人権の基礎理論[Basic Theory of Fundamental Rights]

Numbering Code P-LAW2051040LJ41 Year/Term 2022 ・ 前期
Number of Credits Course Type 授業は、講義形式と、知識確認や事例の分析などのための双方向形式を組み合わせて行う。
事前の指示に従って、予習に取り組んでいることを前提として、授業では、とくに重要と考えられる解釈上の論点を中心に検討する。
学習すべき分野が非常に広範囲にわたるため、各人の積極的な取組みが求められる。
Target Year 1 Target Student
Language Day/Period 水1
Instructor name 土井 真一
Outline and Purpose of the Course 本科目では、日本国憲法における基本的人権保障の基本構造を理解し、各基本的人権規定に関する基礎的知識の確実な習得を図る。また、違憲審査の基本的枠組み及び基準に基づいて、基本的人権が問題となる事例を考察するための基礎を学ぶことを目的とする。
Course Goals 上記「授業内容」記載の各項目についてその内容を具体的に説明できるように理解して、上記「概要」記載の成果を得ることである。憲法関係の基礎科目と基幹科目を通じての到達目標については、別に掲載する「京都大学法科大学院の到達目標」(憲法)のとおりである。
Schedule and Contents 第1回 基本的人権に関する事例の判断枠組み及び基準
薬局の開設の距離制限に関する最高裁判例を用いながら、基本的人権、とりわけ自由権的基本権に関する事例を分析、判断する枠組み及び基準について概説する。
第2回 職業選択の自由
経済的自由権である職業選択の自由について、公衆浴場、小売市場及び薬局の開設の距離制限に関する最高裁判例を用いて考察する。
第3回 表現の自由(1)総論
表現の自由の意義について検討した上で、その保障を考える上で重要な明確性の理論、事前抑制と事後規制の区別及び表現の内容規制と内容中立規制の区別などについて概説する。
第4回 表現の自由(2)各論(1)
表現の自由に関する内容規制について、わいせつ表現、名誉毀損を中心に検討し、併せて表現によるプライバシー権の侵害についても言及する。
第5回 表現の自由(3)各論(2)
表現の自由に関する内容中立規制について、屋外広告物の規制及び集合住宅へのビラ投函に関する最高裁判例を用いて考察する。
第6回 表現の自由(4)各論(3)
表現の自由の事前抑制及び検閲について、税関検査及び名誉毀損に基づく事前差止めに関する最高裁判例を用いて考察する。
第7回 集会の自由
集会の自由について、デモ行進、市民会館の使用不許可及び公立学校施設の使用不許可に関する最高裁判例を用いて考察する。その際、併せてパブリック・フォーラム論についても言及する。
第8回 結社の自由
結社の自由について、団体の活動の自律性と団体を構成する個人の自由の問題を中心に概説する。
第9回 思想・良心の自由
精神活動の自由の基盤である思想・良心の自由の保障について、「君が代」起立・斉唱の職務命令及び謝罪広告に関する最高裁判例を用いて考察する。
第10回 信教の自由
信教の自由の保障について、宗教上の理由に基づく「剣道」の不受講に関する最高裁判例及び牧会活動による犯人蔵匿に関する判決例を用いて考察する。
第11回 幸福追求権
憲法13条の法的性格と包括的基本権としての「幸福追求権」について概説し、判例がこの条文から導く「私生活上の自由」の内容について考察する。
第12回 財産権
経済的自由権である財産権について、ため池の使用制限及び森林の共有分割請求権の制限に関する最高裁判例を用いて考察する。
第13回 法の下の平等(1)総論
法の下の平等について、平等の意味を概説した上で、再婚禁止期間に関する最高裁判例を用いて、差別が問題になる事例に関する分析、判断の枠組み及び基準について概説する。
第14回 法の下の平等(2)各論
法の下の平等の各論として、性差別、非嫡出子に対する差別などの事例について概説する。
PAGE TOP