Laboratory Course in Wood Anatomy and Technology

Numbering Code U-AGR05 3E237 EJ80 Year/Term 2022 ・ Second semester
Number of Credits 4 Course Type Experiment
Target Year 3rd year students Target Student
Language Japanese Day/Period Mon.3・4・5
Instructor name NAKAMURA MASASHI (Institute for Liberal Arts and Sciences Professor)
MURATA KOUJI (Graduate School of Agriculture Associate Professor)
YOSHINAGA ARATA (Graduate School of Agriculture Associate Professor)
AWANO TATSUYA (Graduate School of Agriculture Assistant Professor)
Outline and Purpose of the Course 木材の諸物性には,内包している組織構造や細胞壁の超微細構造が大きく関与している.この科目では,木材の強度や剛性などを実測するとともに,微に入り細にわたる木材の観察を通して,生物材料である木材特有の材質に関する知識を広げ,理解を深める.
木材構造学系の実験では,日本産樹木の組織構造,成分分布などを最新の顕微鏡技術によりマクロから超ミクロまで多角的に観察,解析する.とりわけ,電子顕微鏡観察を通して,木材の微細構造についての理解を深める.
木材工学系の実験では,木材の力学的および物理的性質に関する基礎的な実験とその応用として,塑性変形,乾燥速度,強度,剛性,接着力,色,光沢,熱などの測定を行い,種々の装置の使用方法,実験データの解析方法を習得する.
Course Goals ○木材を構成する細胞の種類,組織・構造,細胞壁の超微細構造と成分分布等の様々な解析手法の原理と実際を理解する.
○木材の力学的性質や物理的性質を測定するための実験手法を習得するとともに,実験結果をすぐにレポートにまとめて吟味する癖を身に付ける.
○課題(レポート)に対して自主的,継続的に取り組む能力を養い,課題研究論文につながる理系の文章作法を体得する.
Schedule and Contents 0. オリエンテーション(1回,担当:仲村,吉永)

木材構造学系の実験(全7回,担当:吉永,粟野)
1. 木を知る(3断面切片の作製と光学顕微鏡観察)(1回):滑走式ミクロトームで木材の木口,まさ目,板目面切片を作製する.切片を染色後,プレパラートを作製する.その後,光学顕微鏡による観察及び写真撮影を行う.
2. 木の超ミクロ世界をのぞく(3回):電子顕微鏡の原理,試料の調製法について講述した後,電子顕微鏡観察用の 試料を作製し,透過型,ならびに走査型電子顕微鏡で観察,写真撮影を行う.
3. 木の成分分布を見る(2回):木材切片に細胞壁主要成分の選択的染色を行い,その分布を顕微鏡で観察する.さらに,免疫標識法を用いて細胞壁成分の選択的標識を行い,それらの分布を蛍光顕微鏡等で観察する.
4. 木を測る(1回):偏光顕微鏡法,エックス線回折法を用いて木材のミクロフィブリル傾角を測定する.

木材工学系の実験(全7回,担当:仲村,村田)
5. 木材の塑性加工:木材に塑性変形を与えたときの応力やセット回復量の測定および塑性を利用した加工実習を行う.
6. 木材の乾燥と木材中の水の拡散:木材の乾燥速度と含水率の関係を表す乾燥経過曲線を作成し,木材中の水分の拡散係数を求める.
7. 熱拡散率の測定:木材やコンクリートについて,加熱中および放熱中の材料内部の温度変化を測定し,熱拡散率を求める.
8. 木材の強度試験:木材の強度試験として,縦圧縮強度試験,せん断強度試験,衝撃曲げ試験の3種類を行う.
9. ポアソン比の測定:木材素材および木質材料のポアソン比を板材の4点荷重による曲げ試験によって測定する.
10. 木材の接着と接着力の測定:木材片を接着剤で接着して接着試験体を作製し,せん断接着力および木部破断率を測定する.
11. 合板の曲げヤング率:合板の曲げヤング率が表層単板の繊維方向と関連してどのように変化するかを測定する.
12. 色および光沢の測定:測色色差計と変角光沢計を用いて木材の色と光沢の測定を行い,YR系の木材色の特徴や光沢異方性などを確認する.
13. 実大製材の曲げ試験:実大製材を曲げ試験に供試し,その曲げたわみ曲線が材料力学から導かれる理論曲線とどのくらい一致するか比較する.
14. 木材の表面硬さ試験:フローリングに使用される木材の表面硬さを実測し,フロア材としての適性などを評価する.
※木材工学系の実験では,試験体の調整や実験装置の状態に応じて7メニューを実施する.また,実験日中のレポート提出を課す.
Evaluation Methods and Policy 【評価方法】出席とレポートによる.木材構造学系の実験(全7回)50%,木材工学系の実験(全7回)50%の割合で両者の採点結果を合算して評価する.

【評価基準】 評価基準及び方針については,当該年度農学部学生便覧記載の[評価基準及び方針]による.
Course Requirements None
Study outside of Class (preparation and review) 実験前にテキストに目を通し,何を行うのか出来るだけ理解してくること.
Textbooks Textbooks/References 木材構造学実験:実験テキストを初回に配付する.
木材工学実験:実験テキストを初回に配付する.

References, etc. 木質の構造, 日本木材学会編, (文永堂出版), ISBN:9784830041204
木質の物理, 日本木材学会編, (文永堂出版), ISBN:9784830041112
木材科学講座3 木材の物理, 石丸・古田・杉山編, (海青社), ISBN:9784860992392
PAGE TOP