Advanced Studies; Anthropological Study of Education I

Numbering Code G-EDU45 58263 LJ47 Year/Term 2021 ・ Intensive, First semester
Number of Credits Course Type special lecture
Target Year Master's students Target Student
Language Japanese Day/Period Intensive
Instructor name NOMI OSAMU (Part-time Lecturer)
Outline and Purpose of the Course  フランスのマルクス主義哲学者L.アルチュセールは、研究ノート「イデオロギーと国家のイデオロギー装置」(1970)において、「学校」という制度的存在を、その中立的な装いとは裏腹に、資本主義的イデオロギーの注入を通じて資本主義的生産様式の再生産(ないし拡大再生産)を保証する「国家のイデオロギー諸装置」のひとつであるとして告発した。
 このアルチュセールの指摘が、国民(親)の教育意識と国家的・経済的利害との合流という、およそ1960~1970年代における日本の社会的状況と相まって、公教育における国家統制の排除という戦後民主主義的理想の構造的限界を以降の教育学者に予感させたことは疑いない。実際、1980年代以降、日本の教育学においては、国家による教育支配の構造的必然性に対抗しうる新たな教育論の必要性が強調されるようになった。この課題は今日なお、教育者・教育学者にとって主要な関心事であり続けていよう。
 そこで本講義では、改めてアルチュセール思想に立ち返り、上記の研究ノートおよびアルチュセールの死後に公刊された草稿集『再生産のために』を精読することで、この課題へと向かう糸口を見い出したい。
Course Goals 1.テキストの細部に分け入り、粘り強く読解を試み、それを表現することができる。
2.テキストの思想史的な位置づけについて思考し、それを表現することができる。
3. 自らの研究関心とテキストを関係づけ、発展的な解釈を生み出し、それを表現することができる。
Schedule and Contents 第1回 イントロダクション
第2回 「イデオロギーと国家のイデオロギー諸装置」を読む①生産諸手段の再生産/労働力の再生産
第3回 「イデオロギーと国家のイデオロギー諸装置」を読む②下部構造と上部構造
第4回 「イデオロギーと国家のイデオロギー諸装置」を読む③国家
第5回 「イデオロギーと国家のイデオロギー諸装置」を読む④生産諸関係の再生産
第6回 「イデオロギーと国家のイデオロギー諸装置」を読む⑤イデオロギーは歴史をもたない
第7回 「イデオロギーと国家のイデオロギー諸装置」を読む⑥イデオロギーは諸個人が自らの現実的な存在諸条件に対してもつ想像的関係の「表象」である
第8回 「イデオロギーと国家のイデオロギー諸装置」を読む⑦イデオロギーは主体としての諸個人に呼びかける
第9回 「イデオロギーと国家のイデオロギー諸装置」を読む⑧―つの例―キリスト教的な宗教的イデオロギー
第10回 「イデオロギーと国家のイデオロギー諸装置」を読む⑨追記
第11回 「生産諸関係の再生産と革命」を読む①Ⅰ~Ⅳ節
第12回 「生産諸関係の再生産と革命」を読む②Ⅴ~Ⅷ節
第13回 「AIEにかんする注記」を読む①Ⅰ・Ⅱ節
第14回 「AIEにかんする注記」を読む②Ⅲ節
第15回 まとめとフィードバック
Evaluation Methods and Policy 【評価方法】
平常点(授業参加の姿勢、発表内容)とレポートにより総合的に判断する。(平常点60%、レポート40%)
毎回出席を原則とする。

【評価方針】
到達目標について、教育学研究科の成績評価の方針に従って評価する。
Course Requirements None
Study outside of Class (preparation and review) 講義の前に対象のテキストを熟読しておくこと。
Textbooks Textbooks/References 再生産について―イデオロギーと国家のイデオロギー諸装置, ルイ・アルチュセール, (平凡社, 2005年), ISBN:4582702562, 単行本版。本講義で読解の対象とするテキストはすべて本書に収録されている。
Sur la Reproduction, Louis Althusser, (PUF, 2011), ISBN:2130590799, 本講義では適宜、このフランス語版を参照する。講義参加者には、本書の部分的なコピーを提供する。
References, etc. ・野見収「革命の必然化をめぐる問い―アルチュセールにおけるマキャベリ及び精神分析」『唯物論研究年誌』第24号、唯物論研究協会、2019年、219-240頁。
・野見収「イデオロギーの「もっとも弱い環」から脱-イデオロギー的主体形成論に向かって―アルチュセールとフロイトの理論的交錯―」『理想』第694号、理想社、2015年、93-108頁。
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