ポケットゼミ メディアアート研究

作品:西田幾多郎「無の哲人:禅の思想から日本哲学へ」 監修:藤田正勝(京都大学文学研究科 教授) 映像著作者:土佐尚子(京都大学学術情報メディアセンター 教授)

授業のテーマと目的

日本文化を支える以下の項目をテーマに研究し、メディアアートを制作する。
・日本の自然風土
・日本文化とアジア文化との関係性
・神仏習合
・日本語の特性
・日本的意匠(デザイン)

教員ホームページ

講義詳細

年度・期
2010年度・前期
開講部局名
全学共通科目
使用言語
日本語
教員/講師名
土佐尚子(学術情報メディアセンター 教授)

シラバス

教員
土佐尚子
所属: 学術情報メディアセンター
住所: 〒606-8501 京都市左京区吉田二本松町 京都大学
職名: 特定教育研究教授
専門: 情報デザイン研究分野
授業計画と内容
1.型の文化を研究
(1)一対のもの
「ウツ:ウツツ」「荒魂:和魂」「あはれ:あっぱれ」「ワビ:サビ」「義理:人情」「粋:野暮」
(2)モードやスタイル
「格」は風格・本格・破格・逸格・格調
「体」(てい)は「有心体」「幽玄体」
「風」は和風・漢風・蕉風・洋風
「様」は和様・近様・天竺様・唐様・定家様・新様
「流」は大師流・流派・柳生流・新陰流・二刀流・小笠原流・我流

2.数奇の精神と様式を研究
・能と茶の湯
・世阿弥が完成した複式夢幻能
・「みやび」の渦中に「ひなび」を拵え、
「あはれ」と「あっぱれ」を同時化

以上の事を中心に、フラジャイルなインターフェイスである日本文化の、日本の「聖」と「俗」、義理と人情、侘び寂び、粋、間などを表現するメディアアートを研究する。
成績評価の方法・観点
提出作品と出席で評価する
履修要件
京都大学での芸術関係の授業は、作品を制作する授業が少ない。アートという言葉に囚われることなく、クリエイティビティとは何かということを、作品を創るという経験のトライエンドエラーを通して、創作テーマを自分なりに深めていく方法を研究する。
なお、前期開講の全学共通科目「メディアアート」受講経験者が望ましい。
教科書・参考書等
[教科書]

・土佐尚子 著 NTT出版「カルチュラル・コンピューティング」 -文化・無意識・ソフトウェアの創造力-

 

カルチュラル・コンピューティング
文化・無意識・ソフトウェアの創造力
土佐尚子 著

発売日:2009.08.27
定価:2,520円
サイズ:A5判
ISBNコード:978-4-7571-0261-3

従来のITが成熟し、コンピュータの課題はシステムという箱から表現内容(コンテンツ)に移行してきている。これからは、文化としてのコンピュータの時代が到来する。いままで定量化できなかった個人の主観・感性・情緒・文化・民族性をコンピューティングできる時代の準備が整ってきた。
本書は、こうした「カルチュラル・コンピューティング」の概念を提示し、未来のコンピュータのコミュニケーション能力に欠かせない、人間の感情、意識、記憶の違いを反映させるコンピューティングの方法を説明する。
また、章間のコラムで著名人との対談を掲載し、「カルチャラル・コンピューティング」の展望と現実的可能性を多面的に明らかにする(対談者:長尾真、松岡正剛、イアン・コンドリー、スティーブ・ベントン)。

心・感情・記憶・ストーリー——工学と文化を結ぶコンピューティング。その全貌を明かす、「文化としてのコンピュータ」の必読書。

目次
序章 カルチュラル・コンピューティングの発見
1 思考・記憶をサポートするメディア
2 西洋の無意識から東洋の山水へ
3 文化の型がコミュニケーション技術になる

第1章 感情をコンピューティングする
1 メディアアート・文化・感性
2 音声から感情を認識・生成する《ニューロベイビー》
3 異文化間の感情翻訳メールソフト
コラム 鍵はイマジネーションにある(vsスティーブ・ベントン)

第2章 ストーリーをコンピューティングする
1 最初に世界があった
2 ストーリーと文化
3 連歌のように詩を詠むコンピュータ
4 笑いを喚起するコンピュータ
5 スト-リーの中のインタラクティビティ
コラム 物語の原型「川マザー」(vs松岡正剛)
コラム 制限を与えれば、物語が富んでくる(vs松岡正剛)

第3章 文化をコンピューティングする
1 文化の情報を取り出す
2 コミュニケーションを可視化する「無意識の流れ」
3 コンピュータによる山水禅《ZENetic Computer》
4 山水の遠近法――「三遠」
5 山水禅を聞く・旅する・住む
6 空気を読むコンピュータ
7 牡丹と唐獅子の《Hitch Haiku》

第4章 人間と調和する情報環境を実現するために
1 文化を工学的視点から見る
2 コンピュータに欠けているもの
3 なぜ、コンピュータが文化に向かうのか
4 文化のコンピューティング
5 漢字のビジュアルアナロジーが世界をつなぐ
コラム 文化とグローバリゼーション(vsイアン・コンドリー)
コラム 科学技術の夢はどこへ?(vs長尾真)
コラム テクノロジーが広げる新しい東西文化(vsイアン・コンドリー)
PAGE TOP