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現在位置: ホーム ja シラバス(2020年度) 文学研究科 日本語授業 6931009西洋史学(特殊講義)

6931009西洋史学(特殊講義)

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科目ナンバリング
  • G-LET26 66931 LJ38
開講年度・開講期 2020・前期
単位数 2 単位
授業形態 特殊講義
対象学生 大学院生
使用言語 日本語
曜時限 月3
教員
  • 岸本 廣大(非常勤講師)
授業の概要・目的  古代ギリシアには、ポリスなどから構成された「連邦」が数多く存在した。本講義では、その「連邦」に着目し、そこに関わる共同体の特徴や諸関係を考察する。それによって、ポリスという共同体だけではとらえきれない古代ギリシア世界の諸側面の理解を深めることが目的となる。
 具体的な対象は、古典期からヘレニズム時代を中心に、主にギリシア本土に成立したボイオティア、アイトリア、アカイアの「連邦」である。それらを事例に、加盟ポリスの独立・自治、「連邦」とポリスの市民権、「連邦」内のエスニシティや紛争解決といった論点を議論する。それに加えて、小アジアにあったリュキアの「連邦」からは、ローマ時代の「連邦」の記憶についても論じる。それらを通じて一つのポリスの歴史ではなく、ギリシア世界全体として歴史を構築し、最終的には従来とは違う古代ギリシア史像の提示を試みる。また、本講義では近現代における古代の「連邦」の受容にも視野を広げる。そうすることで、遠く離れた古代についてわれわれが論じる意義についても考えてみたい。
 本講義を通じて、より一般的にはかつて学んだ歴史が絶対的ではなく、むしろ可変的で多様であることを、そして歴史学の論点が現代社会の問題を反映しており、今の世界と全く無関係でないことを理解し、受講生の歴史的な考え方の一助としてほしい。
到達目標 (1)古代ギリシア史の基本的な事項や研究史上の論点を理解することができる。
(2)古代ギリシアの「連邦」の制度やその市民の活動を史料に基づいて理解し、ギリシア史全体の中での位置づけを歴史学的に考察することができる。
(3)近現代における古代史の受容を理解し、現代における古代史研究の意義について考察することができる。
(4)以上の(1)~(3)について、自らの言葉で説明することができる。
授業計画と内容  本講義では「連邦」をめぐる全体的な研究動向を紹介した上で、各「連邦」を事例としながらそれぞれの論点について考察していく。具体的には以下のように進めるが、受講生の理解度などに応じて、順番や内容を変更する可能性がある。

1. 通説的な古代ギリシア史の概観と本講義の立場
2. 新しい研究動向と「連邦」研究(1)
 ――コペンハーゲン・ポリス・センターの研究の概要と影響
3. 新しい研究動向と「連邦」研究(2)
 ――エスニシティ研究の概要と影響
4. ボイオティア(1)
 ――前5世紀の「連邦」と加盟ポリスのアウトノミア
5. ボイオティア(2)
 ――前4世紀の「連邦」と加盟ポリスのアウトノミア
6. アイトリア(1)
 ――二重市民権をめぐる先行研究の検討
7. アイトリア(2)
 ――「連邦」における二重市民権制度の変遷
8. アカイア(1)
 ――公職者制度をめぐる先行研究の検討
9. アカイア人(2)
 ――「連邦」におけるエスニシティとエトノス
10. 「連邦」における紛争解決(1)
 ――アカイアの事例から
11. 「連邦」における紛争解決(2)
 ――アイトリアの事例から
12. ローマ時代における「連邦」の制度と記憶
 ――リュキアの事例から
13. 近代における古代ギリシアの「連邦」
 ――アメリカ合衆国憲法の制定の事例から
14. 「連邦」からみる新しいギリシア史像
15. フィードバック
※フィードバックの方法は、授業中に説明します。
成績評価の方法・観点 ・定期試験(60点)
 講義の内容の理解度、およびそれに基づいて自身の考えを論理的に述べることができているかを、論述式の試験で問う。
・平常点(40点)
 毎回小レポートを通じて、講義の内容を理解しているか確認する。課題は毎回授業の最初に提示し、最後に提出してもらう。課題に加えて、講義内容についての質問を書いてもよい。その内容に応じて適宜加点することもある。
履修要件  本講義では特別な前提知識は必要としないが、受講前に高校世界史の教科書で本講義に関連する部分(古代ギリシア、ローマ)を読んでおくことを推奨する。さらに、大学生向けの西洋史入門書や初回で紹介するような古代ギリシアに関する概説書にも目を通すのがより望ましい。
授業外学習(予習・復習)等 ・毎回出す課題については、次回の授業の冒頭で解説と前回の内容の復習を行うので、課題を中心に授業内容を復習して理解を深め、さらに参考文献などを読んで自分なりの考えをまとめておくこと。
・毎回の授業で示す参考文献に可能な限り目を通し、予習すること。
教科書
  • 毎回講義の内容をまとめたプリントを配布する。