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現在位置: ホーム ja シラバス(2020年度) 文学研究科 日本語授業 5231002西洋哲学史(特殊講義)

5231002西洋哲学史(特殊講義)

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科目ナンバリング
  • G-LET02 65231 LJ34
開講年度・開講期 2020・前期集中
単位数 2 単位
授業形態 特殊講義
対象学生 大学院生
使用言語 日本語
曜時限 集中
教員
  • 稲村 一隆(非常勤講師)
授業の概要・目的 本講義ではアリストテレスの倫理学と政治哲学の概要について説明します。『ニコマコス倫理学』『エウデモス倫理学』『政治学』『分析論後書』『トピカ』といった著作を手掛かりに倫理学、政治哲学上の重要なポイントを講義します。本講義では様々な学生の関心に応じられるように、古代哲学だけでなく、その後の哲学史や現代の倫理学、正義論、政治哲学に与えた影響も説明するようにします。参加者の問題関心に即して内容を調整するつもりですが、今回の授業で焦点を当てるトピックとして以下の5つを想定しています。
1. 幸福と徳
2. 倫理学の方法論
3. フロネーシス(実践知)
4. 分配的正義
5. 応報と友愛
到達目標 アリストテレスの倫理学と政治哲学の概要を理解し、広く西洋哲学史の中でアリストテレスの特徴を把握すること。
哲学史のテクストを分析し、論文執筆に必要な議論を組み立てられるようになること。
授業計画と内容 トピックごとにまとめて取り組む方が教育上の効果があるので、テーマごとのおおよその回数を記載しておきます。

1. 幸福と徳(3回)
アリストテレスにおいて幸福や徳といった概念がどのように定義されたか。
現代の徳倫理学やケイパビリティ・アプローチにどのように影響を与えたか。

2. 倫理学の方法論(3回)
アリストテレスは倫理学の方法論をどのように構想したか。
弁証術や論理学関連の方法を倫理学でどのように活用しているか。
ジョン・ロールズの反照的均衡に対する影響はどのようなものか。

3. フロネーシス(3回)
アリストテレスはフロネーシスと呼ばれる倫理的な知をどのように捉えたか。
科学や技術といった知とフロネーシスの関係はどのようなものか。
実践三段論法の役割はどのようなものか。

4. 分配的正義(3回)
アリストテレスは分配的正義の観念を財や権力や名誉の分配にどのように応用したか。
アリストテレスの分配の構想は彼の目的論とどのように関連しているか。
マイケル・サンデルの共和主義や和辻哲郎のポリス的人間の倫理学はアリストテレス受容史の特徴としてどう位置づけられるのか。

5. 応報と友愛(3回)
古代ギリシア人の正義の観念(友達を助けて敵を害すること)がアリストテレスにおいてどのように捉えられたか。
応報観念が、財の交換、権力の交替、刑罰といった場面でどのように応用されているか。
友情や愛情が応報概念を通してどのように分析されたか。
成績評価の方法・観点 授業への積極的な参加(20%)と授業中に行う複数回の小テスト(40%)と授業後のレポート(40%)で評価します。
履修要件 特になし
授業外学習(予習・復習)等 予習として授業中に指定した箇所をあらかじめ読んでくることが望ましい。
復習として授業内容を把握し、興味を持った点についてレポートすること。
教科書
  • ニコマコス倫理学, アリストテレス,
参考書等
  • 重要な参考文献は授業中に紹介しますが、例えば以下のような文献が関係しています。 ジュリア・アナス『徳は知なり』春秋社、2019年。 ハンナ・アレント『人間の条件』ちくま学芸文庫、1994年。 マーサ・ヌスバウム『正義のフロンティア』法政大学出版局、2012年。 ジョン・マクダウェル『徳と理性』勁草書房、2016年。 授業内容の多くは以下の拙稿に基づいています。 Kazutaka Inamura, Justice and Reciprocity in Aristotle's Political Philosophy (Cambridge University Press, 2015).