Cultural History of Social Institutions and Life B

Numbering Code U-HUM13 21214 LJ32
U-HUM13 21214 LJ36
Year/Term 2022 ・ First semester
Number of Credits 2 Course Type Lecture
Target Year From 2nd to 4th year students Target Student
Language Japanese Day/Period Thu.2
Instructor name Yasushi UEDA (Graduate School of Human and Environmental Studies Associate Professor)
Outline and Purpose of the Course 音楽を聴くとき、私たちは「作品」を文化的・社会的コンテクストと切り離して聴いているわけではない。J-POPなどでも、例えばある楽曲Aにザ・ビートルズの楽曲B特徴的な旋律やコード進行が引用されれば、聴き手は遅かれ早かれ楽曲Bを参照し、再びある曲Aを意味づけるだろう。いわゆる「クラシック音楽」にも同じことが言える。作曲家は、なぜある特定の様式やジャンル、節回しを選ぶのか。また、1曲のなかでそれらを混合して配置するのか。この授業では、18・19世紀の仏・独/墺・伊で生まれた音楽作品を例に、作曲家と聴き手の関係の中で創出されるさまざまな意味を読み解いていく。
Course Goals 器楽作品を中心とする個々の作品例を通して、音楽の意味作用とレトリカルな機能を意識しながら聴取できるようになる(演奏経験のある人は、そのような読譜ができるようになる)。
Schedule and Contents イントロダクション:近年の音楽学における作品解釈の傾向(1回)

1)言葉と音楽:18世紀まで(2回)
・声楽に対する器楽の独立
・音形と類型的情念
2)「音による語り」としての器楽:18世紀から19世紀初頭まで(3回)
・修辞的弁論と器楽の類比:ソナタにおける形式観の変遷
・器楽における修辞技法:ハイドンのモーツァルトを例に
3) パストラーレとユートピア(2回)
・ベートーヴェンの《交響曲第6番「田園」》(1808)
・牛追歌「ランズ・デ・ヴァーシュ」の変容:「記憶の記号」から内なる風景へ
4)類型的情念から「あてどなき情熱」へ(2回)
・ベルリオーズの《幻想交響曲》(1830)と歌曲《夏の夜》(1840-41)
5) 閉じられない語り1(3回)
・ショパンの《バラード》(1835-43)とアルカンの《大ソナタ》(1847)
6)意味を明らかにするための楽曲分析(1回)
・ショパンの《幻想曲》作品49
まとめ(1回)
Evaluation Methods and Policy 授業への参加を重視する(平常点、60%)。期末レポート(40%)。期末レポートは、必ずしも楽譜を駆使したものでなくともよく、音楽作品の意味を問う内容であればどんなジャンルを扱っても良い。詳細な課題は授業内で提示する。
Course Requirements 授業ではできる限り音源を聴くよう心がけるが、楽譜を提示することもある。それゆえ、ある程度の読譜力(楽譜を読む能力)があったほうが、理解は深まるだろう。
Study outside of Class (preparation and review) 授業で扱う作品については、なるべく授業前に全体を一聴しておくことが望ましい。
PAGE TOP