研究の世界B
授業の特色
本講義の特色は,学生が各自の関心事をテーマに選び,仮説を立てて調査・実験を行い,論文をまとめ公表するという研究のプロセスを,プレゼンテーションや査読を通じて学ぶことにある。
授業の紹介
文系・理系を問わずあらゆる分野において研究を遂行するために必要とされる情報活用能力について,体験的に学習させることを本講義のテーマとする。学生に各自が興味を持つ研究分野を決定させ,本講義の受講を通して,全学の研究において共通している「情報活用能力」(表計算ソフトを使った情報分析や可視化技術を用いた情報表現,シミュレーション技術を利用した情報創造,論文発表による情報発信,大型表示装置を使った研究発表等)を習得させることを目的とする。情報分析については,主に,手軽な統計分析ツールであるExcelの,研究の初期段階における活用を体験させた。また,他の科目の協力を得て遠隔会議システムを活用して,プレゼンテーション能力の向上を図った。
講義詳細
- 年度
- 2010年度
- 開講部局名
- 全学共通科目
- 使用言語
- 日本語
- 教員/講師名
- 小山田耕二(教授)
江原康生(助教)
各回の授業体制
原則,授業は基本的に講義30分,演習60分の二本立てで行う。受講生にはほぼ毎回宿題を課し,提出はWebシステムを通じて行わせる。3回程度,他の科目と合同または協働して講義する。
シラバス
教員 | 小山田耕二 教授は、高等教育開発推進センター情報メディア教育開発部門において部門長を務める。小山田教授は,情報可視化について大学院生や学部生に対してに関する講義を行っている。彼は37を超える査読つき論文と66を超える国際会議論文を研究業績とする。現在、小山田教授は、京都大学における教育理念に即した情報教育の新たな展開のために、全学レベルで行う情報教育の研究と企画・開発を担当している。 |
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授業の概要・目的 | 本講義では,本格的な研究活動を課するのではなく,研究の現場を体験させながら情報教育を実践することを目的とする。 1) 自分が興味をもつ学問分野に関連する「情報」を収集する。これに関連してWebベース情報収集・情報整理に関するスキルを自ら身につけることを目指す。 2)収集した「情報」を他人に分かりやすく説明する。学会投稿を想定した論文を執筆し,その内容に従った学術講演を行う。これに関連して情報表現(論文執筆能力・プレゼン能力)に関するスキルを自ら身につけることを目標とする。 ガイダンス 情報を分析する(シミュレーションモデル作成など) 情報を表現する(没入・タイル表示装置による可視化,遠隔会議システムによる協働 情報を表現する(Wordを使った論文形式レポート作成・査読体験・PPTによるプレゼン質疑) 最終発表 |
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授業計画と内容 | 第1回 ガイダンス:情報活用能力の主体的習得の勧め 第2回 Excelを用いた統計処理:回帰分析の概要の学習 第3回 Excelを用いたシミュレーション:区間尺度,架空のアンケート調査結果の分析 第4回 実在するデータを基づきExcelの回帰分析ツールを用いて仮説を検証する過程を体験する 第5回 研究計画説明:研究とは何か,研究論文とは何か,どのように書き進めてゆけばよいのかについて学ぶ 第6回 論文の骨格の作り方について学ぶ 第7回 学術研究の場での口頭発表に必要な準備やスキル,心構え,質疑応答の活用について学ぶ 第8回 2つの講義室の間で遠隔会議システムを通じた研究発表と質疑応答を体験する 第9回 査読結果に対する意見交換,受講生の選択した講義テーマにあわせた補足としての検定の学習 第10回 回答書に対する意見交換と,利用許諾書の提出を通じて知的所有権について学ぶ |