Mathematical Description of Natural Phenomena

Numbering Code U-LAS10 10013 LJ55 Year/Term 2022 ・ First semester
Number of Credits 2 Course Type Lecture
Target Year Mainly 1st year students Target Student For science students
Language Japanese Day/Period Wed.5
Instructor name WADA OSAMI (Graduate School of Engineering Professor)
NAGASAKI KAZUNOBU (Institute of Advanced Energy Professor)
SAKAMOTO TAKUYA (Graduate School of Engineering Professor)
SATOU TOORU (Institute for Liberal Arts and Sciences Program-Specific Professor)
Outline and Purpose of the Course 近年の高等学校の数学教育カリキュラム改訂に伴い,高校の数学と大学に入ってから学ぶ数学との間に以前より大きなギャップが生じている.そのため,工学で必要となる対象の把握やその根底にある原理の把握がより困難になってきている.微分方程式による自然現象の把握と解析などはその重要な一例である.このような事情を踏まえて,本科目ではまず高校の数学と大学の数学との間にある基本的な考え方や手法の差を埋めることを目的とし,さらに工学に現れる現象がいかに微分方程式を用いて有用に記述,解析され得るかを学習する.
具体例として電気電子工学分野の基本である電気回路を主に用いる.正弦波外力に対する線形システムの応答を解析するための複素振幅(フェーザ)に関して詳しく述べる.クラス別講義,演習,実験,少人数ディスカッションなどを組み合わせて理解を深める.
Course Goals ・1階の線形微分方程式の解としての指数関数を理解する.
・2階の線形微分方程式とニュートンの運動方程式の関係を理解し,その解である三角関数とばねの振動や回転運動との関連について理解する.
・コイル,コンデンサ,抵抗と電源からなる電気回路が線形微分方程式で記述できることを理解し,それを解く方法を習得する.
・正弦波を外力とする線形微分方程式の,過渡解と正弦波定常解について理解する.
・複素振幅(フェーザ)・複素インピーダンス・複素電力について理解する.
Schedule and Contents 上記の目標を達成するため,以下の内容について講義する.
1.集合と写像
2.微積分の考え方
3.自然対数の底 e とは
4.複素数と指数関数,対数関数,三角関数
5.微分方程式と現象のモデル化

具体的な授業計画は以下のとおりである.
◆微分方程式と指数関数:(3回)
漸化式を連続化することで微分方程式を導入する.最も基本的な1階の線形微分方程式の解として指数関数が現れることを示し,いくつかの自然現象との関連を調べる.自然対数の底 e の意味についても考える.つぎに、2階の線形微分方程式とニュートンの運動方程式の関係を述べ,その解である三角関数とばねの振動や回転運動との関連づけを行う.複素数を引数にもつ指数関数 exp(iωt) と三角関数が本質的に同じものであることを学ぶ.そこでの鍵となるオイラーの公式についても学ぶ.
◆電気回路と微分方程式:(2回)
コイル,コンデンサ,抵抗と電源からなる回路が線形微分方程式で記述できることを示す.いくつかの簡単な回路に関して,微分方程式を立て,それを解く方法を習得する.
◆卓上測定器を用いた微分方程式に関する実験:(3回)
信号発生器やオシロスコープなどの機能を兼ね備えた卓上測定器 Analog Discovery 2 を用いた実験を行う.抵抗・コンデンサ・コイルからなるRC回路およびRL回路の過渡応答や定常応答などの特性を測定し、微分方程式と物理現象の関係を理解するとともに基本的な電気回路の計測法を修得する.
◆非同次線形微分方程式:(2回)
非同次の微分方程式に対する同次解,特解,一般解などの考え方について学ぶ.
◆正弦波を外力とする線形微分方程式:(1回)
理論上,応用上非常に重要な役割をはたす正弦波を外力にもつ微分方程式を扱う.過渡解と正弦波定常解について理解し,後者を扱う手法として複素振幅(フェーザ)を導入する.
◆複素振幅・複素インピーダンス,複素電力:(3回)
複素振幅の導入によって微分方程式が代数的な式に置き換えられ,直流回路と同じような扱い方が可能になることを知る.複素インピーダンスや複素電力の考え方を学習する.
◆フィードバック:(1回)
Evaluation Methods and Policy ・授業は教員による講義ならびに各自の演習と,レポート提出ならびに討論を隔週に繰り返す.
・演習については,なによりもまず参加することが重要であるので,毎回出席の確認を行なう.
  [成績評価]:「レポート提出(60%)」・「討論(40%)」
・レポートをすべて提出しても欠席や遅刻が多いと不合格とする.
・提出時の討論によって自分で解答を作成していないと認められたレポートは受理しない.
Course Requirements None
Study outside of Class (preparation and review) ・授業前に,教科書の該当範囲を予習すること.
・特に,「測定」については、教科書を用いて事前準備を行うこと.
・授業の際に指定する問題についてレポートを作成して提出し、TAの指導をうけること.
Textbooks Textbooks/References 自然現象と数学(工学部電気電子工学科), 工学部電気電子工学科編
References, etc. エース 電気電子回路理論入門, 奥村浩士, (朝倉書店), ISBN:4-254-22746-9
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