Basic Physical Chemistry(quantum theory)
Numbering Code | U-LAS13 10005 LJ60 | Year/Term | 2022 ・ Second semester |
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Number of Credits | 2 | Course Type | Lecture |
Target Year | Mainly 1st year students | Target Student | For science students |
Language | Japanese | Day/Period | Wed.4 |
Instructor name | Not fixed (Kyoto University) | ||
Outline and Purpose of the Course |
量子論は、20世紀初頭から実験事実として知られていた物理現象を、原子・分子レベルの相互作用に基いて矛盾なく説明する体系として発達した。また統計力学を介して、多数の粒子からなる集団のふるまいと、巨視的な現象を記述する古典熱力学との対応が確立された。量子化学は、現代の科学・技術を支える電磁気学や光学と、化学結合の概念に基づいた物質の組成・構造とをつなぐ要である。 本講義では、量子論を理解し、自らがそれを使うための必須の知識である波動関数の基本的な考え方、ならびに原子の構造を基本として様々な化学結合が形成されるしくみなどを学ぶ。 |
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Course Goals |
[到達目標] 1.量子力学の基礎的な概念を理解し、粒子・波動二重性など原子レベルで重要になる物理原則の内容を説明できるようになる。 2.原子核と電子の相互作用によって決まる、軌道関数(オービタル)の概念を理解し、基本的な量子数を用いて原子中の電子の状態を記述できるようになる。 3.複数の原子間で起こるオービタルの相互作用を理解し、その結果生じる分子軌道およびそのエネルギーによって、共有結合の起源を説明できるようになる。 4.文献記載の分子軌道に関する計算結果の意味を理解するための基礎知識として、粗い近似(ヒュッケル近似)を導入した分子軌道の計算方法を理解する。 |
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Schedule and Contents |
下記の課題について、フィードバックを含め全15回で、併記したコマ数程度で説明を行う(各課題の詳細については参考書のコメント欄を参照の事) 量子論への導入 2回程度 運動の量子論 2回程度 原子の構造とスペクトル 4回程度 分子構造(ヒュッケル法を含む) 6回程度 フィードバック時間に、研究室内に待機し、自習に基づいて質問に来た学生に対して解説する。 |
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Evaluation Methods and Policy | 期末に提出するレポートにより評価することを予定している。レポート課題の狙い等については、最初の授業で説明する。 | ||
Course Requirements | 前期(熱力学)・後期(量子論)の連続履修を推奨する | ||
Study outside of Class (preparation and review) | 各単元について、どのような概念を学習するかについて簡単に予習することが望ましい。復習は例題の解答や、巻末問題の解答を含めて参考書を参照し、予習よりも時間を使って新しい概念を理解することが望ましい。 | ||
References, etc. |
アトキンス 物理化学要論 第7版, P. W. Atkins, J. de Paula , (東京化学同人), ISBN:9784807909773 アトキンス 物理化学要論問題の解き方(第6版), C.A.トラップ・M.P.キャディ, (東京化学同人), ISBN:9784807908929, 英語表記の模範解答集です アトキンス 物理化学(上) 第10版, P. W. Atkins, J. de Paula, 中野元裕ら訳, (東京化学同人), ISBN:9784807909087 現代物理化学 , 寺嶋 正秀, 馬場 正昭, 松本 吉泰, (化学同人), ISBN:9784759818093 講義は参考書『アトキンス 物理化学(上) 第10版』の単元順に進めますが、物理科学全般を把握するには下巻も必要となります。『アトキンス 物理化学要論 第7版』は、これら上下巻の内容をコンパクトに一冊でまとめられています。『現代物理化学』もコンパクトにまとめられた入門書として推薦できます。 |