Basic Physical Chemistry (thermodynamics)
Numbering Code | U-LAS13 10003 LJ60 | Year/Term | 2022 ・ First semester | |
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Number of Credits | 2 | Course Type | Lecture | |
Target Year | Mainly 1st year students | Target Student | For science students | |
Language | Japanese | Day/Period | Wed.4 | |
Instructor name | UCHIMOTO YOSHIHARU (Graduate School of Human and Environmental Studies Professor) | |||
Outline and Purpose of the Course |
熱力学の基礎を学習する.完全気体の性質,分子運動論,実在気体のモデルと状態方程式から始まり,内部エネルギーの概念から第一法則,エンタルピーと熱化学を習得する.エントロピーの概念と第二,第三法則を理解した後,純物質の物理的変態,相転移,Gibbsの相律,相図における相境界,相転移の分類を学ぶ. 混合物の熱力学,化学ポテンシャルを理解して,溶液の性質,2成分系の相図の読み方,熱力学的意味を習得する.また活量,理想希薄溶液,正則溶液について学習し,Debye-Huckel理論,化学平衡と平衡定数,電気化学と標準電極電位についても理解を進める. |
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Course Goals | 熱力学の基礎を体系的に習得でき,化学的現象を論理的に解釈・理解できるようになる. | |||
Schedule and Contents |
(授業計画と内容) 以下の項目について授業を進める予定である。 授業回数はフィードバックを含め全15回とする。 1.基本概念に関する整理 前期の講義をすすめるにあたり、必要となる基本原理の説明を行う。ものの状態を表す物理的な性質について整理し、理解する。 2.気体の状態方程式 単純で理解しやすい「気体」について取り扱う。完全気体の考え方と状態方程式について理解する。 3.気体の分子論的モデル 単純な仮定を基に導かれる気体運動論モデルを理解し、このモデルにより完全気体の法則がどのように説明できるのかを学ぶ。 4.実在気体 分子同士の相互作用がある実在気体について取り扱い、完全気体のふるまいとの差を、ビリアル状態方程式、ファンデルワールスの状態方程式を用いて理解する。 5.熱力学に関する概念 系と外界、仕事と熱の概念について整理する。 6.熱力学第一法則 内部エネルギー、エンタルピーという概念について取り扱い、熱と仕事の等価性について理解する。 7.熱力学第一法則の応用 化学および物理におけるエンタルピーの役割について理解する。ヘスの法則による、ある反応の標準反応エンタルピーとその反応をいくつかに分けた場合の個々の反応の標準反応エンタルピーの関係について学ぶ。 8.熱力学第二法則 現象の自発変化と非自発変化は熱力学第二法則により整理できることを学ぶ。エントロピーという概念について理解する。 9.ギブスエネルギー ギブスエネルギーという熱力学量を導入し、温度および圧力が一定の条件では、系はギブスエネルギーが減少する方向に変化する傾向を持つことを学ぶ。 10.純物質の相平衡 ギブスエネルギーの値が圧力や温度によってどのように変化するのかについて学び、純物質の相転移挙動について理解する。 11.純物質の相図 相律について学び、代表的な物質の相図を例に挙げて、その物質のふるまいを理解する。 12.混合物の性質 溶質と溶媒からなる均一混合物の熱力学的な表し方を学び、沸点や凝固点がどのように変化するかを理解する。 13.化学平衡の原理 熱力学を用いて、反応混合物が目的とする生成物に変化する自発的な傾向をもつかどうかを予測できるかについて学ぶ。 14.諸条件における化学平衡の移動 平衡にある系が、温度、圧力等の外部因子によって乱されたときのふるまいを理解する。 15.溶液の化学平衡 化学平衡が成立している系について、酸塩基平衡を例にとり、説明する。 16.平衡電気化学 電極/電解質界面における酸化還元対の平衡を支配している因子について学び、ギブスエネルギーに代わって電位という概念で平衡が支配されることを理解する。 |
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Evaluation Methods and Policy | 定期試験(80%)及び数回の小テスト(20%)により評価する。 | |||
Course Requirements | 後半(量子論)との連続した履修を推奨する. | |||
Study outside of Class (preparation and review) | 授業前に教科書を用いた予習と復習を行って下さい。また、授業中に行ったテストについては次の講義時間で解答を行いますのでその内容を復習して下さい。 | |||
Textbooks | Textbooks/References | 物理化学(上)(第10版), アトキンス, (東京化学同人), ISBN:978-4-8079-0908-7 |