Development Science B

Numbering Code U-LAS40 20008 LJ26 Year/Term 2022 ・ Second semester
Number of Credits 2 Course Type Lecture
Target Year All students Target Student For all majors
Language Japanese Day/Period Wed.2
Instructor name TANAKA SHINSUKE (Institute for Liberal Arts and Sciences Associate Professor)
Outline and Purpose of the Course  『人間の発達を支える基本機能』
 発達(Development)の語は、包み込まれた未知の可能性が花開いていく過程を表す魅力的な言葉として地球上に生まれ、その概念の内容を豊かにしてきた。「発達論B」では、前期の「発達論A」(人間の進化と発達のプロセス)をもとに、人間の発達を支える基本機能について学ぶ。

 銀河系の中に太陽系が生まれ、その第三惑星に高分子の自己複製体が形成されて以来およそ36億年が経過した。現生人類が他の霊長類と進化の道を分かれて数百万年が経過した現在、地球上の生命体がもつ多様な機能の中でも、人間の脳・神経系は、最も精密で柔軟なシステムのひとつと考えられている。
 本年度は、人間の発達を支えている多彩な機能のうち、おもに神経系と免疫系の機能とその発達のしくみに焦点をあてる。その中で、とくに次の3つのテーマについて講義する。
 1)神経系の基本機能とその進化的・発達的な意義
 2)人類の進化史、感覚と知覚:発達、記憶と学習、感情と価値判断、免疫系と神経系
 3)脳の諸機能と関連の深い医療的・社会的な諸問題について



Course Goals  1)人間の発達を支えている基本機能として、神経系の機能のうち、特に「知覚」「記憶」「感情」のしくみと発達過程について理解する。
 2)人間の諸機能の発達に影響を及ぼしている社会的な問題の本質をとらえ、実践的に解決していく力量を獲得する。
Schedule and Contents  フィードバックを含めた全15回の授業で、次の各トピックを1~3週ずつ取り上げます(*オンライン授業では内容・構成を変更する場合があります)。

(序)はじめに
 ・発達を学ぶ意義、生命・健康・発達の尊重と保障に関する国際動向
(1)人間発達を支える基本機能とその発達
 1)「人類の進化史」:神経系のしくみ、霊長類とヒトの進化
 2)「感覚と知覚」:「見る」とは何か。視覚機能の基本機構、障害と発達過程
 3)「記憶と学習」:「学ぶ」とは何か。記憶機能の基本機構、障害と発達過程
 4)「感情と価値判断」:「愛する」とは何か。感情機能の基本機構、障害と発達過程
 5)「神経系と免疫系」:自己と非自己、ウイルス感染防御システムの発達過程
(2)人間の発達と医療的・社会的な諸問題
 1)脳機能の障害:記憶障害・感情障害と援助の方法、医療被害と社会的支援
 2)社会・医療:ウイルス感染症、予防接種による健康被害、薬害エイズ事件、戦争とPTSD
Evaluation Methods and Policy  人間の発達を支える基本的な諸機能とその形成の法則性を学ぶことを通じて、次のような発達的力量の到達水準と特徴を評価します。
 1)人間がもっている諸機能のしくみと発達的な意義をとらえる力。
 2)子どもの発達についての重要な問題を発見していく力。
 3)仮説を設定し、資料を収集して、事実をもとに丁寧に論理的に筋道立てて考えていく力。
 授業ごとの感想レポート(40%)と、期末のレポート(60%)をもとに、これらの力量の到達度を総合的に評価し、教育の課題を考察します。
Course Requirements  前期開講の「発達論A」の内容の理解をもとに講義しますので、「発達論A」を受講した上での履修を推奨します。未履修で受講希望の場合には、事前に担当教員に相談してください。文系・理系の専門分野にかかわらず履修を歓迎します。
Study outside of Class (preparation and review)  各授業のあとには、それぞれの講義テーマに関連する問題や映像資料について、自分の考えを簡潔にまとめた「ミニレポート」(授業感想アンケート)の作成と提出を求める予定です。
Textbooks Textbooks/References  講義中にプリントを配付します。ビデオ映像資料を活用する予定です。


References, etc.  授業中に紹介します。
PAGE TOP