者責任など)を、順次検討する。
29. 特殊の不法行為(2)
前回に引き続き、特殊の不法行為(監督者責任、使用者責任、共同不法行為)について順次検討する。
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