基礎物理化学B

授業の特色
化学への応用を念頭に置いた熱力学を解説する。原子分子論と結び付けるために熱統計力学の基礎も適宜取り入れる。その後、微視的なエネルギー準位を測定するための分子分光学を概説する。

 

授業の紹介
個々の分子の性質は、前期に学んだ化学結合論と量子力学で決まるが、多数の分子が集合した巨視的な系の熱現象には、新たな法則性が生じる。本講義では、熱力学の最小限の基礎から出発し、自由エネルギーと化学ポテンシャルの概念を経て、質量作用の法則や沸点上昇などの熱化学現象を記述する理論を学ぶ。微視的な原子分子の振る舞いとの結びつきを見るために、熱統計力学の基礎的知識、特に分子分配関数の議論も適宜取り入れる。最後に、分子の微視的エネルギー準位を実験的に決定するための分子分光学について概説する。

講義詳細

年度・期
2007年度・後期
開講部局名
全学共通科目
使用言語
日本語
教員/講師名
安藤 耕司(准教授)

シラバス

授業計画と内容
熱力学的状態変数、熱力学第一法則、エントロピーの導入、熱力学第二法則、種々の熱力学ポテンシャル、ルジャンドル変換、自発的過程と自由エネルギー、エントロピーの示量性、Gibbs-Duhemの式、化学ポテンシャル、理想気体、理想混合気体、理想溶液、非理想溶液、質量作用の法則、Gibbs- Helmholtzの式、蒸気圧降下と沸点上昇、ラウールの法則、エンタルピー変化の測定、クラウジウス・クラペイロンの式、マックスウェル・ボルツマン分布、ボルツマンの原理、分配関数、平衡定数、分子分配関数、反応速度の遷移状態理論、光と分子、状態間遷移と選択則、分子波動関数、フランク・コンドン因子、分子の基準振動


第1回 講義の概要、熱力学第一法則
第2回 エントロピーの導入、熱力学第二法則
第3回 種々の熱力学ポテンシャル、ルジャンドル変換
第4回 自発的過程と自由エネルギー
第5回 エントロピーの示量性、Gibbs-Duhemの式
第6回 化学ポテンシャル、理想気体、理想混合気体
第7回 理想溶液、非理想溶液、活量と活量係数
第8回 質量作用の法則、Gibbs-Helmholtzの式
第9回 蒸気圧降下と沸点上昇、ラウールの法則
第10回 エンタルピー変化の測定、クラウジウス・クラペイロンの式
第11回 マックスウェル・ボルツマン分布、ボルツマンの原理
第12回 分子分配関数、平衡定数、遷移状態理論
第13回 光と分子、電子スペクトル、振動・回転スペクトル
各回の授業体制
全ての講義を安藤耕司が担当。
成績評価の方法・観点
レポートと期末試験の結果により評価する。
授業外学習(予習・復習)等
課題
レポート課題1:熱の科学の発展について、近代原子論の成立との関連も含め、調べてまとめよ。
レポート課題2:カルノーサイクルのついて、自習して報告せよ。特に、dS=d’Q/T で定義されるエントロピーが状態量であること、すなわちd’Q/Tを一周のサイクルに沿って積分したものがゼロになることに着目せよ。
レポート課題3:この教科の期末試験問題を作成せよ。(基本から応用までのバランスを考慮することが望ましい。)
参考書等
入門書
山内 淳「基礎物理化学Ⅰ」サイエンス社
梶本、佐藤、寺嶋「基礎物理化学」培風館

中級書
マッカーリ、サイモン「物理化学(上、下)」東京化学同人
アトキンス「物理化学(上、下)」東京化学同人

古典
フェルミ「フェルミ熱力学」三省堂

その他
朝永振一郎「物理学とは何だろうか(上、下)」岩波新書
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