京都大学防災研究所フォーラム(21世紀COEプログラム「災害学理の究明と防災学の構築」),2005

異常気象とブロッキング 向川 均(防災研究所大気災害研究部門 助教授)

防災研究所では、21世紀COEプログラム「災害学理の究明と防災学の構築」において、研究成果をできるだけ多くの人たちに知っていただくことを目的に、京都と東京で防災研究所の関係者による連続公開講座を開催しました。

京都大学防災研究所フォーラム(2003年)
https://ocw.kyoto-u.ac.jp/course/445/
京都大学防災研究所フォーラム(2004年)
https://ocw.kyoto-u.ac.jp/course/488/

講義詳細

年度
2005年度
開催日
2005年1月13日 から 2006年5月16日
開講部局名
防災研究所
使用言語
日本語
開催場所
キャンパスプラザ京都,パレスホテル,帝国ホテル東京

1
1月13日
「異常気象とブロッキング」
向川 均(京都大学防災研究所大気災害研究部門・助教授)
近年の地球温暖化に伴い,2003年の日本付近の冷夏や,ヨーロッパの猛暑などの異常気象が頻発する傾向にあることが指摘され始めている.このような異常気象は,ブロッキングと呼ばれる偏西風ジェット気流の南北蛇行により発生することが多い.ここでは,ブロッキングの実態…
2
3月24日
「スマトラ沖地震による津波被害報告」
安田 誠宏(京都大学防災研究所水災害研究部門・助手)
3
3月30日
「中立に近い安定度の大気境界層における乱流構造の観測」
堀口 光章(京都大学防災研究所大気災害研究部門・助手)
時間的かつ空間的に不規則に変動している「乱流」中に秩序だった動きによる「組織構造」が存在し,乱れの生成と乱流輸送に大きな寄与をなしていることが室内実験などにより明らかにされてきています。ここでは,地表面に近い大気層で我々の生活とも密接に関係している「大気境…
4
4月6日
「伝染病の発生,流行と気象・気候要素のインパクト」
林 泰一(京都大学防災研究所流域災害研究センター・助教授)
地球温暖化が進むと,コレラやデング熱などの熱帯性の伝染病が温帯域でも発生したり流行することが懸念されている。とくに,アジアのモンスーン地域では、気象要素の変動がどのように伝染病の発生と関わっているのかについて,研究が始められている。ここでは,バングラデシュ…
5
4月8日
「平成16年台風23号による由良川での水害について」
馬場 康之(京都大学防災研究所流域災害研究センター・助手)
平成16年10月に上陸した台風23号は,日本各地に甚大な被害をもたらした。ここでは,由良川での水害について,その概要を報告する。
6
5月17日
「日本社会に適した危機管理システム基盤構築」
林 春男(京都大学防災研究所巨大災害研究センター・教授)
自然災害の発生が頻発化し,激化している。加えて,予想外のさまざまな原因による危機が増発している。こうした現状を踏まえて,どのような原因による危機に対しても一元的な対応を可能にするICS概念にもとづいた危機管理対応システムの概要を紹介する。
7
5月25日
キャンパスプラザ京都 「2004年に頻発した風水害の教訓と今後の防災課題」
林 春男(京都大学防災研究所巨大災害研究センター・教授)
7.13新潟水害の犠牲者に学ぶ
8
6月2日
キャンパスプラザ京都 「都市の内水氾濫とその解析」
戸田 圭一(京都大学防災研究所 大気・水研究グループ 流域災害研究センター・教授)
都市水害のうち,堤内地に降った雨が吐けずに生じる「内水氾濫」とその解析法について述べる。大阪府寝屋川流域,大阪市大正区の小集水区や宇治市井川流域を対象とした内水氾濫解析事例を紹介するとともに,その対策についても若干の考察を加える。
9
6月8日
キャンパスプラザ京都 「雲から豪雨まで~その形成についての観測~」
堀口 光章(京都大学防災研究所 大気・水研究グループ 気象・水象災害部門・助手)
大気中の水蒸気から雲が形成され,組織化された積乱雲から豪雨がもたらされる。豪雨による災害を軽減するためには,このような気象現象についての研究をさらに進めることが必要である。最近ではコンピューターを使用した数値モデルによる研究が多くなされてきているが,現象の…
10
6月16日
「地球温暖化と異常気象」
向川 均(京都大学防災研究所 大気・水研究グループ 気象・水象災害研究部門・助教授)
近年の地球温暖化に伴い,2004年の日本付近の猛暑や,2003年のヨーロッパの猛暑など,世界各地で異常気象が頻発する傾向にあることが指摘され始めています。ここでは,中高緯度で異常気象が発生する主要なメカニズムを紹介し,それが地球温暖化に伴いどのように変質す…
11
6月23日
「2004年の台風の気象学的特徴について」
林 泰一(京都大学防災研究所 大気・水研究グループ 流域災害研究センター・助教授)
12
6月24日
「近年における高潮・高波災害の特徴」
安田 誠宏(京都大学防災研究所 大気・水研究グループ 気象・水象災害研究部門・助手)
13
6月28日
「大規模地すべりの発生・運動予測~白山甚之助谷地すべりと中国山峡地域における樹坪地すべり」
汪 発武(京都大学防災研究所 地盤研究グループ 斜面災害研究センター・助手)
14
7月1日
「地盤地震工学と防災」
飛田 哲男(京都大学防災研究所 地盤研究グループ 地盤災害研究部門・助手)
15
7月5日
「強震記録から推定される最近の震源過程と震源像」
岩田 知孝(京都大学防災研究所地震災害研究部門・教授)
日本では1995年兵庫県南部地震後に全国規模の強震観測網が配置され,2004年中越地震,2005年福岡県西方沖地震などの被害地震の震源過程が詳細に分析されるようになってきた。これらの震源過程の分析結果を紹介し,そこから得られている強震動生成と関係した震源像…
16
7月7日
「H16年台風10号による徳島県における土砂災害について」
王 功輝(京都大学防災研究所 地盤研究グループ 斜面災害研究センター・助手)
17
7月8日
「2004年21号台風豪雨下三重県宮川流域で起きた崩壊と岩屑なだれ、洪水」
諏訪 浩(京都大学防災研究所 地盤研究グループ 地盤災害研究部門・助教授)
18
7月13日
「強振動予測のための地盤構造の推定」
岩田 知孝(京都大学防災研究所地震災害研究部門・助手)
地震動は地表近くの急激に地震波伝播速度が変化する(遅くなる)構造によって大きく増幅される。このような地震動の特徴を定量的に評価し,精度の高い強震動予測を達成するには,地盤構造を正しく見積もる必要がある。人口集中域である大都市の多くは堆積盆地にあり,そ…
19
7月15日
「大型振動台における地盤と構造物のゆれ方」
田村 修次(京都大学防災研究所地震災害研究部門・助教授)
地震時の構造物の揺れ方は,上部構造物の固有周期のみならず地盤条件によっても大きく異なる。本講演では,乾燥砂地盤および液状化地盤を用いた杭-構造物系の大型振動実験に基づいて,地盤条件による構造物の揺れ方の違いを説明する。
20
7月22日 「メコン川の洪水と環境」
武藤 裕則(京都大学防災研究所 大気・水研究グループ 流域災害研究センター・助手)
21
7月29日
「【特集:南海地震をめぐる情勢】九州(地方)南東部の地震活動」
寺石 眞弘(京都大学防災研究所地震予知研究センター・助手)
東南海地震(1944),南海地震(1946) から半世紀を経た阪神大震災以降,西日本は活動期に入ったと言われている。九州地方では,東海岸沿いに位置する日向灘で,プレート境界でM7クラスの地震がしばしば発生し,陸域では熊本(1889年 M6.3),桜島(191…
22
9月6日
「【特集:火山の爆発はどうして起こるんだろう】世界最大の火山国インドネシアにおける火山爆発」
井口 正人(京都大学防災研究所 地震・火山研究グループ 火山活動研究センター・助教授)
インドネシアは129の活火山を有する世界最大の火山国である。過去の火山爆発について紹介するとともに,1日に100回以上の爆発を繰り返している東ジャワのスメル火山の爆発の現状について報告する。
23
9月7日
「【特集:火山の爆発はどうして起こるんだろう】桜島火山と諏訪之瀬島火山の爆発発生メカニズム」
為栗 健(京都大学防災研究所火山活動研究センター・助手)
桜島と諏訪之瀬島は日本で最も活動的な火山であり,現在も山頂火口において爆発的な噴火活動を継続している。広帯域地震計を用いた観測,火口近傍における観測などで得られた良質な爆発的噴火のデータから,爆発発生の準備過程,爆発時の火道や火口内の力学過程が明らかになっ…
24
9月14日
「【特集:地震と地震被害の実像に迫る(2)】内陸地震の震源域をさぐる」
西上 欽也(京都大学防災研究所 地震・火山研究グループ 地震防災研究部門・助教授)
内陸地震の震源域にどのような特徴的な構造があるのか,それをどのように調べるのか,また地震発生の予測,防災にどのように貢献しうるのか,等について,昨年発生した新潟県中越地震および他の活断層の調査結果を中心に解説する。
25
9月20日
「【特集:2004年の顕著な被害地震】スマトラ地震の地震現象としての全体像」
川崎 一朗(京都大学防災研究所 地震・火山研究グループ 地震予知研究センター・教授)
26
9月21日
「【特集:2004年の顕著な被害地震】福岡県西方沖地震」
飯尾 能久(京都大学防災研究所 地震・火山研究グループ 地震予知研究センター・助教授)
2005年3月20日に福岡県西方沖地震 M7.0(JMA) が発生し,玄界島をはじめとして多数の家屋に被害を及ぼした。その断層の南東部に位置する福岡市内には活断層である警固断層があり,今回の地震の影響が懸念されている。本講演では,九州大学地震火山センターを中心…
27
10月12日
「情報処理システムを用いた災害対応支援に関する考察」
畑山 満則(京都大学防災研究所 総合防災グループ 社会防災研究部門・助教授)
28
11月2日
「2004年台風災害-主に四国の災害事例-」
末峯 章(京都大学防災研究所 地盤研究グループ 斜面災害研究センター・助教授)
29
11月4日
「リングせん断試験による流動化発生過程の観察」
福岡 浩(京都大学防災研究所 地盤研究グループ 斜面災害研究センター・助教授)
30
11月17日
「大型構造実験は耐震工学の発展に貢献できるか-その成否を分析する-」
中島 正愛(京都大学防災研究所 地震・火山研究グループ 地震防災研究部門・教授)
耐震工学において構造実験の果たす役割は限りなく大きく,耐震工学における新分野の開拓や研究成果の実践への転移は,古今東西,構造実験なくして実現しない。しかしながら,構造実験にはお金がかかり過ぎる,構造実験が大型化・高度化するにつれ実験できる研究機関が少なくな…
31
12月14日
「河川災害における乱流現象」
東 良慶(京都大学防災研究所 大気・水研究グループ 流域災害研究センター・COE研究員)
乱流とは,水や空気などの流体が時間的空間的に不規則に変動する流れを表します。このような乱れた状態(カオス)の中にも組織だった構造が存在しており,この乱流の組織構造が洪水害などにおける水流特性の本質であり,災害と密接に関係していることが明らかにされてきてい…
32
2006年
5月16日
「自律的避難のための水害リスクコミュニケーション支援システムの開発」
畑山 満則(京都大学防災研究所 総合防災研究グループ 社会防災研究部門・助教授)

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