人文研アカデミー 人種概念の総合的理解

講義詳細

年度・期
2008年度・前期
開講部局名
全学共通科目
使用言語
日本語
教員/講師名
総合担当:竹沢 泰子(研究室:人文科学研究所328号室)
開催場所
[教室] 共北27講義室 [授業準備室] 吉田南1号館2階、共203-2

シラバス

曜時限 金2
教員
リレー講義
人文科学研究所
竹沢 泰子 教授
高木 博志 准教授
石川 禎浩 准教授
田辺 明生 教授
文学研究科
松田 素二 教授
授業の概要・目的
人文科学研究所において行った共同研究「『人種』の概念と実在性をめぐる学際的基礎研究」の研究成果の一部を学部生対象に楽しくわかりやすく伝えるものです。この授業では、人種は生物学的に存在するものではなく、社会的な構築物であるという理解からまず出発します。どのように人種概念は構築されてきたのか、そのプロセスを世界のいくつかの地域における事例をとおして考察しながら、近代の国民国家形成や植民地主義がどのように人種概念の構築にかかわっているのか、前近代との連続性はあるのか、欧米の人種概念は、果たして日本やアジアの現象をも説明しうるのか、人種概念と現代の人種主義はどのように関係しているのか、について考えていきます。またあたかも科学的に存在するかのごとく説明されてきた「人種」概念のどこが誤りであったのか、現代のゲノム研究をも射程に含めて再考します。最終的にこれらの問題意識をつなげて、人種概念について総合的に理解することを目指します。歴史学、社会学、文化人類学、生命科学などの領域において第一線で活躍する教員陣によるリレー講義です。なお、講義ノートのレジュメや資料は授業終了後、京都大学オープンコースウェアで公開します。
授業計画と内容
第1回 4月18日 授業概要説明(竹沢泰子)
ビデオ『放送大学2008年度文化人類学 第2回人種、そして民族』(出演 スチュアート ヘンリ&竹沢泰子)鑑賞
第2回 4月25日 人種とは何か(竹沢泰子)
課題リーディング: 竹沢泰子「人種概念の包括的理解に向けて」『人種概念の普遍性を問う』I. 総論 第一節&第二節 pp.13-27
第3回 5月2日 ヨーロッパにおける人種概念の生成(竹沢泰子)
課題リーディング: ロバート・ムーア「19世紀ヨーロッパにおける人種と不平等―身体と歴史」『人種概念の普遍性を問う』 pp.113-150
第4回 5月9日 近代人種主義の二つの系譜とその交錯(田辺明生)
課題リーディング: 田辺明生「近代人種主義の二つの系譜とその交錯―地域連鎖の世界史から人種を考える」『人種概念の普遍性を問う』 pp. 205-226
第5回 5月16日 北米における人種イデオロギー(竹沢泰子)
課題リーディング: オードリー・スメドリー「北米における人種イデオロギー」『人種概念の普遍性を問う』 pp. 151-181
第6回 5月23日 人種概念の三つの位相(竹沢泰子)
課題リーディング: 竹沢泰子「人種概念の包括的理解に向けて」『人種概念の普遍性を問う』I. 総論 第三節 pp.28-51
第7回 5月30日 中国における人種概念(石川禎浩)
課題リーディング: 坂元ひろ子「中国史上の人種概念をめぐって」『人種概念の普遍性を問う』 pp. 182-204
第8回 6月6日 近代天皇制と賎・穢(高木博志)
課題リーディング: 高木博志「近代天皇制と賤・穢」(pp. 298-318)、黒川みどり「人種主義と部落差別」(pp. 276-297)『人種概念の普遍性を問う』
第9回 6月13日 日本における人種主義(竹沢泰子)
課題リーディング: 坂野徹「人種・民族・日本人―戦前日本の人類学と人種概念」(pp. 229-254)& 黒川みどり「人種主義と部落差別」(pp. 276-297)『人種概念の普遍性を問う』
第10回 6月20日 植民地主義と人種(竹沢泰子)
課題リーディング: サブハードラ・チャンナ「インドにおけるカースト・人種・植民地主義―社会通念と西洋科学の相互作用」(pp. 321-355)& 井野瀬久美惠「調停される「帝国の視点」―双方向性のなかで人種概念を見直す」(pp. 415-433)
第11回 6月27日 人種的共同性の再構築のために(松田素ニ)
課題リーディング: 松田素二「人種的共同性の再構築のために―黒人性再想像運動の経験から」(pp. 390-414)& 栗本英生「人種主義的アフリカ観の残影―「セム」「ハム」と「二グロ」」(pp. 356-389)
第12回 7月4日 「ゲノム時代の医療をめぐる科学的表象」(加藤和人)
課題リーディング: 竹沢泰子「人種概念の包括的理解に向けて」『人種概念の普遍性を問う』I. 総論 第五節(pp. 58-76)& 斉藤成也「人種よさらば」(pp. 468-486)
第13回 7月11日 現代日本における人種主義 まとめ(竹沢泰子)
成績評価の方法・観点
期末テスト 7月18日2限

教科書は持ち込み不可
留学生は、教官に許可を得た上で、辞書持ち込み可

出席(20%)
学期末テスト(60%)
提出物(20%)

*各自オープンコースウェアのサイト http://ocw.kyoto-u.ac.jp/jp/common/index.htmは必ず毎週チェックしてください。
参考書等
[教科書]

竹沢泰子編『人種概念の普遍性を問う:西洋的パラダイムを超えて』(人文書院 2005)550ページ、定価3,800円+税 4-409-53030-5

[関連リンク]

Understanding Race
http://www.understandingrace.org

Is Race "Real"
http://raceandgenomics.ssrc.org/

Slavery in New York
http://www.slaveryinnewyork.org/about_exhibit.htm

Image Archive on the American Eugenics Movement
http://www.eugenicsarchive.org/eugenics/
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