病理学各論
授業の特色
検査技術科学専攻の学生を対象に、諸器官系の病理病態を教えます。器官系毎に生理機能、解剖学的特徴を整理した上で、特徴的な病理病態をとりあげます。顕微鏡観察、電子画像を用いた演習を適宜行い、診断の根拠となる形態学的変化を学びます。
授業の紹介
ヒトの器官には統合性と多様性があります。各器官の病理病態を考えるにはこの特性の理解が不可欠です。講義では、心血管、呼吸器、リンパ組織、肝胆膵、消化器、腎臓泌尿器、脳神経、骨軟部、皮膚、女性生殖器、男性生殖器、乳腺といった、諸器官系の病理病態を主題にしますが、まず、諸器官系の生理機能、解剖学的特徴を概説、整理します。続いて諸器官系に特徴的な病気を取り上げ、その病理—原因、病態、転帰を図表、写真を用いて説明します。さらに細かい内容を知りたい学生が自習し易いように、該当する教科書の図表（ロビンス第７版）を取り上げ概説します。また、現代病理学は、病気の最終診断という重要な役割を担っています。講義では、病理診断の根拠となる形態学的変化についても紹介します。形態像を効果的に学べるよう、講義の他、適宜、顕微鏡観察、電子画像、インターネットを用いた演習をとりいれます。私は、多くの学生が病気に対する知識や理解を深め、自信を持って自分の専門分野を進んで行けることを、期待しています。
講義詳細
- 年度・期
- 2008年度・前期
- 開講部局名
- 医学部
- 使用言語
- 日本語
- 教員／講師名
- 高桑 徹也（医学研究科 教授）
シラバス
| 配当学年 | 3回生 | ||
|---|---|---|---|
| 教員 | 高桑 徹也（医学研究科 教授） |
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| 授業の概要・目的 | 第1回 病理学総論の復習ののち、各論での講義の進め方のガイダンスを行う。また、組織画像を学ぶのに有用な教材、インターネットサイトの紹介をする。 第2回 心臓の解剖、機能、特徴、代表的な心疾患-心不全、虚血性心疾患、高血圧性心疾患、弁膜性心疾患、原発性心疾患、先天性心疾患について概説する。 第3回 血管の解剖、機能、特徴を概説した上で、代表的な血管疾患-動脈硬化症、高血圧性血管疾患、動脈瘤、炎症性疾患、腫瘍について概説する。 第4回 リンパ組織の解剖、機能、特徴を概説した上で、代表的なリンパ組織疾患-反応性リンパ節、リンパ腫、脾臓、胸腺疾患について概説する。 第5回 呼吸器系の解剖、機能、特徴を概説した上で、代表的な呼吸器疾患-閉塞性、拘束性肺疾患、血管性疾患、肺感染症、肺腫瘍、肺性心について概説する。 第6回 腎、尿路系の解剖、機能、特徴、代表的な腎、尿路疾患-糸球体疾患、尿細管、間質疾患、血管疾患、嚢胞性疾患、尿流路の閉塞、腫瘍について概説する。 第7回 消化管の解剖、機能、特徴を概説した上で、代表的な消化管疾患を食道、胃、大腸にわけて概説する。 第8回 第9回 男性生殖器の解剖、機能、特徴を概説した上で、代表的な男性生殖器の疾患を陰茎、陰嚢、睾丸、前立腺にわけて概説する。 第10回 女性生殖器の解剖、機能、特徴を概説した上で、代表的な女性生殖器の疾患を外陰部、膣、子宮頸部、体部、卵管、卵巣にわけて概説する。 第11回 内分泌系の解剖、機能、特徴を概説した上で、代表的な内分泌系の疾患を下垂体、甲状腺、副甲状腺、副腎皮質、髄質にわけて概説する。 第12回 第13回 第14回 第15回 乳腺の解剖、機能、特徴を概説した上で、代表的な乳腺疾患、乳腺症、良性、悪性腫瘍について概説する。 |
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| 授業計画と内容 | 病理学は疾病の病因・病態を解明する学問体系である。病理学各論では、まず諸臓器においてその機能的、解剖学的特徴を整理したうえで、諸臓器に特徴的な病気について、その病態の理解を深める。また、現代病理学は、病気の最終診断という重要な役割を担っている。諸臓器においてその特徴をふまえ、診断の根拠となる形態学的変化を学ぶ。適宜、顕微鏡実習、インターネットを用いた演習を行う。 第1回 各論を学ぶにあたって 第2回 心臓 第3回 血管系 第4回 リンパ組織 第5回 呼吸器系 第6回 腎、尿路系 第7回 消化管 第8回 肝臓、胆道系、膵臓 第9回 男性生殖器系 第10回 女性生殖器系 第11回 内分泌系 第12回 脳神経系 第13回 筋肉、骨格系 第14回 皮膚 第15回 乳腺 各回の授業体制 講義、顕微鏡実習、画像学習；担当 高桑 |
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| 教科書・参考書等 | 教科書 ロビンス基礎病理学（第７版）廣川書店 日本病理学会 病理各論コア画像 http://jsp.umin.ac.jp/corepictures2007/index.html 参考書 Robbins and Cotran Atlas of Pathology. Saunders (W.B.) Co Ltd ロビンス基礎病理学の各論部に対応する。実際の病理マクロ、ミクロ像の他、臨床のCT, XPなどの画像も掲載されており、疾患の理解に役立つ。 インターネットサイト（推薦） ●病理組織画像の自習に役立つサイト 京都大学医学部 病理組織実習用 バーチャルスライド http://vs1.cas.med.kyoto-u.ac.jp/VS1/VS2.html ●正常組織画像の自習に役立つサイト Online Exercise for Histology（札幌医大） http://www.sapmed.ac.jp/histology/index.html 電子図書館・組織ミュージアム（群馬大学） http://anatcb.dept.med.gunma-u.ac.jp/~anat1his/index1.htm 岡山大学医学部医学科 組織学プレパラート http://kc.hospital.okayama-u.ac.jp/~histology/index.html ●細胞生物学の自習に役立つサイト 細胞生物学 和田勝 http://www.tmd.ac.jp/artsci/biol/textbook/celltop.htm |
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