応用バイオインフォマティクス

授業の特色
バイオインフォマティクスを基礎として、薬学にとって必要な情報科学であるケモインフォマティクスとその融合であるケミカルゲノミクスについて学ぶ。授業は端末を用いた演習形式であり、統計計算プログラミングやデータベース利用法について実習する。

授業の紹介
バイオインフォマティクスは、膨大なゲノム情報を処理するための情報技術として、ヒトゲノム計画とともに発展してきた。ヒトゲノムが解読された今日では、莫大なゲノム情報から創薬への手がかりを発見すること、すなわち「ゲノム創薬」に大きな期待が寄せられている。ゲノム創薬は、ゲノム情報を出発点とし創薬の標的遺伝子探索からリード化合物探索を経て臨床段階に至る広範で高度に専門化した複合領域であり、その実践にはこれらの複合領域を結ぶ総合的なインフォマティクス基盤(創薬インフォマティクス)が必須となる。すなわち単なるバイオインフォマティクスのみならず、バイオ情報を扱うバイオインフォマティクスとケミカル情報を扱うケモインフォマティクスの独立に発展してきた2つの情報科学分野の統合を図り、バイオ情報とケミカル情報の両者を同時に統合的にマイニングする新しい情報技術が必要とされている。本授業では、バイオインフォマティクスの創薬応用を意識した創薬インフォマティクスについて学ぶ。

講義詳細

開講部局名
薬学部
教員/講師名
奥野 恭史(特定教授)
備考
PCを用いた演習形式の授業を行い、e-ラーニングシステム(WebCT)による受講支援を行う。

シラバス

開講年度・開講期 〜2010年
教員
奥野 恭史(特定教授)
授業の概要・目的
第1回 マイクロアレイ実験技術の概要説明、クラスター解析の解説、および統計ソフトRの基本演習を行う。
第2回 論文(Nature)での解析を題材に、Rによる解析演習を行う。
第3回 バイオインフォマティクスとケモインフォマティクスの概要説明とBlast検索(配列検索)とPubChem化合物検索(構造検索)の演習を行う。
第4回 KEGGデータベースを用いて、化合物データベースとPathwayデータベースの演習を行う。
第5回 ケミカルゲノミクスの概説と薬学のためのインフォマティクス研究の考え方を解説し、GLIDAデータベースを用いた演習を行う。
授業計画と内容
提示する具体的な課題に対し、以下の解析を体験することにより、薬学のためのインフォマティクスの実践的な考え方や方策を学ぶ。
○ 薬学生のためのデータベース利用
○ 遺伝子・タンパク質配列解析
○ 遺伝子発現解析とデータマイニング
○ 化合物データベースの利用

第1回 遺伝子発現解析とデータマイニング(1)
第2回 遺伝子発現解析とデータマイニング(2)
第3回 バイオインフォマティクス(配列検索)とケモインフォマティクス(構造検索)
第4回 化合物データベースとパスウェイ解析
第5回 創薬インフォマティクス
成績評価の方法・観点
出席、レポートを総合して評価する
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