講演会「ポスト家父長制世界におけるアジアの家族変動と家族意識」

ポスト家父長制世界におけるアジアの家族変動と家族意識 ―東アジア社会調査(EASS)とアジア比較家族調査(CAFS)による計量社会学研究― 岩井八郎(京都大学 名誉教授)

■講師からのメッセージ

アジア諸国・地域は現在、急速な少子化と高齢化を経験し、女性の地位向上や権利拡大といったグローバルな文脈の中で旧来の家父長制的男性優位も崩れ、家族は大きな変化に直面しています。共通する社会変化として女性の高等教育機会の拡大がありますが、女性の高学歴化は家族意識や実践にどのような影響を及ぼしているのでしょうか。日韓中台の家族意識を調べた2006年東アジア社会調査、ならびに同じ調査票を用いタイ、ベトナム、マレーシア、トルコを調査したアジア比較家族調査の分析結果から、性別役割意識と家事参加の共通性と差異を取り上げて計量的な比較社会学研究の面白さを紹介すると同時に、日本の現状を位置付けます。

■講師紹介

京都大学名誉教授、専門は教育社会学、家族社会学、ライフコース研究、社会調査法。主な研究テーマは、社会調査によって集められた個人の職業経歴と家族経歴の情報を用いて、日本人男女のライフコースの長期的変化を学歴との関係から解明すること。『教育学研究』第89巻第4号(2022年12月刊行予定)に「女性のライフコース研究」を執筆予定。今回の報告は、岩井八郎「アジアの家族変動と家族意識」(『家族社会学研究』2018)に基づく。2021年3月まで京都大学教育学研究科・教授、2022年4月より摂南大学客員教授。

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