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現在位置: ホーム シラバス(2019年度) 経済学部 2回生演習 6282228 2回生演習

6282228 2回生演習

ナンバリング
  • U-ECON00 20020 SJ43
シラバスID eco_4689
開講年度・開講期 後期
授業形態 演習
対象回生 2回生
対象学生 Undergraduate
使用言語 日本語
曜時限 月3
教員
  • 竹澤 祐丈(経済学研究科)
授業の概要・目的 18世紀後半のヨーロッパに成立した近代社会とその形成原理は、ヨーロッパに限らず、その後の現代社会の存立にも多大な影響を与えています。人間を(身分や社会階層からではなく)原子的に把握する思考(平等な人間観)、社会の成立を個々人の同意から説明する方法(社会契約説)、そして経済活動から社会の構成や運営を考察する視角など、様々な近代社会の案出物を私たちは自らのものとして、修正を加えつつも継承してきました。そしてこの成立過程を歴史的に振り返ることは、私たちの社会が「当たり前」とする価値観や社会構造を問い直すきわめて現代的活動でもあります。
 このゼミでは、近代の経済社会や日本社会に関する諸問題を考察した定評のある書籍を精読しつつ、私たちの立っている地平の特徴と問題点、そして今後の課題などを議論したいと思います。
到達目標 1.【文献読解能力】人文社会科学の基礎的文献を十分に読みこなす能力を身に着けること。
2.【対話能力】他者の異論との接点を探りながら議論を進められるようになること。
3.【説明能力】自分自身の意見や解釈を明快に提示できる能力と技術を身に着けること。
4.【調査能力】ゼミでの主題に関して関連事項を的確に調査できるようになること。
授業計画と内容 現代社会に関するたくさんの「当たり前」のうちで、私たちはどのくらいの「当たり前」を自覚的に継承しているのでしょうか。基本的人権の尊重、勤労や経済活動の重視、価値観の多様性への配慮、そして最近非常に話題となっている立憲主義の原則などの私たちの「当たり前」は、ある種の証明問題のようなもので、絶えず証明活動を繰り返す必要があり、答えをタダ暗記する形では自覚的に継承されることはありません。そして丸暗記の「当たり前」は、それを当たり前としない人からの強い批判にさらされると、跡形もなく砕け散ってしまいます。最近の社会的議論の混乱・混迷もまた同様の傾向を持つように思われますし、またグローバル化の下では旧来の「当たり前」を放棄することだけでなく、どのような「当たり前」を自覚的に保持するのかについて、ますます問われるようになっていると言えます。
 もちろん自覚的な継承とは、過去の「当たり前」の無批判的な継承ではありません。過去の「当たり前」は、それが生み出された状況によって支えられていたのであり、その状況が変化すれば、支えるべき「当たり前」を修正・変更するか、あるいは旧来の「当たり前」を新しい状況に応じた別様の仕方で支える必要が生じます。
 私たちは今、どのような「当たり前」をどのような形で保持すべきなのでしょうか。このゼミでは、この難解な問いに対する回答をゼミ担当教員が一方的に与えるのではなく、参加者全員で議論する中から考えていきたいと思います。(たとえ教員とであれ)安直な意見の一致はむしろ弊害であり、徹底的な議論とそのための適切な議論の方法なども学んで欲しいと思います。
 以上のゼミ運営を可能にするためには、まずは知識の大幅な不足を補う必要があると考えます。そのためには、可能な限りたくさんの書物を、丁寧に読む訓練から始めたいと思います。具体的には、以下の文献から参加者の興味に応じて複数の書籍を選択しそれらを精読しつつ議論します。そのスピードは、受講者と相談しつつ調整しますが、1回の授業で新書一冊程度の分量を扱います。その意味で、本ゼミは近代社会に関するリーディング・マラソンのような様相を呈すると思います。
 そして同時に、適切な議論の仕方を体得できるように配慮したいと思います。そのためには、皆さんがこれまでに十分体得してきたであろう合意の方法だけでなく、(逆説的に感じるかもしれませんが)生産的な意見の対立の仕方をも、各自が試行錯誤を続けることで学んでほしいと思います。
 また基本的な学問技術(書籍読解、図書館やインターネットの活用、レジュメ作成、効果的な議論の仕方など)の取得に配慮する。研究室所属の院生も親切に教えてくれるでしょう。
 そのほか、数年前から3大学合同ゼミ合宿(高知大学、神戸大学、京都大学)を夏休みに実施していますので、この企画・立案・実施も積極的に行なって欲しいと思います。またサブ・ゼミ、個人指導なども必要に応じて企画します。
成績評価の方法・観点及び達成度 恒常的参加(20%)、分担報告(30%)、そしてゼミ論の提出(50%)が必要です。レポートの執筆経験がなくてもサポートしますので、「やる気」さえあれば十分です。先輩たちもグループ・ディスカッションを経て立派な論文を完成しています。この作業を通して学問的な達成感を味わって欲しいと思います。なお4回以上の欠席は単位取得できません。また分担報告とゼミ論は、到達目標の達成度に基づいて採点します。
履修要件 1.議論を楽しめ、人間や歴史への強い興味があること。
2.ゼミ運営に積極的に参加する意欲があること。
3.入門演習を受講していること。
4.ワープロソフトを使いこなし、電子メールのやり取りが可能なこと。
5.基本的な文献検索能力を身に着けていること。
授業外学習(予習・復習)等 授業は文献の精読と議論が柱ですので、日常から、文献読解能力と対話能力とを鍛えるように心がけてください。また毎回の授業で用いる素材(書籍の特定部分)については十分に咀嚼して、論点を事前に考えてきてほしいと思います。そして報告を分担する回には、当該書籍のまとめと論点やコメントなどを明確に記載したレジュメを作成してきてください。
教科書
  • 読書と社会科学, 内田 義彦, (岩波書店),
  • 社会認識の歩み, 内田 義彦, (岩波書店),
  • 作品としての社会科学, 内田 義彦, (岩波書店),
  • 社会科学における人間, 大塚 久雄, (岩波書店),
  • 社会科学の方法, 大塚 久雄, (岩波書店),
  • 日本の思想, 丸山 眞男, (岩波書店),
  • 翻訳と日本の近代, 丸山ほか, (岩波書店),
  • 翻訳語成立事情, 柳父 章, (岩波書店),
  • 近代の政治思想, 福田 歓一, (岩波書店),
  • 近代政治思想の誕生, 佐々木 毅, (岩波書店),
  • 乱世を生きる─市場原理は嘘かもしれない─, 橋本 治, (集英社),
  • 大不況には本を読む, 橋本 治, (中央公論新社),
  • 歴史とは何か, E.H.カー, (岩波書店),
  • ヨーロッパを見る視角, 阿部 謹也, (岩波書店),
  • 日本人の歴史意識, 阿部 謹也, (岩波書店),