Introductory Seminar on Educational Studies
Numbering Code | U-LAS04 20009 SJ47 | Year/Term | 2022 ・ Second semester |
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Number of Credits | 2 | Course Type | seminar |
Target Year | All students | Target Student | For all majors |
Language | Japanese | Day/Period | Fri.2 |
Instructor name | KURAISHI ICHIROU (Graduate School of Human and Environmental Studies Professor) | ||
Outline and Purpose of the Course | 現代日本が抱える最大の教育問題の1つである不登校問題にフォーカスし、その歴史・現在・課題を学ぶ。文献講読を通じて、過去に長期欠席問題と呼ばれていた頃からどのような理論的・臨床的理解が精神医学・臨床心理学・教育学・社会学等の研究者によってなされたか、行政の対策、教師や民間教育家の実践がどのように行われたか、当事者たちの訴えがどこまで社会に届いたかを検討する。それを通じて、不登校問題の特徴の把握を足掛かりに、個々の子どものニーズに対応した教育の実現に向けた動機を高め、そのために必要な背景知識の獲得を目指す。 | ||
Course Goals | 不登校問題を通じ、教育が歴史・社会的文脈においてしか成立しえない事象であることを理解し、教育学に包含される問題群がいかに幅広く、多様なものであるかを感得することで、教育学を学ぶモチベーションを高める。 | ||
Schedule and Contents |
1.オリエンテーション 2.~13,以下にリストした4つのジャンルにまたがる不登校に関する文献から希望するものを受講者が取り上げ、内容の発表・討議を行い、理解を深める 【ジャンル①精神医学】 ・小澤勲[1980]「精神医学における正常と異常」『教育と医学』28巻6号 ・中井久夫[1981]「精神科医からみた学校精神衛生」『教育と医学』29巻4号→中井久夫コレクション『「思春期を考える」ことについて』ちくま学芸文庫 ・平井信義[1981]「学校内精神衛生における養護教諭の役割」『教育と医学』29巻5号 ・稲村博[1982]「思春期の精神衛生」『小児保健研究』41巻6号 ・渡辺位[1994]「これでよいのか登校拒否への対応:常識化した“登校正常論”を疑う」『児童心理』48巻8号 ・高岡健[1997]「〈拒否〉を保障することから出発する〈治療〉論」『発達』18巻69号 ・滝川一廣[2005]「不登校理解の基礎」『臨床心理学』5巻1号 ・斎藤環[2013]「ひきこもりと不登校」『公衆衛生』77巻5号 ・滝川一廣[2014]「不登校という行動の意味」『教育と医学』62巻3号 【ジャンル②教育学・社会学】 ・菊地栄治・永田佳之[2001]「オルタナティブな学び舎の社会学:教育の〈公共性〉を再考する」『教育社会学研究』68集 ・森田次朗[2008]「現代日本社会におけるフリースクール像再考:京都市フリースクールAの日常実践から」『ソシオロジ』53巻2号 ・江口怜[2013]「学校社会事業としての夜間中学:1950—60年代の京都市の事例に着目して」『東京大学教育学研究科紀要』53巻 ・森田次朗[2017]「不登校問題をめぐる排除/包摂の重層性:「フリースクール」の法制度化とシティズンシップの再編」『福祉社会学』14号 ・保坂亨・重歩美[2018]「学校教育における不就学と長期欠席問題:1980年代以降の長期欠席と不就学」『千葉大学教育学部紀要』66巻2号 【ジャンル③臨床心理学】 ・村山正治[1981]「学校精神衛生とカウンセリング」『教育と医学』29巻4号 ・山中康裕[1982]「社会の病理と子どもの精神衛生」『児童心理』36巻6号 ・村山正治[1986]「登校拒否(特集 養護教諭の世界)」『教育と医学』34巻8号 ・横湯園子[1986]「登校拒否―親はどうすればよいか」『児童心理』40巻5号 ・河合隼雄[1993]「文化の病としての不登校」『精神療法』19巻1号 ・山中康裕[1998]「不登校児の内閉論と両親像」『京都大学大学院教育学研究科附属臨床教育実践研究センター紀要』2号 ・横湯園子[2010]「不登校・登校拒否状態にある子どもたち:四十年間を振り返って改めて求められること」『教育』60巻5号 【ジャンル④社会活動家・当事者(家族含む)・その他】 ・駒崎亮太[1989]「先生教えないで、私、学びたいの(特集〈学校〉とは何か)」『世界』527号 ・山下英三郎[1994]「不登校の子どもを支えるための連携とは」『児童心理』48巻3号 ・奥地圭子[1999]「学校教育の限界と地域教育の試み:草の根で創り出した学びの場」『都市問題』90巻5号 ・西野博之[2006]「不登校のフリースペースの歩み:「たまりば」から公設民営の「えん」へ」『子どもの権利研究』8巻 14.全体の総括 15.フィードバック |
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Evaluation Methods and Policy |
平常点評価による。 不登校問題の歴史・社会的文脈での把握・理解が達成されたかどうかを観点に、セミナーにおける発表時のレジュメの完成度、説明の適切性、などを評価する(70%)。さらにそこに日常の討論・共同作業への参加状態、貢献などを加味する(30%)。 |
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Course Requirements | None | ||
Study outside of Class (preparation and review) | グループ発表においては、他のメンバーと密に連絡を取り、協調して発表準備を行うこと。 |