コンテンツに飛ぶ | ナビゲーションに飛ぶ

  • 日本語
  • English
 
現在位置: ホーム ja シラバス(2020年度) 文学研究科 日本語授業 1331004国語学国文学(特殊講義)

1331004国語学国文学(特殊講義)

JA | EN

科目ナンバリング
  • G-LET10 61331 LJ36
開講年度・開講期 2020・後期
単位数 2 単位
授業形態 特殊講義
対象学生 大学院生
使用言語 日本語
曜時限 木2
教員
  • 佐野 宏(人間・環境学研究科 教授)
授業の概要・目的 日本書紀・古事記の歌謡については、従来民俗学的観点からの分析によって多くの成果が示された。「古代歌謡」とも称されるその一群はその限りにおいて万葉集などの「古代和歌」とは別に扱われ、ときとして万葉集の作品群から「古代歌謡」的な要素を抽出することが試みられもしている。その議論は万葉歌に先行する民族的要素の強い記紀歌謡の存在という時代的な先後関係と、それに依拠した影響・受容関係を想定した分析である。しかしながら、後世に象られた「古代歌謡」という概念はそもそもが作業仮説であって、記紀という作品に縛られた以上に実体があるわけではない。さらに記紀編纂以前の伝承歌があったとしても、8世紀当時の彼らに我々の「古代歌謡」があるわけではない。そもそも影響関係が辿れるということは「古代歌謡」と「古代和歌」を同一次元に措いた議論であるが、そのことへの自覚的な分析は十分に試みられたとはいえないように思われる。この点で、記紀歌謡を万葉集の歌々とを表現・修辞の方法という観点で同列に見なし、記紀歌謡の一群を万葉集に包摂するとどのように位置づけられるかを考えてみたい。この逆は用例数が異なるため記紀歌謡で万葉集を包摂することはあまり意味をなさない。結局、雑歌・相聞・挽歌があるということに落ち着くからである。すなわち記紀歌謡を古代和歌の次元で解釈することを試みるのが、本講義の目的である。方法は、従来の古典分析とさして変わらない。訓詁として文法史、語彙史の方法が行われるのは当然のことながら、とくに書紀歌謡については漢字音が問題になるため、音韻史、文字史、表記史についての知見が必要になる。日本語学文献講読論ⅠⅡと関連する国語学分野の科目を予め受講しておくことが望ましいが、並行して受講することも許容する。
到達目標 古代日本和歌の淵源について基礎研究の成果を共有するとともに、新たな研究領域を構築することを目的として、次の2点を到達目標とする。1)古代歌謡研究の現在について基本的な術語概念について簡潔に説明できること。2)教養としての古代和歌史について基本的な研究史が説明できること。
授業計画と内容 1 古事記概説
2 日本書紀概説
3 万葉集概説
4 調査研究法
5 古事記歌謡の特質
6 日本書紀歌謡の特質
7 「古代歌謡」について
8 実例演習① 倭建尊命歌謡
9 実例演習② 素盞烏尊歌謡
10 実例演習③ 風土記歌謡と東歌
11 歌謡の歌体について――長歌歌体沿革
12 歌謡の歌体について――旋頭歌体沿革
13 実例演習④ 催馬楽、琴歌譜の課題
14 歌経標式の歌体理論について
15 日本語学・日本文学Ⅰのまとめ
8回から10回は受講生に課題を与えるのでこれまでの議論を踏まえて実際に演習形式で研究発表をしてもらいます。
成績評価の方法・観点 成績は、期末のレポート試験70%、平常点30%によって評価する。レポート試験の課題は講義中に指示する。その採点基準は、問題設定30点、解決方法50点、結論20点の100点満点で評価する。なお口頭発表を受講者に求めることがあるが、これをもって平常点とする。
履修要件 特になし
授業外学習(予習・復習)等 次の2点を通常の授業外学習とする。1)参考文献として掲出している関連論文を要約して、研究史のレポートを作成すること。2)また配付資料を予め検討して講義中の質疑応答の準備をすること。
教科書
  • 萬葉事始, 坂本信幸・毛利正守, (和泉書院),
  • 校注萬葉集, 井手至, (和泉書院),
  • 萬葉集 一~四, 大谷雅夫他, (岩波書店),