第47回 京都大学品川セミナー「生命の惑星を支える海の微量元素」

生命の惑星を支える海の微量元素 宗林 由樹(化学研究所 教授)

地球の海は、40億年前以前に形成されたと考えられています。生物は、海で誕生し、進化してきました。生物は、やがて光合成により有機物を合成するようになり、それとともに酸素を放出し、地球表面の環境を大きく変化させました。

現在、ほとんどすべての生物は、光合成生物の生産に依存しています。海の光合成生物は、必要な栄養素を海水に溶けている成分から吸収します。健全な生長のためには、炭素、窒素、リンなどの元素に加えて、さまざまな微量元素が必要です。多くの微量元素は、40億年の海の歴史を通して濃度が大きく変化し、生物進化にも影響をおよぼしてきたようです。現代の海においても、微量元素の分布は生物の生産と深く関わっていると考えられますが、その詳細はまだ謎に包まれています。

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