Planetary Astrophysics

Numbering Code U-SCI00 33309 LJ56 Year/Term 2022 ・ Second semester
Number of Credits 2 Course Type Lecture
Target Year 3rd year students or above Target Student
Language Japanese Day/Period Thu.2
Instructor name MINESHIGE SHIN (Graduate School of Science Professor)
Outline and Purpose of the Course 太陽系天体および太陽系外惑星に関する基本的事項の理解を目的に、形成論を念頭に起きつつ講義を行う。
前半では、太陽系の惑星や衛星について、唯一生命が確認されている地球のユニークさを念頭に、比較惑星学の視点から講義する。特に共通点(原則的なことがら)と相違点(ユニークさ)の対照を際立たせるように留意する。後半では、太陽系形成の標準的な理解(京都モデル)について、そのエッセンスと問題点を講述する。最後に、太陽系外に多く見つかってきた太陽系外惑星について紹介し、その観測的特徴と、惑星形成モデルの課題と今後の展望について議論する。最終的に、受講者が惑星物理学の現状と課題をきちんと把握し、自分の問題として論じる能力を見につけることを目指す。
Course Goals ・太陽系・太陽系外の各種天体(惑星・衛星)の特徴をその形成過程をベースに学ぶことにより、物理基礎過程および天文学的な考え方や手法を理解する。
・課題(レポート)に対して自主的に取り組み、(たとえ未完成であっても)オリジナルな考えをもつ能力を養う。
・惑星科学はさまざまな学問分野と接点をもつ学問である。それぞれの専門分野の勉強に活かすことができるだけの下地を習得し、興味を拡げる訓練をする。
・わたしたちが,今,ここにいることの意味を,各自それぞれの問題意識において科学的に理解し、論じる能力を身につける。
Schedule and Contents 以下の課題につきそれぞれ1~3週、計14回の講義(フィードバック)と試験をする。受講者の背景や理解の仕方の状況に応じて回数を決める。
第1章 太陽系概観(太陽系の特徴、母なる星太陽、太陽系の諸天体)
第2章 地球型惑星(概観、内部構造、大気、各論、トピックス)
第3章 木星型惑星(概観、内部構造、大気、磁場、各論)
第4章 衛星とリング(概観、月、タイタン、エウロパ、リング、衛星形成論)
第5章 小天体(小惑星、彗星、太陽系外縁天体)
第6章 太陽系形成論(京都モデル概論、原始惑星系円盤、ダストから微惑星へ、微惑星から原始惑星へ、大気形成、課題)
第7章 系外惑星(観測方法、普遍性と特異性、軌道進化、多様な形成論、課題)
第8章 最新トピックス(新太陽系形成論、今後の系外惑星研究)
第15回 フィードバック
Course Requirements 大学教養レベルの物理学の基礎理解を前提とする。天文学および地球科学の基礎知識は必ずしも前提としないが、より深い理解のために、2回生向けの「天文学概論」の履修が望まれる(が、必須とはしない)。
Study outside of Class (preparation and review) 予習は必ずしも必要がないが、後半の講義の理解のために、毎週30分程度の復習が望ましい。
Textbooks Textbooks/References 太陽系と惑星, 渡部潤一、井田茂、佐々木晶(編著), (日本評論社、2008年), ISBN:978-4-535-60729-3, シリーズ「現代の天文学9」講義全体を通して用いる。詳しくかかれた本。
ファーストステップ 宇宙の物理, 嶺重 慎, (日本評論社、2019年), ISBN:978-4-254-13125-3, 5章が惑星、全体を概観するために役立ちそうな本。
系外惑星, 井田茂, (東京大学出版会、2007年), ISBN:978-4-13-060749-0, 主に後半で用いる。(太陽系惑星も含め)理論面がしっかり書かれた本。
太陽系外惑星, 田村元秀, (日本評論社、2015年), ISBN:978-4-535-60740-8, 主に後半で用いる。系外惑星の観測がしっかり書かれた本。
講義では、4冊の本を適宜使い分けて用いる。
References, etc. 宇宙と生命の起源~ビッグバンから人類誕生まで, 小久保英一郎(編著), (岩波書店、2004年), ISBN:4-00-500477-6, 岩波ジュニア新書477
宇宙と生命の起源2~素粒子から細胞へ, 小久保英一郎・嶺重慎(編著), (岩波書店、2014年), ISBN:978-4-00-500777-6, 岩波ジュニア新書777
人類の住む宇宙 第二版, 岡村定矩他(編著), (日本評論社、2017年), ISBN:978-4-5335-60721-7, シリーズ「現代の天文学」1
惑星形成の物理~太陽系と系外惑星系の形成論入門, 井田茂・中本泰史, (共立出版、2015年), ISBN:ISBN978-4-320-03526-3, 形成論について最新成果もふまえてコンパクトにまとめられた書物
前半にあげた岩波ジュニア新書の2冊は、「ジュニア向け」と銘打って比較的平易に書かれているものの、内容は大学初年度から専門課程向けで、授業をより深く、あるいは発展的に理解するのに有用な書物である。オムニバス形式の本で、テーマごとにそれぞれの専門家が執筆している。興味に合わせて参考にしてほしい。
3番目の本は、天文学と惑星科学の接点を総合的に学ぶのに適している。
最後の1冊は、形成論に特化したテキストである。
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