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現在位置: ホーム ja シラバス(2020年度) 文学研究科 日本語授業 6631009日本史学(特殊講義)

6631009日本史学(特殊講義)

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科目ナンバリング
  • G-LET23 66631 LJ38
開講年度・開講期 2020・後期
単位数 2 単位
授業形態 特殊講義
対象学生 大学院生
使用言語 日本語
曜時限 月5
教員
  • 橋本 道範(非常勤講師)
授業の概要・目的  戦後日本の歴史学は、消費という問題を軽視してきた。そのことは、環境という問題を歴史的に捉える必要がある今、大きな桎梏となっているのではないだろうか。本講義では、日本中世の「淡水魚消費」という問題に限定して、貴族や将軍家などにおける消費の実態、消費の形態(シルやスシなど)、消費の季節性と魚類の生態との関りなどについて紹介し、最後に内水面漁撈についても若干検討して、淡水魚消費の歴史的意義について考察してみたい。
到達目標  日本中世における淡水魚消費がどのようなものであったかを理解するとともに、これから消費をどのように創造すればよいのかについても考察することができるようになる。
授業計画と内容 第1回 「川魚」論―日本の淡水魚・琵琶湖の淡水魚
 京都の錦市場に「川魚」というジャンルの店があることを紹介することから、「淡水魚」への興味を促す。

第2回 環境史と歴史学
 アメリカ合衆国で始まったEnvironmental history(環境史)について紹介し、歴史学との関りについて概説する。

第3回 地域環境史―琵琶湖地域と首都京都
 地球環境史でも一国環境史でもない「地域環境史」について、琵琶湖地域を素材として紹介する。

第4回 戦後歴史学と消費論
 日本の戦後歴史学が消費という問題を軽視してきたことを取り上げ、消費研究の必要性を主張する。

第5回 『精進魚類物語』と中世の魚類観
 日本中世において、淡水魚がどのように認識されてきたのかを理解するため、『精進魚類物語』などを紹介する。

第6回 山科家と淡水魚・将軍家と淡水魚
 15世紀の山科家の日記類等に登場する淡水魚の記事を紹介し、海産魚と比較しつつ、消費の実態を明らかにする。

第7回 堅田鮒の登場
 琵琶湖産フナ属は、『新猿楽記』の段階から名産品であったが、その中から「堅田鮒」が特化して特産化されることを指摘し、その理由について考察する。

第8回 シルにする
 山科家の日記類などに登場するナマスやシルについて、料理書等からその料理法を検討する。

第9回 スシにする―ナレズシ
 山科家の日記類などに登場するスシについて、料理書等からその料理法を検討する。

第10回 滋賀県のフナズシ
 ナレズシの一つである滋賀県の現在のフナズシについて紹介する。

第11回 フナズシの歴史的展開
 滋賀県の現在のフナズシの歴史的展開過程を考察する。

第12回 淡水魚料理の転換
 ここまでのフィードバックをするとともに、これまでの日本料理史研究を批判し、出汁の成立、容器や調理器具の革新、発酵技術の発達など、調理・加工技術の変化や消費そのものの変化を捉える必要があることを主張する。

第13回 二つの内水面漁撈
 淡水魚消費を支えた内水面漁撈について、主に琵琶湖地域を対象としながら紹介し、生態との関りから二つに整理できることを主張する。

第14回 内水面漁撈の転換と淡水魚消費
 13世紀を画期として、エリ、ヤナ、刺網などの水面漁撈が発達していく過程を村落との関りで紹介し、その背景に都市消費がある可能性を指摘する。

第15回 日本中世淡水魚消費研究の現在的意義
 最後に、これまでの議論をまとめて淡水魚消費の歴史的意義を考察するとともに、経済が縮小して新しい地域の創造(再編成)が迫られているいま、淡水魚研究が極めて重要であることを主張する。
成績評価の方法・観点 期末レポート100%
・講義に関わるテーマから一つを選択する。
・講義の内容が理解できているかを採点の基準とする。
(詳しくは授業中に指示します)
履修要件 特になし
授業外学習(予習・復習)等  予習、復習は必要ないが、京都の錦市場や京都水族館、滋賀県立琵琶湖博物館など淡水魚と親しめるところを訪問して欲しい。
参考書等
  • 増補改訂 日本の淡水魚, 細谷和海ほか, (山と渓谷社), ISBN: ISBN:978-4-635-07043-0
  • 再考ふなずしの歴史, 橋本道範編, (サンライズ出版), ISBN: ISBN:978-4-88325594-8
  • 日本中世の環境と村落, 橋本道範, (思文閣出版), ISBN: ISBN:978-4-7842-1764-9