海洋生物科学技術論と実習Ⅲ
授業の特色
本自習は、環境微生物学に興味を持った学生を対象としています。分子生物学的手法を学習し、目には見えないけれども、環境では多数派(“Unseen majority”)の細菌やウイルスを見ることができます。
授業の紹介
細菌とウイルスは水圏環境において最も豊富に存在する生物学的存在です。そして細菌とウイルスは、水圏における物質循環にきわめて大きな影響を及ぼしていると考えられています。本実習では、講義、野外資料の採取、分子生物学的手法を用いて細菌とウイルスを数えることによって、水域環境が、こうした圧倒的な数のミクロの生物によって支えられていることを体感し、身近な水域環境の生態への理解を深めることを目指します。
講義詳細
- 年度・期
- 2012年度・前期集中
- 開講部局名
- 農学部
- 使用言語
- 日本語
- 教員/講師名
- 左子 芳彦(農学研究科 教授)
吉田 天士(農学研究科 准教授)
シラバス
開講年度・開講期 | 2012年度 前期 集中 | 授業形態 | 講義 |
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対象学生 | 2回生 | ||
教員 | 左子 芳彦 教授 (農学研究科) 吉田 天士 准教授 (農学研究科) |
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授業の概要・目的 | 第1回 水域環境には極めて多様かつ多量の細菌・ウイルス群集が存在することを知り、目に見えない生物を研究するための最新の分子生物学的手法を学ぶ。 第2回 フィルターを用いたろ過および超遠心を用いて環境の細菌・ウイルス粒子を濃縮し、DNA染色試薬で染色したのち、蛍光顕微鏡を用いて観察・定量する。 第3回 濃縮した細菌・ウイルス画分からDNAを抽出し、リアルタイムPCR法を用いた細菌・ウイルスの定量法を習得する。 |
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授業計画と内容 | 1日目:水域環境における細菌・ウイルス群集とその役割についての講義 水域環境には極めて多様かつ多量の細菌・ウイルス群集が存在することならびに、微小な生物の研究法における最新の分子生物学的手法の有用性を理解する。 2日目:環境試水中の細菌・ウイルスの観察(ウイルス画分の調製) フィルターを用いたろ過および超遠心を用いて環境の細菌・ウイルス粒子を濃縮し、DNA染色試薬で染色したのち、蛍光顕微鏡を用いて観察・定量する。 3日目:環境試水中の藍藻感染性ウイルス定量的検出 濃縮した細菌・ウイルス画分からDNAを抽出し、リアルタイムPCR法を用いた細菌・ウイルスの定量法を習得する。 [授業体制] 第1回 講義、ディスカッション、実験の準備(担当:左子、吉田) 第2回 講義、サンプリング、実験(担当:吉田) 第3回 講義、実験、ディスカッション(担当:左子、吉田) |
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成績評価の方法・観点 | 出席を前提とし、実習への取り組み姿勢と提出された実習レポートから総合的に判断して評価する。技術習得度は、実習中に巡回し、正確かつ効率的な作業を積極的に行われていることを総合的に評価する。実習レポートは作成の要領を実習中に講義し、正確な記述と完成度を評価する。 |
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教科書・参考書等 | [教科書] 使用しない |