第35回 京都大学品川セミナー「痛みと再生の諸相-インド洋津波から2年を迎えたスマトラの経験を振り返る」

痛みと再生の諸相-インド洋津波から2年を迎えたスマトラの経験を振り返る 西 芳実(地域研究統合情報センター 准教授), 山本 博之(地域研究統合情報センター 准教授)

大きな災厄に見舞われた社会では、物理的な復興・再建をどのように進めるか という課題と同時に、身近な人を失った痛みや、個人個人を支えてきた社会の記 憶の断絶をどのように受け止めるかという課題に直面します。復興・再建で、地 域経済、社会的インフラ、個々人の生業の立て直しが相互に作用しながら進めら れていくのと同じように、災厄によってもたらされた痛みが相互に作用しなが ら進んでいきます。

このセミナーでは、死者・行方不明者22万5000人という未曽有の犠牲を出した 2004年12月のスマトラ島沖地震・インド洋津波の最大の被災地となったインドネ シアのスマトラ島アチェ州の経験を振り返り、特に被災から2年目の時期に焦点 をあてて、大規模な自然災害に見舞われた社会で人びとが個人として、そして社 会として喪失の痛みにどのように向き合い、再生にどのように取り組んできたか を考えます。

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