Statistical Mechanics of Chemical Systems

Numbering Code U-SCI00 33610 LJ60 Year/Term 2022 ・ Second semester
Number of Credits 2 Course Type Lecture
Target Year 3rd year students or above Target Student
Language Japanese Day/Period Tue.1
Instructor name HAYASHI SHIGEHIKO (Graduate School of Science Professor)
Outline and Purpose of the Course 化学現象の理解のための統計力学の基礎について講述する。化学現象の多くは、アボガドロ定数で表される非常に多数の原子・分子の集合体の統計的振る舞いにより支配される。本講義では、原子・分子集合体の統計的振る舞いを記述する統計力学の基礎理論を学び、原子・分子集合体の巨視的性質を記述する熱力学を微視的に理解すると共に、凝縮系の化学反応を微視的な視点から考察する確率的分子ダイナミクスの基礎を修得する
Course Goals 原子・原子集合体の統計的性質を理解し、物理・化学的物性や化学反応などの化学現象に対して巨視的な熱力学と微視的な統計力学の両面から理論的考察ができるようになる。
Schedule and Contents 次の 6 つの各項目につき、受講者の理解の程度を確認しながら、それぞれ 2-3 週の講義を行う。各項目・小項目の講義の順序は固定したものではなく、受講者の背景や理解の状況に応じて、講義担当者が適切に決める。講義の進め方については、適宜指示を行い、受講者が予習できるように十分に配慮する。

1. 熱力学の復習
a. 基本方程式と状態方程式
b. エントロピー・内部エネルギーの極値原理と平衡
c. ルジャンドル変換と熱力学ポテンシャル
d. Maxwell の関係式

2. ミクロカノニカルの方法
a. 微視的状態と等重率の原理:ミクロカノニカルアンサンブル
b. 微視的状態数とエントロピー
c. 結晶のアインシュタインモデル
d. ゴム弾性モデル
e. 微視的状態数の高次元性

3. カノニカルの方法
a. 熱浴とカノニカルアンサンブル
b. 分配関数とヘルムホルツ自由エネルギー
c. 等分配則
d. グランドカノニカルの方法

4. 簡単な化学的系への応用
a. 古典系の状態密度
b. 理想単原子気体
c. 調和振動子
d. 化学反応速度の遷移状態理論

5. 凝縮系の線形応答理論
a. 中心極限定理
b. 線形応答関係
c. 電子移動反応速度式:マーカス関係式

6. 確率過程ダイナミクスの基礎
a. ランジュバン方程式と揺動散逸定理
b. 拡散方程式
c. アインシュタイン関係式
d. フォッカープランク方程式
e. 一般化ランジュバン方程式と調和型熱浴
f. クラマース速度式
Course Requirements 初等的な熱力学と量子力学(例えば物理化学I・IIで学ぶ内容)を修得している事が望ましい。
Study outside of Class (preparation and review) 授業前・後に配布プリントに目を通し、必要であれば参考書の閲覧や担当教員への質問を行う。
Textbooks Textbooks/References プリントを配布する。
References, etc. 熱力学および統計物理入門 (上) (物理学叢書), キャレン, (吉岡書店), ISBN:978-4842702728
熱力学および統計物理入門 (下) (物理学叢書), キャレン, (吉岡書店), ISBN:978-4842702735
統計熱物理学の基礎 (上) (物理学叢書 (39)), ライフ, (吉岡書店), ISBN:978-4842701851
統計熱物理学の基礎 (中) (物理学叢書 (40)), ライフ, (吉岡書店), ISBN:978-4842701875
統計熱物理学の基礎 (下) (物理学叢書 (41)), ライフ, (吉岡書店), ISBN:978-4842703060
現代物理学の基礎 5 統計物理学, , (岩波書店), ISBN:978-4007304156
Related URL http://kuchem.kyoto-u.ac.jp/riron/hayashi/
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