Introduction to Statistical Physics

Numbering Code U-LAS12 20001 LJ57 Year/Term 2022 ・ Second semester
Number of Credits 2 Course Type Lecture
Target Year Mainly 1st & 2nd year students Target Student For science students
Language Japanese Day/Period Mon.4
Instructor name MORINARI TAKAO (Graduate School of Human and Environmental Studies Professor)
Outline and Purpose of the Course 現代物理学の一つの柱であり、ミクロとマクロを結ぶ理論体系である統計力学の基本的考え方と方法の理解を目的として講義を行う。ミクロな運動が古典力学に従う場合と量子力学に従う場合の両方について、定式化と簡単な応用を述べる。
Course Goals 原子・分子の運動を記述する基本法則に、確率論的考え方を導入し、アボガドロ数のオーダーの粒子集団の巨視的振舞いを記述する手法を習得する。
Schedule and Contents 授業で扱う内容は以下の通り。授業回数はフィードバックを含め全15回とし、各項目について2~3回の講義を行う。

1. 統計力学の考え方
 アボガドロ数のオーダーの粒子集団をどのようにして記述するか、その基礎となる考え方を簡単な例を用いて解説し、統計的手法が有用となる点を説明する。また、確率論の基本的な道具立てと自由度が大きい場合に成立する確率法則(中心極限定理等)について述べる。

2. 解析力学および量子力学の基礎
統計力学の体系を理解していくために必要となる解析力学と量子力学の基礎を、予備知識を前提としない形で講義する。

3. 統計力学の原理
古典力学と量子力学における微視的状態の概念とその上の確率分布を表すアンサンブル(統計集団)について解説し、孤立系における熱平衡状態を表す統計集団として小正準集団を導入する。ボルツマンの式によって微視的状態の数とエントロピーが結びつくことを示し、理想気体や調和振動子の系などへの応用について述べる。

4. 正準分布と大正準分布
 温度一定の系(熱浴に接した系)が従う確率分布が正準分布であることを示し、分配関数と熱力学関数の関係を説明する。さらに粒子数が変化する場合に、確率分布が大正準分布に従うことを示す。理想気体、調和振動子、スピン系、量子気体などへの応用について述べる。

5. 統計力学の応用
固体の比熱、熱放射のプランク分布、ボース・アインシュタイン凝縮、金属中の自由電子、強磁性転移の平均場理論等について解説する。
Evaluation Methods and Policy 定期試験期間中の筆記試験(100点)によって評価する.
Course Requirements 「物理学基礎論A」「熱力学」の履修を前提とする(合否は問わない)。「物理学基礎論B」も履修していることが望ましいが、履修していなくても大きな支障はない。
Study outside of Class (preparation and review) 講義内容を復習し、よくわからない点については他の受講生と議論したり教員へ質問するなど、内容の理解に努めること。
Textbooks Textbooks/References 熱・統計力学, 森成隆夫, (サイエンス社)
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