第41回 京都大学品川セミナー「クォーク、グルーオンから核力へ」

クォーク、グルーオンから核力へ 青木 愼也(基礎物理学研究所 教授)

 核子(陽子や中性子の総称)には、『核力』と呼ばれる強い力が働き、その結果、銀河や星や我々の体を構成する原子核(陽子と中性子の複合体)が存在できます。

 湯川秀樹氏は、1935年に発表した中間子論において、この核力が当時未発見であったπ中間子の交換によりもたらされると予言しました。その後、加速器を用いた核子-核子散乱実験の進展により、核子同士が遠く離れている時は湯川氏の考えは正しいが、近距離になるとπ中間子では説明できない大きな斥力(反発力)が働くことが明らかになって来ました(図1参照)。

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